佐和島ゆら

ライターしてます。小説やシナリオ置いてます。小説書くのが死ぬほど好きな成人。

佐和島ゆら

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記事一覧

FF14で救われたとあるもの書きの話

珍しい自分語りのnoteです。 これは私のコンプレックスを語ると共に FF14で起きたことで、モチベが復活して救われたんだよ という記事になります。 そういうの興味ないよと…

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「朗読台本」恋人が望むことは「星月堂へようこそ」

「カプチーノは元気ですよ、お仕事頑張って……」 思わずメールを口に出して読んでしまって、駅の真ん中で恥ずかしくなった。 僕はすっかりというか、とうの昔からという…

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【音声】「再演される戀の話」【台本】

兄さん  妹と二人で暮らしている男性。妹のことを大切にしている。  実は大富豪。本名はソワール 妹  兄と二人暮らしをしている。  不器用で努力家  普段は兄に「シ…

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【百合】四日間の恋人【台本】

柏崎音羽(かしわざきおとは)(♀) 高校二年生 小さめで可愛い外見ではあるが、中身はばりばりの子供っぽさとガサツさがある女の子。故に身近な人間からは女の子とは思われ…

しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

 苦虫をかみつぶしたようなしかめ面。楽しげに周囲は食べているのに、独りでもくもくとパフェを食べるスーツの壮年の男は、あまりにその場で異質だった。  その店の店員…

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「台本」しかめ面の叔父さんのラブレター

蓮沼沙由理(21・♀)……飲食店で働いている。叔父の蓮沼夫妻から実の子のように可愛がられていた。 蓮沼公人(きみひと)(56・♂)……一流企業を早期退職したサラリー…

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「朗読台本」仕事する前の彼は「星月堂へようこそ」

人の足取りはその人の性格に影響されていると思う。  せわしない人の足取りは小走りで、のんきな人は少し重たげな音、僕の薫さんの足取りは少しゆっくりで、足音もそれほ…

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「宣伝」星月堂へようこそ「シチュエーションボイス」

サークル「rain」がお送りするシチュエーションボイス音源。 「星月堂へようこそ」 あらすじ(紹介) 星月堂へようこそ とある町の片隅にあるリラクゼーションサロンで…

君の手をとるその日のために「第8話」~君の手をとるその日のために〜

 意識がかすんでいく。近くで自分に声をかけている人の存在は分かる。きっと大声で声をかけているのだろう。けれどもその声は、もやにかかっているように遠い。血を口から…

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君の手をとるその日のために「第7話」~生きて~

 昨日と今日、秋山のやることが多くなっている。 その原因は簡単なことだ。雨が止んだためである。 黒電話はそれまでと打って変わって頻繁に鳴り、山に登れるよう、作業が…

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君の手をとるその日のために(第6話)~それは儚く消えゆくモノ~

 この世には侵してはいけないことがあると思っていた。 けして暁善の国では大統領に逆らってはいけないし、治安警察は絶対の正義だから立ち向かってはいけないし、敵と恋…

3

君の手をとるその日のために(第5話)~自覚~

 顔をあげられないことがある。 どうしようもない恥をかいたとか。 情けないものを見られてしまったとか。 弱みを見せたんじゃないかとか。 その三つが同時に来てしまった…

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君の手をとるその日のために(第4話)〜竜の涙は落ちる〜

「本、本を、読む……」  秋山は意を決せないまま、客間であぐらをかいていた。 とりあえずどの本を読むのかは今日中に決めることになり、先に凛子が自分に協力してくれる…

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君の手をとるその日のために(第3話)~2つの条件~

 終わったと思うことがある。 酒の席の失敗に、思わぬ失言、その他諸々。今、秋山に訪れたのは、逮捕するべき人物の前で盛大に腹を鳴らしたこと。 女は目を瞬かせる。 「…

君の手をとるその日のために(第2話)~腹が減っては戦は出来ぬ~

女は手錠で手首が痛んだらしく、濡れタオルで手の赤みを引かせようとしていた。 秋山と女の間に会話はない。当たり前だ、話すことなどないし、何より相互の立場はあまりに…

君の手をとるその日のために(第1話)~大雨の中、女と二人~

 どしゃぶりの雨が、平屋の外でごうごうと降っていた。雨はたった一時間前から降り出していたが、その雨量は尋常ではない。平屋の前にある川は大きく氾濫し、家屋と山道を…

FF14で救われたとあるもの書きの話

珍しい自分語りのnoteです。
これは私のコンプレックスを語ると共に
FF14で起きたことで、モチベが復活して救われたんだよ
という記事になります。
そういうの興味ないよというのはDont'Look Backで
お帰りください。

