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#音楽評論

照明付きオーケストラに若者招待リハーサル。行政が文化芸術の道標を作ってしまうということ。

照明付きオーケストラに若者招待リハーサル。行政が文化芸術の道標を作ってしまうということ。

 新型コロナに感染してしまったのでずっと家にいる。隔離期間もあと1日だ。この1週間、Prime VideoやNetflixを利用して、いくつか映画を観た。質の高い映画を安価で手軽に観ることができる。こんなに良いことはない。
 初めてPrime Videoを利用したのは大学生のときだった。映画好きのわたしは、良い作品を手軽に観ることができるこのサブスクに喜んだ。もちろんわたしの観たい映画が全てあるわ

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クラシックの新譜は「いま」を反映する!?11月の新譜をご紹介!!

クラシックの新譜は「いま」を反映する!?11月の新譜をご紹介!!

 みなさまこんにちは、布施砂丘彦です。遂に流行病に罹りました。時間もできたので、noteでも更新しようと思います。

 さて、ここに写っているCDは、すべてこの1ヶ月で発売されたクラシック音楽のCDです。はい、ともかく量が多い。ここにすべての国内盤があるわけではないのですが、それでも50は超えます。毎年この時期は『レコード芸術』の「レコード・アカデミー賞」があるから新譜が多いのだとか。素晴らしいC

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黒田鈴尊・尺八独演会を聴いて

黒田鈴尊・尺八独演会を聴いて

 今日は、黒田鈴尊氏による尺八独演会に行った。少し書き連ねる。

 黒田鈴尊氏は1983年福島生まれで、早稲田大学在学中に尺八を始めた。現在、(特に現代音楽の分野において)最も注目すべき尺八奏者である。令和元年度は文化庁文化交流使として海外にも赴き、文字通り国内外で活躍している。

 そんな黒田氏の独演会である。楽しみにやってきた。

 氏はこれまで、独演会ではひとつの公演のなかに古典と現代のどち

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ミヒャエル・ハイドンの音楽(1)《セレナーデニ長調 P.87》

ミヒャエル・ハイドンの音楽(1)《セレナーデニ長調 P.87》

本シリーズでは、ミヒャエル・ハイドンの音楽を愛してやまない筆者が、知られざるミヒャエル・ハイドンの名曲を解説していきます。

1. ミヒャエル・ハイドンの人生 ヨハン・ミヒャエル・ハイドンは、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)の弟として、1737年9月17日にオーストリアのローラウで生まれた。兄と同じく古典派を代表する作曲家である。しかし、現在ではあまりに高名な兄の影に隠れ、その作

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オーケストラ、給与体系の歴史

オーケストラ、給与体系の歴史

 大学を卒業してから、お仕事で「首席奏者」を弾かせていただく機会が徐々に増えてきた。「首席」で弾くと「首席手当」がもらえる。すなわち、他の人よりもギャラが少し高い。確かに管楽器の首席奏者たちはソロが多く、弦楽器の首席奏者はボウイングを決めなければならず、或いは音楽のイニシアティブを取るために曲をより理解しなくてはいけないから、他の奏者よりも準備に時間がかかる。とはいえ、例えば同じ「1番オーボエ」で

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