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バカと無知 橘玲

この著者は「言ってはいけない」という別な本を書いている。
そちらはまだ読んでいないのだが、この本に書かれていることもまた「言ってはいけない」真実を含んでいる気がする。

バカと無知 人間、この不都合な生き物 橘玲

知らないということを、知らない

さまざまな実験や論文を根拠に、人間にとって「不都合」と言ってもいいような真実が書かれている。
この世にはそんな実験をしている人がいるのか!と驚くような内容もあり、単純に興味を刺激される部分もあった。知らなかった話ばかりである。

民主主義がうまくいかない理由などを読むと、いま世界中で起きているさまざまな問題が永遠に解決できないのが「なぜなのか」理解することができる。

また、人間の性(さが)が簡単に変えられないこと、人間の脳が大昔からアップデートされていないことによって生じている社会問題などについても腑に落ちる説明がされていた。
ただし、やはりそれは大声では言えない真実なのかもしれない。


「知らないことを知らない」「知らないことに気が付かない」。
そのことによって世の中では様々な問題が生じている、ということに気付かされた。
とても読み応えがあった。

バカと無知

この本でいう「無知」とは物事を知らないこと。
そして、物事を知らないことに気づけないのは「バカ」と書かれている。

世界中のありとあらゆる物事を知ることは到底不可能だが、自分には「知らないことがある」という自覚を心にとどめておくことは、生きていく上で非常に重要なことだと思う。
その自覚が時に思考の潤滑油になったり、他人に寄り添う気持ちを生むのではないだろうか。

ただ、この世の中にはこちらがどんな心構えをしていても対応できない物事、出来事、人がいるというのも事実。
自分を守るためには人間の性や本能をある程度理解し、永遠に解決しないことがある、逃げなくてはならない時もある、ということも忘れてはいけないと思う。



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