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カフェ・オ・レが冷める前に
視界の端にコーヒーメーカーが映った。熱いブラックコーヒーが喉を通る感覚を思い浮かべる。一仕事終えた体には最適だろう。しかしながら、首から下の汗が酷く鬱陶しい。「とりあえず着替えを済ませてからにしよう」そう思い作業服を脱ぎ払っていると、カツリカツリと特徴的な音が聞こえた。耳を澄まさずとも分かった。カジウラの足音だ。
「おつかれさん。仕事には慣れたか?」
「あっ、ヒムラさん。お疲れ様です。まあ、そ
【ショートショート】手袋の中のユートピア【朗読用台本】
朗読用台本としてお使いいただける掌編小説です。
冬にお気に入りの手袋をして出かけるのってなんだかウキウキしませんか?
そんな気持ちを込めて書いたちょっぴり不思議なお話です。
本文 冬になると楽しみなことがある。わたしの手袋はどこか別の世界に繋がっていて、なぜだかそれは真冬にならないと私の手を受け入れてはくれない。冬の始まりの冷たい風に体が震え始めると同時に、真冬の訪れへの期待から胸が踊る。私の
グリーンハウス
第一回かぐやSFコンテスト
https://virtualgorillaplus.com/1st-kaguya-sf-contest/
に応募し、
Honorable Mention (選外佳作) リスト
https://virtualgorillaplus.com/nobel/1st-kaguya-comment-and-honorable-mention/
に選出いただいた作品です。