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さりとて
2020年8月31日 21:46
消えそうな光が目の前にある手を伸ばしても届かない光が目に見えるから愛しいことずっと前から知っていた涙ばかり追いかけないで前をみれば ほら最果てで再び会おうそこはどこかなんて野暮なことは聞かないでね?最果てで抱き合って眠ろうだからそこで待っていて明日はきっと雨消えてしまった光がここにある手は届かなくても感じられる目に見えなくても大丈夫ずっと前から知っていたでも
2022年2月2日 22:57
死に絶えてその先にある光なら別にいらない ほしいのは今姦しい世界と思っていただけで 海の中腹 ただ鎮まって贈るならレクイエムかと微笑んだ そんな君には透明なハグ死の狂気胸に渦巻く私を何事もなく乗せる快速死にたいが希望であるなら絶望はいつ訪れると思う今際死ぬために電車乗るから化粧する 死ぬ間際まで人目気にして安楽死制度が導入されるまで死なないでおこう なんて無理だよ足元に
2022年3月31日 00:43
無機質で硬質なもので心ができていたらあなたのそれを手に取ってあなたの思考に触れてみたかったそうすれば、きっとこんなにこわい思いをしないですんだはずなのに
2022年4月25日 23:53
叫んでは枕に埋もれ消えていく この声いつか星座となって
2021年3月5日 23:49
ねえ その羽でどこへ行くの天使が問いかけるあたたかさもつめたさもなくただ庇護の中に生きる生温い声音さあ この足でどこへ行こう旅人はそう答える気楽さも堅苦しさもなくただ海原を見つめる波のような声紋(どうして行くのかな)(どうして行かないのかな)だれも知らないその問答は遠くのどこかでふいに行われるただ静寂だけが残るそこに声はもうなかった--価値観の話は難
2021年2月19日 10:12
早朝は独特なにおいがする鼻腔の奥がツンとする乾燥が目を刺激するこの感覚はなにかに似ているそのせいで誰かを思い出す遠くに人影が見える知らない人に違いないなのにどこかで期待するイヤホンから流れるノイズ少し音量を下げるそうしたらどうだろう鳥の鳴き声がした結局すれ違ったのは思い出した誰かではなかったそれでもこの早朝に同じ道を歩く人だったいつか思い出すだろうか今日す
2021年2月13日 00:46
むかしは月がみえたのだこの小さなベランダで十五夜には月見をしたのだろうそう思いを馳せることしか今はできないけれど隣に私の家より高いアパートが建ち目の前ではピカピカの新築があざ笑い周囲もリフォームに明け暮れているそれでも私はこの愛すべき家でかつて見えたはずの月に幻想を浮かべる若き日のそして今の親しき人を二重にみる誰も知らないままでいい私たちが想ってい
2021年2月9日 11:17
ゆわりと微睡むふとんのなかほおをなでる微風にそっと微笑みをかえすねつにふれて微温むてのひらとなりのへやから微かなこえ微酔いきぶんでちゅうにうかんでもうあしたのふあんは微塵もない--まどろむ、そよかぜ、ほほえみ、ぬるむ、かすか、ほろよい、みじん--
2021年2月1日 23:38
夜 更け 朝陽昇る奥に萌ゆ山喇叭鳴り 犬がワンとセロをちぎれ 猫そして、娘へ歌笑みよ ふけ あさひのほるおくにもゆやまらつはなり いぬかわんとせろをちきれ ねこそして、むすめへうたえみ--「あ」から「ん」までの48字でつくったいろは唄ですセロはあれです、「セロ弾きのゴーシュ」のセロです笑前回アナグラム詩をつくった際いろは唄にも挑戦したいなあと思っていたのです
2020年8月12日 01:05
「消えるのですか」「どうしても、行かなくてはいけません」「……だいじなものなのですね」「あなたには本当に世話になりました」「次は、ありますか」「あなたがそう願うならば、きっと」 そして、私は悟る。次など、ありえないことを。-.かみ合わないように見えて、実はかみ合っていて、でも本当のところはかみ合っていないそんな話を、私はしたい-.誰かのどこかに刺されば嬉しいです