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『三体』圧倒的スケールのハードSF!

『三体』圧倒的スケールのハードSF!

読書は昔から好きだったのですが、SFはほぼ通ってきておらず、SF超初心者。SF小学生。理系のくせに。

想像力の乏しさのせいか、ありえない設定のフィクションというのが苦手で、SFだけでなくファンタジーやホラーは避けていました。(ミステリーやヒューマン系(?)が好き。)

そんなSF幼稚園児の私がほぼ初めて手に取ったのがこの超ハードSFである「三体」。

めちゃくちゃ面白かった。早くも三体ロスです。

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谷崎潤一郎のススメ

谷崎潤一郎のススメ

私の谷崎潤一郎との出会いは痴人の愛。しおらしい女性を妻にしたつもりが、次第に支配されていき、それを甘んじて受け入れる夫、という夫婦生活を描いた作品です。

純文学について学問的には何も知らないし、谷崎潤一郎についてもまだまだニワカなのですが、私なりに魅力をお伝えしたいなと思います。

人間味谷崎潤一郎の作品を読んでて一番楽しいポイントは『人間味』です。物語の中心の人物に真っ当な人間が描かれることは

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朝井リョウ『スター』に3回以上揺さぶられる

朝井リョウ『スター』に3回以上揺さぶられる

芯のある考え方を持たずに生きているので、本を読むとすぐに感化されます。ちなみに、友達と喋るとその喋り方が移る、好みや趣味をコミュニティーの中で探してしまうなどの流されやすさがあります。

そんな私が読むと、朝井リョウの『スター』は何度もコロコロ考え方を行ったり来たりさせられます。テニスの打ち合いのように応酬するのではなく、ゲートボールのようにあっちこっちへ打たれます。

映画監督を目指す2人の青年

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『推し、燃ゆ』と『コンビニ人間』は読む人を選ぶ芥川賞受賞作

『推し、燃ゆ』と『コンビニ人間』は読む人を選ぶ芥川賞受賞作

暇になってからやっと読むようになった芥川賞受賞作品たち。田舎の図書館はベストセラーでも開架で手に入るのでありがたいです。そうでなければ読んでなかった…

『推し、燃ゆ』はタイトルの通り、推しのアイドルが炎上して、ファンである主人公が揺れ動く話。『コンビニ人間』はコンビニバイトに捧げた主人公が途中で入ってきたアルバイトのヤバい奴にこれまた揺さぶられる話。2冊とも薄くてテンポが良いのですぐに読めてしま

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『時をかけるゆとり / 朝井リョウ』を読んで

『時をかけるゆとり / 朝井リョウ』を読んで

一度手をつけたらそればっかり食べてしまう「ばっかり食い」ならぬ、1人の作者の作品ばかり読んでしまう「ばっかり読み」の癖がある。

古本屋でその作者の本を買い占めたり(そのせいで赤川次郎を100冊以上読んでいる)、図書館のサイトで作者名で検索してまとめて予約したり、Kindleの作者ページから全ての作品をダウンロードしたりするとそうなります。

このGWも相変わらず1日1冊ペースでサクサクと読書をし

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