○好きがないから困ってしまうコンプレックス私は長ーく同人の世界にいて、同人のお仕事にもかかわることもあるのですが。それにつきまとってきた悩みというかコンプレックスが。

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「朗読台本」恋人が望むことは「星月堂へようこそ」

「朗読台本」恋人が望むことは「星月堂へようこそ」

「カプチーノは元気ですよ、お仕事頑張って……」

思わずメールを口に出して読んでしまって、駅の真ん中で恥ずかしくなった。
僕はすっかりというか、とうの昔からというか、彼女の言葉を待ち遠しくなっているようだ。
いつもなら感謝の言葉を書いて、それから「何時」に帰るとかいいだすだろう。
けれども残念なことに、ただいま出張中で……僕は住まいのある町から、ずいぶんと遠い場所にいる。

電話、すべきなのかな…

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【音声】「再演される戀の話」【台本】

兄さん
 妹と二人で暮らしている男性。妹のことを大切にしている。
 実は大富豪。本名はソワール


 兄と二人暮らしをしている。
 不器用で努力家
 普段は兄に「シュシュ(お気に入り)」と呼ばれてる。
 本名は「エール」

シーン1
朝・自宅
妹、ベッドで体だけ起こしている。
首を傾げながら、呟いている。

妹「あれ……私……って誰……」

兄「おはよう、シュシュ。どうしたの、寝坊するなんて珍し

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【百合】四日間の恋人【台本】

【百合】四日間の恋人【台本】

柏崎音羽(かしわざきおとは)(♀)
高校二年生
小さめで可愛い外見ではあるが、中身はばりばりの子供っぽさとガサツさがある女の子。故に身近な人間からは女の子とは思われてない。
惚れっぽく、すぐに告白もするが毎度振られてしまう。
全然気にしてはいないというフリをしてるが、毎度ショックを受けている。

姉下鈴子(あねもとすずこ)(♀)
高校二年生
中肉中背の側から見ると普通の女の子だが、音羽が本気で好き

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しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

 苦虫をかみつぶしたようなしかめ面。楽しげに周囲は食べているのに、独りでもくもくとパフェを食べるスーツの壮年の男は、あまりにその場で異質だった。
 その店の店員でも風変わりなお客だと言う。私は店員として、男の前に立つ。
「おじさん……だよね?」

 男は、あんぐりと口を開けた。

「沙由理っ……」

               ・

 普段は神保町のチェーンの喫茶店でバイトをしている。だけどその

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「台本」しかめ面の叔父さんのラブレター

「台本」しかめ面の叔父さんのラブレター

蓮沼沙由理(21・♀)……飲食店で働いている。叔父の蓮沼夫妻から実の子のように可愛がられていた。

蓮沼公人(きみひと)(56・♂)……一流企業を早期退職したサラリーマン。やや気難しく、しかめ面が多い。

蓮沼美都子(52・♀)……故人、数ヶ月前になくなっている。明るく茶目っ気のある性格だった。

店員A……沙由理がヘルプで行った先の店員
親族A……蓮沼家の親族
親族B……蓮沼家の親族

シーン1

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「朗読台本」仕事する前の彼は「星月堂へようこそ」

「朗読台本」仕事する前の彼は「星月堂へようこそ」

人の足取りはその人の性格に影響されていると思う。
 せわしない人の足取りは小走りで、のんきな人は少し重たげな音、僕の薫さんの足取りは少しゆっくりで、足音もそれほど立たない歩き方だ。
 
 僕は朝が苦手で、でも薫さんが朝から、ご飯の準備をしたり調べ物をしたり、動き回るから、僕も頑張って起きる。数時間後にまた、薫さんのベッドで眠ってしまうけど。
 
「ああ、おはよう」

 薫さんは小さく笑いながら、僕

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「宣伝」星月堂へようこそ「シチュエーションボイス」

「宣伝」星月堂へようこそ「シチュエーションボイス」

サークル「rain」がお送りするシチュエーションボイス音源。

「星月堂へようこそ」

あらすじ(紹介)

星月堂へようこそ

とある町の片隅にあるリラクゼーションサロンで繰り広げられる。
優しく温かい一人語りのボイスです。

支倉薫……添い寝付きリラクゼーションのお店、星月堂で働いている。物腰は柔らかいが軽みのある性格。
親が整体師でその影響で人を癒す仕事についてる。

シーン1(プロローグ)(

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君の手をとるその日のために「第8話」~君の手をとるその日のために〜

君の手をとるその日のために「第8話」~君の手をとるその日のために〜

 意識がかすんでいく。近くで自分に声をかけている人の存在は分かる。きっと大声で声をかけているのだろう。けれどもその声は、もやにかかっているように遠い。血を口から吐き出しながら、彼女が向かった先とは別の方向を示す。救護以外の人は慌てて走り出していく。そうだ、勘違いしろ。これで凛子が無事に逃げおおせればいい。秋山にとって、何よりも彼女の無事が第一だった。
「おい! しっかりしろ……!」
 秋山に声をか

