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おとこらむ oto-column

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「音楽と鳥しんぶん」に連載されていたレコード研究家の音楽的日常のコラムが、noteマガジンでも登場!家人の夢の中で「あなたはレコードのマハラジャよ!」と美輪明宏さんに称賛された夏…
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#蓄音機

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法②

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法②

SP再生用のカートリッジを選ぼう!入門編

78回転モード付きのターンテーブルをお持ちなら、あとはカートリッジだけでとりあえずのSPレコードの再生は可能になります。

オーディオテクニカは、SPレコード用のカートリッジをずっと発売し続けてくれている良心的なメーカーです。手軽な価格ですが、扱いやすく、針交換も安定供給が期待できるので入門編として安心してお勧めできます。付け加えますと、良い音を求めるな

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意外と簡単❣️SPレコードの再生方法①

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法①

SPレコードってなんじゃらほい?そもそもSPレコードって何?といいますと、皆さん映画などで観たことがあるラッパ型のホーンスピーカーを持った、あのレトロな蓄音器でかける専用のレコードなんです。これはLPレコード(12インチ ヴァイナル)が一分間に通常33.3回転(33.1/3rpm)するのに対して、SPレコードは78.26回(78rpm)もの高速で回転するのです。

通常のアナログ盤がヴァイナル=V

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日本とワルシャワのショパンの1949年

日本とワルシャワのショパンの1949年

「眞木先生の音は可愛く激しく、独特な世界が聞こえる。まさに現代にピッタリ!」(綾戸智恵/ジャズシンガー)

ショパン没後100周年である1949年。戦後4年、世界は戦争の惨禍からの復興の最中にありました。ナチスの侵略によって壊滅させられたショパンの故郷ポーランドのワルシャワでは、このショパンの記念的な年に、戦後初「第4回ショパン国際ピアノコンクール」を開催し新しい時代の幕開けを行いました。(このコ

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巷に雨の降る如く〜ドビュッシーのピアノ

巷に雨の降る如く〜ドビュッシーのピアノ

ビュッシーのショパン演奏を聴いたことのある者たちは、ハンマーを意識させない程のビロード・タッチと、溢れ出る泉のようなその響きを生涯忘れることが無かったという。それもそのはず、ドビュッシーはショパンの弟子であったフレーヴィル夫人にピアノを習っている。ドビュッシーの才能が、この夫人からショパン演奏の秘密を多く吸収していた事は容易に想像されるのである。
確かにドビュッシーのショパン演奏なんて想像しただけ

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コリン・ウィルソンが愛したスクリャービン〜19世紀ピアニズム「ユリウス・イッサーリス : スクリャービン/24の前奏曲集+2」

コリン・ウィルソンが愛したスクリャービン〜19世紀ピアニズム「ユリウス・イッサーリス : スクリャービン/24の前奏曲集+2」

~ Fragments of History ~
ピアニストの黄金時代を担ったピアニストたち(6)

スクリャービンの初期作品はショパンの作品形式を精神的にも受け継ぎ、練習曲、夜想曲、ワルツ、マズルカ、ポロネーズ、前奏曲、と同スタイルの名曲を多く残した。中でもショパンをも凌駕する白眉の出来は「24の前奏曲集 作品11」である。

ロシアの神秘主義作曲家としられるアレキサンドル・スクリャービンは、サ

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