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詩集C(30代以降の作品群)

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社会派ミステリー小説、PHASEシリーズの著者 悠冴紀が、30代から現在にかけて書いた最新の詩作品を、このマガジン内で無料公開していきます。 なお、作品の下に、一見解説文のよ… もっと読む
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2020年2月の記事一覧

詩 『雪の記憶』

詩 『雪の記憶』

作:悠冴紀

雪を見るたび 私はいつも
何故だか君を 思い出す

君の喪失は受け入れない
受け入れられるわけがない

だがこの悲しみは
引き受ける
あえていつまでも
悼み続ける

忘れるつもりなど更々ない
君との日々も その別離さえも

たとえそれが楽な道でも
私は決して
忘れない

君の記憶は
心の宝

悲しみの深さは
その大きさの証

失うに堪えない関係があること自体
恵まれている証拠なのだと

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詩 『「おかえり」~君を迎える言葉』

詩 『「おかえり」~君を迎える言葉』

作:悠冴紀

「おかえり」その響きに対する憧れはなかった
今も変わらず 昔から

長い間 ずっと
帰りたい家がなかったためか

それを寂しいと 感じたためしもない

「おかえり」その一言を聞いて抱くのは
違和感のみだった

自覚はある
醒めた人間だ

無い物ねだりの甘い期待に縋るほど
ロマンチストになどなれなかった

いかにも自分らしいと
つくづく思う

誰も帰りを待たない自由を愛し
清々しい充実

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