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君の手をとるその日のために「第7話」~生きて~

君の手をとるその日のために「第7話」~生きて~

 昨日と今日、秋山のやることが多くなっている。
その原因は簡単なことだ。雨が止んだためである。
黒電話はそれまでと打って変わって頻繁に鳴り、山に登れるよう、作業が随時進行していることが伝えられた。
もう少しですよという蓮河原の真面目で明るい声が、胸に棘のように刺さった。
「はい……ありがとうございます。待ってます」
 蓮河原へ伝えた言葉に、うまく感情が乗っていただろうか。
自分の本心を悟られずに済

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君の手をとるその日のために(第6話)~それは儚く消えゆくモノ~

君の手をとるその日のために(第6話)~それは儚く消えゆくモノ~

 この世には侵してはいけないことがあると思っていた。
けして暁善の国では大統領に逆らってはいけないし、治安警察は絶対の正義だから立ち向かってはいけないし、敵と恋に落ちていいのは、禁忌の物語だけだ。
 それなのに、自分は……自分は今、どんな感情を抱えている?

 派手な水音が響く。しとしとと昨日よりも弱くなる雨の中で その音はひどく乱暴に聞こえた。秋山は水の張った桶で顔を洗っていた、冷たい水が頬を叩

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君の手をとるその日のために(第5話)~自覚~

君の手をとるその日のために(第5話)~自覚~

 顔をあげられないことがある。
どうしようもない恥をかいたとか。
情けないものを見られてしまったとか。
弱みを見せたんじゃないかとか。
その三つが同時に来てしまったのだ、翌日の朝食を食べるときは秋山は顔をとてもあげられなかった。
 凛子もそんな秋山に気を使っているのかわからないが、何も言わない。
ただもくもくと食べている。せめて笑ってくれたら、感情が高ぶって何もないのだが。
 外はまだ雨が降ってい

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君の手をとるその日のために(第4話)〜竜の涙は落ちる〜

君の手をとるその日のために(第4話)〜竜の涙は落ちる〜

「本、本を、読む……」
 秋山は意を決せないまま、客間であぐらをかいていた。
とりあえずどの本を読むのかは今日中に決めることになり、先に凛子が自分に協力してくれることになった。
お陰で湯浴みをした後の着替えも確保することができた。布団の場所も教えてもらった。最初凛子は一人で布団を引き出しをしようとしていたが……。
「結構重いじゃないか、女の手では余る」
 秋山はそう言って自分でやることにした。時間

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君の手をとるその日のために(第3話)~2つの条件~

君の手をとるその日のために(第3話)~2つの条件~

 終わったと思うことがある。
酒の席の失敗に、思わぬ失言、その他諸々。今、秋山に訪れたのは、逮捕するべき人物の前で盛大に腹を鳴らしたこと。
女は目を瞬かせる。
「今の音……」
「ぁ……」
「秋山殿は本当に空腹なのですね」
「違う、そんなことはない!」
「ここにきて否定するとは……あなた、相当に頑固ですね」
「はあああ、犯罪者が私を分析するな!」
「私は別に悪いことをしたつもりはありませんわ おか

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君の手をとるその日のために(第2話)~腹が減っては戦は出来ぬ~

君の手をとるその日のために(第2話)~腹が減っては戦は出来ぬ~

女は手錠で手首が痛んだらしく、濡れタオルで手の赤みを引かせようとしていた。
秋山と女の間に会話はない。当たり前だ、話すことなどないし、何より相互の立場はあまりに違っていたのだ。
片や反逆者で片や反逆者を取り締まるもの。しかもこの女は五年も逃げ続けてきた人間だ。
 秋山からすれば同じ人間だと思うのも厳しい。女も秋山を話す必要のない人間だと思っているのだろう。
貝のようにむっつりと黙り込んでいた。六畳

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君の手をとるその日のために(第1話)~大雨の中、女と二人~

君の手をとるその日のために(第1話)~大雨の中、女と二人~

 どしゃぶりの雨が、平屋の外でごうごうと降っていた。雨はたった一時間前から降り出していたが、その雨量は尋常ではない。平屋の前にある川は大きく氾濫し、家屋と山道をつないでいた橋を、引きちぎるように流してしまったのだ。この事態、全く想定していたものではない。現状の報告をしようと思ったが、黒電話の奥から聞こえる音はツーツーという電子音だけだった。どうにかして相手に連絡を取りたいのに何とも言えない状況、そ

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