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#小説
[小説 祭りのあと(12)]十二月のこと~ユウジの鳴らすAマイナー(後編)~
「何、かおるちゃん。ようやくバイトに入れるんか?」
年末試験がようやく終わり、かおるはマスターにアルバイトのシフトの相談をしたのだった。正月三が日だけ実家の北九州に帰り、あとはアルバイトに入れると言うのだった。
「じゃあ、年末までびっちり入れさせてもらうで。忙しくなるけぇのぅ」
年末もまた、商店街が忙しくなる貴重な季節だ。
クリスマスや歳末バーゲンなどのイベントが押し寄せる。
それらの
『未来断捨離』 #毎週ショートショートnote
「あなたの未来、断捨離しませんか」
怪しげな看板をでかでかと掲げた怪しげな店が、市内の大通り沿いにできたのは最近のことだった。
そのうさんくさい雰囲気とは裏腹に、連日行列が止まないほどの大盛況を呼んでいるので、たまたま部活が早く終わった日に、滑り込みで行ってみることにした。
「お名前は」
「大河です、宍戸大河」
「大河様は高校2年生でいらっしゃいますね」
「はい」
「そろそろ受験も考
【連載小説】「愛のカタチ・サイドストーリー ~いびつな二人の物語~」#4 自殺未遂
前回のお話(#3)はこちら
ストーカー行為が露呈した純。「一度だけ信じる」と言って許してくれたかおりですが、彼を乗せたまま夜の高速道路へ向かいます。かおりはいったい何を考えているのでしょうか……。続きは ↓ をお読み下さい(*^-^*)
かおり
頭の中がごちゃごちゃしている時、わたしはしばしば高速道路を走る。信号のないまっすぐな道を走っていると、不安や悩みを忘れられる。けれども今日はなぜか上
小説「物理は苦手だったけど、少しだけ引力の話をしないか」 #2
「わかる!いいよね!ラスカル!」
秒で既読がつき、そんな返信がきた。
えらく可愛らしい略称だ。まだ残っていた公式ホームページのbiographyを押した時に表示された、俯き加減の若(いんだかそうでもないんだか、明度が意図的に低いので分からな)い男性と思しき3人組の写真との間に多少なりとも乖離は感じるけども。
織ちゃんはほんと、こういうのに詳しい。
音楽好き家庭に生まれたとか、楽器やってたとかっ