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パフォーマンスいわれ

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1990年代から始めた様々なパフォーマンスの記録。昔はなんでもありでした!
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記事一覧

京都ギャラリー「グリーン&ガーデン」でのパフォーマンス記

京都ギャラリー「グリーン&ガーデン」でのパフォーマンス記

 本年のラストイベントは、京都「ギャラリーグリーン&ガーデン」(以下G&G)で開催された「EROS-美と快楽の闇を彷徨うものたち」のグループ展に参加した。

 オファーを受けたものの、私は展示出来る作品を作る作家ではないので何を、どう展示すればいいのか、ずっと頭を悩ませていた。モデルとして写真家に撮って頂いた写真は沢山あるが、それを展示してもなぁ。パフォーマンスDVD上映も考えたが、グループ展とい

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パフォーマンスいわれ28 イベント「秘宝館〜ナイトメア〜」報告記

パフォーマンスいわれ28 イベント「秘宝館〜ナイトメア〜」報告記

 2023年10月7日。札幌で自主公演「秘宝館」を開催した。これは私個人ではなく札幌で知り合った女性ダンサー五人が集まって企画したもの。
 ひょんなきっかけで女子会的に話が盛り上がり「エロテックな表現を限られた場所、人だけでなく、一般的に観てもらいたい」という発想、いや、お互いがそれぞれのステージを観たいという想いから、この企画は始まり、タイトルは「秘宝館」となった。しかしそのタイトルが自分の首を

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パフォーマンスいわれ27 サディスティックサーカス19 2019「怪談 奈落」

パフォーマンスいわれ27 サディスティックサーカス19 2019「怪談 奈落」

2019年のサディスティックサーカス。
 有難いことに私は毎年ステージをさせていただいているので、前年のサーカスが終わるとすぐに、「次は何をしよう」と漠然と考え出す。そして年が明け、春頃にはいくつかの提案を出せるようにしている。

そんな春先に、サーカス本部から連絡があった。
「今年は現代物の怪談、というのはどうです?面白い人がいるのです」
 と相談があった。その方は、現代のリアル怪談を取材し、語

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パフォーマンスいわれ26 トウキョウフリークアウトランド2018・9月「阿部定」

パフォーマンスいわれ26 トウキョウフリークアウトランド2018・9月「阿部定」

まずは「サディスティック サーカス」からの名称変更。大人の事情です。サディスカが集客できていることによって、「○○サーカス」のようなイベントができたようで、本家は早速名称変更、となったようです。

そしてこの回の会場は「浅草」。浅草六区の中心にある商業ビルに入っている会場「浅草ゆめまち劇場」。普段は専属の劇団が公演しているところである。「え!ここでサディスカができるの?!」私はびっくりした。案の定

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パフォーマンスいわれ25 サディスティックサーカス18「2018春 初コラボ龍崎飛鳥チーム」

パフォーマンスいわれ25 サディスティックサーカス18「2018春 初コラボ龍崎飛鳥チーム」

2018年、春。今回は特別コラボレーションということで、京都のフェティシュバー「バルバラ」のママ、龍崎飛鳥氏との共演となった。
 
なぜこうなったか。キッカケは2017年春のサディステックサーカスであった。出番は違えどもサディスカ常連組は顔を合わせば挨拶をし、世間話をする。その中でも同業者SM班はやはり深い会話になったりする。そんな流れで飛鳥氏とも話していた際、やおら、
「早乙女に刺されて死んでみ

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パフォーマンスいわれ24 サディステックサーカス17 「耳なし芳市」

パフォーマンスいわれ24 サディステックサーカス17 「耳なし芳市」

2017年9月。秋のサディスカ。私は思い描いていた企画があった。小泉八雲原作「耳なし芳一」だ。この題材はアングラ好きな人であれば、誰もが演ってみたいと考える題材だろう。「体に経文を書く」シーンなんて、ビジュアル的にも見応えがある。

そしてこれは琵琶デュオに弾き語りをお願いしたかった(2013年ゆきおんなでコラボ)。彼らの得意演目でもあるし、後藤幸浩氏に坊さんの役をやって欲しかったから。

問題は

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パフォーマンスいわれ23 サディスティックサーカス16 「2017・春」

パフォーマンスいわれ23 サディスティックサーカス16 「2017・春」

サディスカ恒例となった<春>だが、今までのような一体感がある会場ではなくなってしまった。演者としては残念だが、主催側とすれば仕方がないことだろう。密着スペースではせいぜい80名程度の会場。さらにその会場に面白みがなければ小スペースでやる意味もなくなる。

