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佐藤太一郎のこれまでとこれから
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【いま何が一番したいの?】

【いま何が一番したいの?】

2020年3月。

コロナ禍に突入し、ありとあらゆるものがストップしました。

不要不急の外出は制限され、エンタメ業界はモロに煽りを受けました。

地震でも台風でも休むことのなかったなんばグランド花月が、4ヶ月間休館することになりました。

それまで全力で走り続けてきた日常が突然ストップモーションのように止まってしまい、これまで走っていたからこそ見えなかった景色や、見えないフリをしていた現実と向き

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【これまでとこれから】

【これまでとこれから】

第五十一話【これまでとこれから】

2010〜2020年まで、僕は年2〜3本のペースで、佐藤太一郎企画という演劇のプロデュース公演をしてきました。

しかし、2020年3月からコロナ禍になり、2020年の春は、吉本の劇場もすべて休館となりました。
夏頃から少しずつ再開しましたが、劇場はガラガラ状態でした。
通常興行ですらその状態ですから、新喜劇以外の公演なんてとてもできる状態ではありません。

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【自分を作品に投影する】

【自分を作品に投影する】

2018年2月11日。
第一子が誕生しました。

父親になったことで、新たに表現したいことが生まれました。

佐藤太一郎企画その23『お母さんいません』は、子どもになった父と、子どもでいられなくなった娘の物語。

脚本は中野劇団の中野守さんとタッグを組んで、一から作り上げました。
今までの佐藤太一郎企画では、既存の脚本を演じたり、新作の場合も先にキャストを決めて、あてがきをしてもらったりしていまし

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【愛すべきバカヤロウたち】

【愛すべきバカヤロウたち】

僕はキングコング西野さんのオンラインサロン、西野亮廣エンタメ研究所で『佐藤太一郎の演劇魂』というコラムを連載させてもらっています。

コラムを書かせてもらうようになってから、新しい仲間がたくさんできました。
現在の登録者数は約6000人。
演劇を通して、挑戦したい人と、応援したい人が集まる場所。
『演劇魂』はコラムですが、そんな仲間達の待ち合わせ場所になれたらと思っています。

僕が挑戦したクラウ

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【人生初のクラウドファンディング】

【人生初のクラウドファンディング】

2018年、人生初のクラウドファンディングに挑戦しました。

『赤ちゃん連れの親御さんにも、気兼ねなく演劇を楽しんでもらいたい!』

赤ちゃん連れの場合、赤ちゃんが泣いたり騒いだり、オムツ替えや離乳食をあげるなど、席を離れなければならないことが多々あります。

そのため、客席が満員の場合、移動することができず、親御さんに演劇を楽しんでもらうことができません。

そこで、700人キャパの劇場で、入場

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【最適な場所】

【最適な場所】

2018年の夏に上演したのは、『夏の魔球』という甲子園で働く老グラウンドキーパーの物語。

2015年に近鉄アート館で上演し、3年後の2018年、満を持して、なんばグランド花月で2日間上演しました。

なんばグランド花月はキャパ858席、吉本の劇場の中では一番大きく、野球でいうなら甲子園球場のような、目指すべき場所でした。

ちょうどこの頃、映画界では『カメラを止めるな』が、空前の大ヒットを飛ばし

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【バーベキュー型のエンタメ】

【バーベキュー型のエンタメ】

第四十六話【バーベキュー型のエンタメ】

キングコング西野亮廣さんの脚本で、『グッド・コマーシャル』という作品があります。

これまで僕は、演劇で6回、朗読劇で1回上演しています。

なぜこんなにも上演しているかと言うと、この作品が大好きだからというのもありますが、西野さんから「グッド・コマーシャルは太一郎に向いてるから、何度も上演して、太一郎の代名詞にしたほうがいい」と言っていただいたからです。

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【役者を続けていくために】

【役者を続けていくために】

19歳の時、『風のピンチヒッター』の初演を東京の新宿モリエールで観た時の衝撃は、今でも覚えています。

この公演の後に行われたオーディションでランニングシアターダッシュに入団し、19歳から劇団が解散する27歳まで所属していました。

『風のピンチヒッター』は、弱小の高校野球部を舞台に繰り広げられる、青春エンターテイメント。

〈あらすじ〉
大阪府立第三高校野球部は、部員がたったの二人きり。
三年生

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【役者として突き抜ける】

【役者として突き抜ける】

佐藤太一郎企画その18は、一人芝居の二本立てに挑戦しました!

役者としての勝負。
たった一人でどこまでやれるのか?

一本目は「捨てる紙あれば。」という、野村尚平くんが書き下ろしてくれた脚本。
見た目はヤクザですが、実は天使という設定。

二本目は「I’m Only Sleeping~赤垣源蔵本人による解説付き~」という、桂正樹子さんが脚本の、忠臣蔵を舞台にした時代劇。
舞台セットは落語のような

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【限界の向こう側】

【限界の向こう側】

僕が今まで演じてきた芝居の中で、体力的に最もしんどかったのが、佐藤太一郎企画その17で上演した、『THE END'16』という作品でした。

この作品はマラソンの物語で、上演時間120分の間、主人公の日暮というジジイは、一度も止まることなく走り続けます。

演劇にはランニングマイムという表現方法があります。
ランニングマイムは、僕が新喜劇に入団する前に所属していた劇団、ランニングシアターダッシュの

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【50歳の未来】

【50歳の未来】

佐藤太一郎企画その16『未来(あした)の今日』で演出を依頼したのは、TBSで明石家さんまさんやSMAPさん、EXILEさんなどのヒット番組を手掛け、現在はバラエティープロデューサーとして活躍してしている、角田陽一郎さんでした。

角田さんに演出をお願いしたのは、西野亮廣さんの舞台『テイラー・バートン』でグランジ班の演出をされていて、終演後角田さんがTwitterで、また舞台の演出をしたいと書き込ん

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【未来(あした)はどっちだ!?】

【未来(あした)はどっちだ!?】

佐藤太一郎企画その16は、『未来(あした)の今日』という、しずるの村上純さんに書き下ろしてもらった新作の東京公演でした。

出演は、佐藤太一郎・村上純(しずる)・野村尚平(令和喜多みな実)・レイチェル・春山翔・堤下敦(インパルス)の6人。

稽古も東京で、この時は予算も少なく、僕の宿泊費もすべて、公演費に注ぎ込みました。
今なら真っ先にクラウドファンディングを立ち上げますが、この頃はまだクラウドフ

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【演劇の新しい可能性】

【演劇の新しい可能性】

心斎橋にある本屋さん、STANDARD BOOKSTOREを舞台にした芝居を作ったように、佐藤太一郎企画その15では、梅田の兎我野町にある、ドラァグクイーンの方々が働くダイニングバー"do with cafe"を舞台にした作品を上演しました。

このdo with cafeというのは、僕がレディー・シュガー・佐藤というキャラクターの勉強のために、何度も通っていたお店で、ドラァグクイーンのショーが最

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【演劇の民主化】

【演劇の民主化】

心斎橋に、STANDARD BOOKSTOREというお店があったのをご存知でしょうか?

"ベストセラーはおきません"という、一風変わった本屋さん。
カフェが併設されていて、お洒落な店内では雑貨も売られていました。
心斎橋にありましたが、その後天王寺に移転して、現在は残念ながら閉店中です。

店主は中川和彦さん。
西野さんの絵本、『ほんやのポンチョ』のモデルになった人です。

西野さんと中川さんが

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