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短編集

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短編小説のまとめ
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しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

しかめ面叔父さんのラブレター(小説版)

 苦虫をかみつぶしたようなしかめ面。楽しげに周囲は食べているのに、独りでもくもくとパフェを食べるスーツの壮年の男は、あまりにその場で異質だった。
 その店の店員でも風変わりなお客だと言う。私は店員として、男の前に立つ。
「おじさん……だよね?」

 男は、あんぐりと口を開けた。

「沙由理っ……」

               ・

 普段は神保町のチェーンの喫茶店でバイトをしている。だけどその

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[性的表現あり]プシュケの聲[小説]

 帰ったのは終電。
 下半身がむずむずと熱を帯び、高ぶる夜だった。普段なら、十八禁の動画を販売しているサイトのサンプルを見る。もしくはこっそりと電子書籍で買っているエロ漫画を読んで気をなだめるのだが、その日は仕事の疲れで体は悲鳴を上げるように重い。自分の性処理をしている場合でなかった。しかも翌日は恋人の和輝と会う約束をしている。
 それなりに早い時刻で待ち合わせしていたので。志乃はくすぶりがおさま

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「掌編」私がやる気が出た理由(わけ)「小説」

 朝は憂鬱だ。低血圧で頭が痛い。起きるのを何度もためらわせる。引きずるように起き上がり、手早く仕事着に着替えてた。私の仕事は絵描きである。
 油絵を依頼を受けて描いている。最近依頼があったのは、近くに流れる大きな川の水面を描くことだった。五月の川の水面は、光を散らしたような輝きがあり、淡い青空とのコントラストが印象的だった。今日は塗りを程度を見て、削り取る作業が待っていた。
 だが、気分が重くてし

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幸せな二人の背中

この小説は有料設定にしていますが、最後まで読むことができます。

 そのお客が来ると、私は顔をしかめたくなる。もちろんレストランのホールが、お客に顔をしかめるなんて許されない。でも顔を見た瞬間、喉が詰まるのだ。そして上っ面の笑顔で迎え入れる。
 お客はもちろん私の感情なんて知らない。私の出迎えに何も疑問を持たず、自分の奥様とスーツ姿の男性を引き連れて席へと向かう。

「ワインを貰おうか。後いつ

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生きていてもしょうがない。

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 理子は押していた自転車を止めて戸惑っていた。
誰もいない路上。目の前には夏のはじめにふさわしくない黒のぼろぼろの防寒着と灰色のズボンをはいた無精ひげのホームレスの男が倒れている。時刻は真夜中の三時半。理子は新聞配達をしている最中のことだった。

 理子は大量の新聞を積んだ重量のある自転車がひっくりかえらないように気をつけながら

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優しいバスの運転手

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 申請して一ヶ月。区役所で交付される時間はたったの五分。手のひらよりもわずかに小さい。パスケースに入れられた精神障害者保健福祉手帳に戸惑いを覚えずにはいられなかった。加奈子は区役所を出ると、人目がないことを確認してもう一度、手帳を見た。軽くて、パスケースから取り出すと上質とはいえない紙がぺらぺらと風に揺れた。
 まじまじと加奈子は手

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良太のクリスマス

この作品は有料設定にしていますが、最後まで読むことができます。

 今日は楽しいクリスマス。良太はわくわくしながら飛び起きて、枕元に置かれた箱を開けました。
「サンタさん。僕のお願いを聞いてくれたかな」
 良太はお母さんに一生懸命、お願いしていました。サンタさんが自分の欲しいロボットを届けてくれますようにと。そのロボットは高くて、以前お母さんにお願いしても買ってもらえなかったのです。
 膨らん

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