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育成選手から1軍出場。再び育成に逆戻り。ソフトバンク仲田選手の心中を思う。プロだから仕方ない?他球団へ移籍すべき?投手以外どこも守れる武器をどう生かすのか

育成選手から1軍出場を勝ち取ったサクセスストーリー。しかし再び育成へ逆戻り。ソフトバンクの仲田慶介選手(25)の心中を思うと切ない。投手以外どこも守れる武器を持っている。育成の逆戻りはプロだから仕方ないと思うべきか。他球団へ移籍すべきか。仲田選手はどちらの道を選ぶのか。

仲田選手は2021年のドラフト会議で、ソフトバンクから育成14位指名を受けた。1軍の試合に出場するには、支配下契約を勝ち取る必要がある。

プロ1年目は2軍や3軍の試合に出場してプロ野球の経験を積んだ。2年目の2023年には3月の練習中に左足を骨折するアクシデントに見舞われた。しかし手術とリハビリの末に復帰して、2軍戦で70試合に出場するなど前年以上の成績を残した。

そしてプロ3年目の今季。春季キャンプをA組でプレーして、ついに支配下登録を勝ち取った。これで1軍の試合に出場する権利を得たのだ。

今季は4月29日の西武戦でプロ初安打を放った。計24試合に出場し、ほとんどは代走守備固めでのプレーだった。スタメン出場はわずか2試合、打撃は14打数3安打で打率2割1分4厘。7月11日には1軍登録を抹消され、腰の炎症でリハビリに取り組んだ。

シーズン後に球団から提示されたのは、再び育成契約だった。「正直言葉が出ない」と仲田選手は驚き顔だ。今年死に物ぐるいで支配下契約をつかんだ。「来年そのときの気持ちでやれるかといわれたらちょっと厳しい部分がある」と本音を隠さない。

ギリシャ神話の「シジフォスの岩」を思い出す。山頂まで岩を運び上げる苦行を行うのだが、岩は重みで山頂から転がり落ち、何度も同じ苦行が続く。

仲田選手は支配下登録を再び勝ち取るために、苦しい努力を続けられるか。「シジフォス」仲田選手の心中を察すると切ない。

もちろん、仲田選手の1軍での打撃成績は物足りなかった。圧倒的な戦力を誇るソフトバンクの中で、アピールするには不十分だろう。ただ代走と守備での貢献はどうなのだろうか。打線は水物。機動力と守備は常に安定しているので、仲田選手の武器として評価できる。

仲田選手は福岡市出身。高校は福岡大大濠、大学は福岡大。そして福岡に本拠を置くソフトバンクでプレーしている。他地域の球団でプレーする意欲がどこまであるだろうか。

ソフトバンクが育成契約を打診しているならば、他チームへの移籍を検討しても良いはずだ。すでに西武が獲得に向けて調査を行っているという。西武の新指揮官、西口文也監督は「守り勝つ野球」を掲げている。仲田選手は貴重な戦力となるだろう。

仲田選手よ、新たな地で自分の力を試してもいいではないか。自分の武器に自信をもって、チャレンジしてほしい。

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