現役ドラフトで去る友に最高のエール。日本ハムから巨人へ移籍する田中瑛斗投手に「マジ、頑張ろうぜ」。入団同期の清宮選手「寂しい気持ちがあるんですけど」
現役ドラフトで他球団へ移籍。所属チームに愛着のあった選手にとっては複雑な心境だろう。それはチームで公私ともに仲の良かった友も同じ思いだろう。日本ハムから巨人へ田中瑛斗投手(25)が移籍することとなった。2017年のドラフト同期で同い年の清宮幸太郎選手(25)は複雑な気持ちながらも「マジ、頑張ろうぜ」とエールを送った。
田中投手は大分・柳ヶ浦高校出身。高校野球の強豪だが、田中投手に甲子園出場経験はなかった。それでも150キロに迫るストレートなどが評価されて、日本ハムからドラフト3位に指名され入団した。
この年のドラフトで、「高校通算111本」の本塁打を放っていた清宮選手(早稲田実高)が7球団から1位指名を受けた。くじの結果、日本ハムが交渉権を引き当て、入団することとなった。
同い年のドラフト同期入団。公私ともに仲が良かった2人。それだけにプロ7年目を終え、田中投手が移籍するのは、清宮選手にとっては寂しいだろう。
10日に札幌市内で行われたトークショーに出演した清宮選手。質問コーナーで「仲の良い選手は?」と問われると、「昨日、現役ドラフトでジャイアンツに行っちゃったんですけど、瑛斗。めっちゃ仲いいです」と即答していた。
田中投手はプロ7年間で1軍の登板は10試合のみ。今季は3試合だけだった。
2020年にはひじの痛みで手術を受けた。2021年オフには一度、戦力外通告を受け、その後に育成選手契約を結ぶ。翌年、支配下選手に戻るが、チャンスは多く訪れなかった。
それだけに、田中投手は「セカンドチャンス」が来たと、前向きに考える方が良いのかもしれない。
清宮選手はどんな言葉をかけるべきか悩んだそうだが、「マジ、頑張ろうぜ」とLINEで送ったという。これこそが、簡潔だけれど最高のエールになっただろう。この言葉には「お互いに頑張ろう」という思いが伝わるから。
今後は交流戦で対決する可能性もある。以前、シートバッティングで田中投手が清宮選手を抑えたことがあるらしい。「お前、俺から打ってねえから」と田中投手から言われているそうだ。
それだけに、清宮選手は試合で対戦して、「(田中投手から)とっとと打って、早く黙らせてやります」と意気込んでいた。
友人だからこそいえる冗談であり、お互いチームは違っても1軍で活躍しようというエールだろう。
田中投手対清宮選手。来季の1軍戦で対決する場面を楽しみにしたい。