天才肌のサッカー少年ボリスと、彼の活躍を見守り、インスピレーションの源であり続けるアレクセイとの、十数年間にわたる独特の友情関係を、社会主義体制崩壊後の激動する社会情勢とシンクロ…
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#創作
📖【小説】 『クルイロ~翼~』 ④ (2007年刊行の絶版本をnote限定公開!!)
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-----④▽-----◆第二章「二人の空」中盤 P.45~
ボリスの創造力の出しどころであり、かつ右に出る者のいない事柄として、サッカーのほかにもう一つ、芸術という分野があった。
一度、芸術の授業で『将来の我が家』をテーマに作品を制作するという課題が出された。日頃から造形物を作ったり、仕掛けの凝ったビックリ箱を作ったりして遊んでいたボリ
📖【小説】『クルイロ~翼~』 ⑥ (2007年刊行の絶版本をnote限定公開!!)
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◆第三章「双頭の鷲」 前半(P. 73~)
何事においても激動型の変化を遂げる傾向のあるボリスは、気が付くといつの間にか別人のようになっていた。
まず、父親レフ氏に対する態度が一変した。これまでは子供なりのプライドや意地から、ときに父親や長男アナトリーと激しく衝突してきたボリスだったが、感情任せに反抗心を剥き出しにするのは要領が悪くて非生産的だと、ある