ということで、今回は秋バージョンでも使用している「新宿 フェイス」での開催である。

広い会場、プロレスのリングステージだが、私のパフォーマンス

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パフォーマンスいわれ22 サディスティックサーカス15 2016「安達ヶ原 黒塚」

パフォーマンスいわれ22 サディスティックサーカス15 2016「安達ヶ原 黒塚」

 春サディスカ終了後(いや途中から)、この秋のサディスカに向けての打ち合わせが始まる。制作側から「百物語的な怪談ものはどうだろう」という意見がでる。
 そこで小泉八雲の短編など、いくつか提案する。そうすると先方から他の案件資料が送られてくる、というメールのやり取りが続く。やがて話は、能の演目がいいんじゃないか、ということになり、怪談的な物語を選考する。

いくつかの演目の検討を経て「安達が原 黒塚

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パフォーマンスいわれ22 サディスティックサーカス14 「2016/春」

パフォーマンスいわれ22 サディスティックサーカス14 「2016/春」

先に話すと、ライトな感じの「春サディスカ」は今回でラストである。おそらく会場の問題であろう。今回はびっくりの場所、銀座ライオンの5階宴会場である。え、ここで切腹か〜〜!

椅子席で洋風な会場。そして伝統のビアホールということで、即座に思いついた曲はオペラ「椿姫」の「乾杯の歌」。

 となれば衣装はドレス。展開は洋風となる。紫色のビーズとレースたっぷりなドレス。ここまで王道ドレスは披露したことがない

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パフォーマンスいわれ21 サディスティックサーカス13「羽衣」

パフォーマンスいわれ21 サディスティックサーカス13「羽衣」

2015年9月。秋の本公演。
私は作りたい作品があった。
ストリップ劇場時代から思案していた題材「羽衣」だ。
羽衣伝説は、日本各地に伝わる民話であるが、能舞台での作品が有名であろう。

三保の松原の大きな松に、美しい羽衣がふわっと掛かっているのを、漁が終わった漁師、白龍が見つける。あまりにも美しい衣。白龍はこれを家宝にしようと手に取り、持ち帰ろうとした途端に天女が現れる。天女は大切なものなので返し

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パフォーマンスいわれ20 サディスティックサーカス12<2015/春>

パフォーマンスいわれ20 サディスティックサーカス12<2015/春>

2015年。春のサディスカ。前年の「ヌーランドさがみ」は閉館してしまい、どうなることかと思ったが、サディスカスタッフは根性が違う。また新たなスーパー銭湯を探し出して来た。ちょっと遠くなるが、東横線「綱島」駅にある「綱島ラジウム温泉」である。しかし、ここも本年がラストのスーパー銭湯であった。ラスト近くなると、館主も判断が甘くなるのか(笑)。いや、ありがたい。

春サーカスは、お客様も私もいかに楽しむ

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パフォーマンスいわれ19 サディスティックサーカス11<牡丹灯籠>

パフォーマンスいわれ19 サディスティックサーカス11<牡丹灯籠>

2014年秋。ここしばらく春サーカスもあるため、私としては、演出プランもはっきり異なってきた。春はよりフロアーショー的に和気あいあいと楽しむショー。秋はきっちり作った「観てもらう」ためのショー。この年はこれまでに作ってきた演目の中から「牡丹灯籠」を選んだ。この演目のポイントは「骸骨との空中カラミ」。

「牡丹灯籠」は怪談噺の定番で、講談や芝居、映画など製作されている。噺の全容は以外に複雑であるが、

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パフォーマンスいわれ18 <個人宅の園遊会>

パフォーマンスいわれ18 <個人宅の園遊会>

 2022年。群馬県、とある個人宅の庭。ここに菜の花畑と一本の桜の樹がある。今回のステージはこの花園での腹切りパフォーマンス。個人宅の庭というと、ちょっとした花壇を思い浮かべるだろうが、そんなしょぼいものではない。十畳程の庭に家主は、花園ステージを一年間かけて作り上げている。

 家主、主催者S氏とは三〇年程の付き合いがあり、私をインドへ誘ってくれたのも氏であり、ストリップ劇場での作品作りにもアイ

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パフォーマンスいわれ17 サディスティクサーカス10<春>

パフォーマンスいわれ17 サディスティクサーカス10<春>

2014年4月、春サディスカ。会場は前年度大好評だった大田区のスーパー銭湯。そして春サーカスの和気あいあい感に楽しみを感じ、予約開始と共に予約は殺到した。春バージョンは80名程しか入れない。

私は昨年同様フロアーショーバージョンの切腹を考えた。酒を呑み、肴をつまんでいる宴会場、しゃちほこばったショーでは気分も乗らない(腹切りシーンはしっかりと見せますけどね)。フロアーショーバージョンの時は、まず

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