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大人の修学旅行。第一話(前編)

7月某日。

おはようございます、なんかもう久し振りのことで正直あんま眠れなくて。だって「大人の修学旅行」第一弾ですもん、そりゃあワクワクしちゃいますよねぇ。とは言ってもほぼ阪急電車一本、三宮から無料のリムジンバスに乗り込めばほんの20分で目的地まで辿り着いてしまう。こんなお手軽ツアーを「修学旅行」などと称して良いのだろうか、いや良い。断じて良い。

だって冷静に考えてみて下さい。バスに3時間も4時間も揺られるのが当たり前になっていた事実は、乗り物酔いキングこと主宰(「キングバス」と呼んで下さい)にとっては一大事でした。最前列が一番揺れない、否真ん中辺りが一番快適、実は最後列がふっかふかシートで心もホッカホカ云々。全ては若かったからこそ乗り越えられた、まあ今回も乗るんですけどねバスに。

改めまして、今旅の行き先。

神戸が世界に誇る名門ポートピアホテル敷地内で行われる音楽イベント、キングバスが愛してやまないロサンゼルスの名門Stones Throwが3年振りに開催するプールサイドパーティ「By The Pool」。ヘッドライナーはMNDSGN、初日弾き語り2日目はDJセットとこれはもう「大人の修学旅行」第一弾に相応しいだろうと感じ迷わずチケット購入。

当方関西生まれですがしかしこれまで意外と接点の少なかった三宮以南エリアに、今回堂々の進出。右も左もわからぬ未開の地で音楽に酔いしれる至極の2日間。これぞ「大人の修学旅行」。ポートライナー圏内に下車するのなんて、リアル人生初レベルかもわからない。念のため調べてきた昼飯スポットが臨時休業だった場合、主宰は早くも初日からコンビニ飯が確定する。

初日、昼飯ガチャの結果。

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(※盛り方が雑なのは主宰がキングバスだからです)

ゴラッソー!!「神戸餐館」にて、中華バイキング1,290円也。これから始まる二日間の長丁場。ガッツリ屋外フェスへ参戦は数年振り、気合を入れねば。写真は一部ですが、野菜少なめカロリーマシマシなラインナップでしっかり元取らせて頂きやした。コロナ対策も万全でお子様連れにも安心して楽しむことのできる素敵なお店でした。

(入場待機列時点での)イベント概観。

コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに基づき、当イベントは本来キャパの50%で実施。しかしながらRedBull社という強靭な外資に後押しされ早割3,800円、前売ですら4,500円という規格外の値段設定でもって国内外の雄を招き入れることに成功。これはもう衝撃という他なく。神様仏様RedBull様、元来エナドリ苦手なんですけれどもさすがに買います今回は。

他方限りなくクローズドな本イベント、なんと当日まで演者タイムテーブル一切非公開。やってくれるじゃんねえ、これはもう宿取るしかないよねえ。さすがに商売上手、本場ロサンゼルス仕込みの手法に学びつつ華麗に本人確認突破。なくすと困るリストバンドを片手に(※フラグ)会場入り、熱中症対策としてホテルチェックイン時間までは省エネモードでの参戦。

開場前のちょっとした小噺。

過度な身バレは防ぎたい所存ですが主催は当日、ポートピアホテル南館に宿を取った。広大な敷地に右往左往していると、至るところで背広の紳士淑女に話し掛けられる。な、なんだこれは⁉実はその日同じく南館で、日本医療マネジメント学会なるものが開催されていたようで。百歩譲って老け顔ですが医療従事者の方に間違われたのは人生初、若干鼻も高い⁉

開場と共にステージ入り。

そんなことはともかく、早速初日屋外プールサイドステージの前半レビューへとまいりましょう。当たり前ですが、受付を済ませると普通にプールへと案内されます。麦わら帽子のおじさまから「入られますか⁉」と食い気味に詰問されます。が、やんわりとスルーしてパラソル下ステージ中央に鎮座。勿論暑いですし、始まったばかりですからお客様もまばらな印象です。

SHUN145(Jazzy Spot Kyoto)

かなりお若い方に見えましたが、2021年からJazzy Spot Kyotoでのバイヤーを務められており名実ともに折り紙つき。トップバッターながら老獪な選曲でキングバスの心を鷲掴みに。メロウな中にも濃淡と抑揚、そしてフロアの縦揺れ横揺れを巧みに操る姿が一際光って映りました。陰ながら応援しております!!

DMITRI ABSINTHE(Cafe ABSINTHE)

のっけのRaveenaからいきなりやられました。Funk'n'steinやChildren Of Zeus、KaytranadaのKiss Of Lifeリミックスを経由し、ボルテージが上がってゆく。そこへきてHadiya Georgeの絶妙な「スカし」に再びやられてしまうキングバス、今日はもう前半戦から変な唸り声を上げてばかりです。最後はハウスに着地、素晴らしいフライトをどうもありがとうございました。

KOTA氏の時間ですが、ここでチェックイン時刻。

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一旦荷物整理と買い出しを済ませてからフロアに復帰…とここで衝撃の展開が。なーんかどっかで見たことある、チューリップハットに髭面、短パンにスニーカーの男性が、いかにもStones Throw関係者数名を引き連れて登場。誰がどう見たってMNDSGN。丁度リハーサル直前だったらしくあまりに突然の展開にフロアは騒然となり。

それでも記念撮影、握手や小話でも笑顔を絶やさない。ナイスガイ過ぎる、そしてめっちゃ踊ってる。今日だけで一体何人のチューリップハットとすれ違ったものかと改めて勘定してみましたが、やはり彼は一目見ただけで判別が付きました。思いの外小柄でしたがきっとオーラが違う。体を揺らしつつサングラスの向こうでフロアの温度や湿度、あれこれと考え巡らせている。

「演じ手」であり「リスナー目線」であること。

些かメタ推理が過ぎますが、これが彼なりの作法なのだと強く感じました。後に持ち時間を40分近くオーバーする程大熱演を魅せてくれた(後述)彼ですが。どうすればオーディエンスに応え得るか、どうすれば自分らしさを貫けるか。この両輪で実に鮮やかに、軽々こなしていくのがMNDSGNのスタイルなのだと思います。しれっとフロアに現れるところに彼の実直さを見た。

持ち場が済んだらはいサヨウナラ、悲しいかなキングバスはそんな海外勢を片手では足りないくらいには目撃してきました。ギャランティ分キッチリと仕事をこなす、それもまたプロフェッショナルの形ではあります。それでも我々が目に焼き付けたいのはもっとこう刹那的、衝動的なステージだったりもすると思うんです。完全無欠を求めるのならスタジオ盤で事足りる。

前後編でお送りするつもりが…

割と分量いってますね、これは中編を挟む可能性が大です。という訳で彼のツアー日程ともバッチリ被らず壮大にネタバレができそうだ。しかし忘れてはならない、KOTA氏の素晴らしいセットからいくつか抜粋して一旦〆ます。もう所構わずShazamだのSoundHoundだのかざしまくってしまう、お下品なキングバスですが。現場で出会える音楽だからこそ心に響く部分もあって。


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