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竜さんの「つぶやき以上○○未満」

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長すぎるつぶやきと……。
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2016年10月の記事一覧

Apple Musicでビリー・ホリデイに胃が縮む。

Apple Musicでビリー・ホリデイに胃が縮む。

最近は昔好きだった小説をいろいろ読みかえしていて、今は花村萬月さんのデビュー作『ゴッド・ブレイス物語』を読んでいます。若い頃から何度も読んだ小説だけど、今回はあらためて、じっくりじっくりじっくり、細部に渡るまで読みこんで楽しませてもらっています。

若く才能溢れた女性ブルース・ボーカリストが、バンドメンバーやはぐれヤクザ、夭折した天才ギタリストなんかのワケありの人々と織りなしていくアウトローでちょ

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iMacにコントロールされる男。

iMacにコントロールされる男。

週に五日、都内の実家で生活しているときは12インチのMacBookを使っていて、週末は茅ヶ崎の自宅の書斎で27インチのiMac Retinaを使っていました。

ディスプレイの大きさだけでなく、CPUやメモリなどスペック的にもiMacのほうが断然上なので、毎週家に帰る度にその快適さにちょっと感動すらして、iMacに頬ずりしたくなっちゃうほど。

でも、あまりに見やすくて、快適で、何でもできてしまう

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かすかだけどたしかな幸福を食べて生きていく。

かすかだけどたしかな幸福を食べて生きていく。

よく晴れた土曜日。

ぼく以外の家族は朝から出かけていったので
お昼はキッチンテーブルに一人で
昨日の残りのほっけ焼きとレンジでチンした冷凍ごはんを食べた。

秋晴れの陽光が窓から差しこむのが綺麗だったので
キッチンの灯りをつけずに、ちょっと薄暗い中
一人でもそもそと食べ、静かに白湯を飲んで
ふーっと一息ついて
「なんだか幸せだなあ」と思った。

その日の午前中は書斎でずっと書きものをしていた。

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女房を質に入れてノラ・ジョーンズを聴きにいく。

女房を質に入れてノラ・ジョーンズを聴きにいく。

先日、家内と井上陽水さんのコンサートを観てきました。
八月に亡くなった父が母と行くはずだったチケット二枚を
「あなたたちが行ってきなさい」
と言って母がくれたのでした。

コンサートはカバーアルバムのツアーだったので
陽水さんのスタンダード・ナンバーは
あまり聴けなかったんだけど

最後には『夏の終わりのハーモニー』を生で聞いて
そのとき季節は本当に夏の終わりで
「今夜のお別れに」というところで

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ぼくの中にいた横山健。

ぼくの中にいた横山健。

書斎で仕事をしながらテレビを眺めていたら
ひさしぶりに横山健を見かけた。
クレイジーケンバンドの剣さんじゃなくて
ハイスタのほうの健さんね。

ハイスタが流行ってた頃は
グリーンデイとかのアメリカのメロコアにハマってたので(日本語英語が受け入れられなくて)
あんまり聴いてなかったんだけど
今こうして振り返ってみると
ハイスタ以降の人生も含めてやっぱりカッコイイね。

健さんも僕も同じくブルーハーツ

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すねるかりんさま。

すねるかりんさま。

最近家を空けることが多いせいか
たまに帰っても
飼い猫のかりんがあまりそばに来なくなった。

そんなに気にはしてなかったんだけど
まだ皆が寝ているある早朝
あまりにも走りまわって暴れてうるさいもんだから
なかば無理やり抱きこんで
そのまま一緒に自分の布団に潜り込んだ。

嫌がって出ていくかなと思ったら
ぼくの右腕を枕にしてそこで静かに眠りはじめた。
いつもの無表情なんだけど
なんとも安心した顔に見

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普段からメイクしない君が薄化粧した朝。

普段からメイクしない君が薄化粧した朝。

世の中のあれこれが運命のように見えるのは、カラーバス効果みたいに、けっきょく自分が意識的にそうとらえているんだってことはわかってる。

でも数ヶ月前のあの日、高畑充希ちゃんていう天才女優をきっかけに、ふだんは観ないNHKの連続テレビ小説を録画予約して、宇多田ヒカルの主題歌を聴いたとき、冒頭の歌詞に違和感を感じたのは、今思えば運命としか思えない。

普段からメイクしない君が薄化粧した朝
始まりと終わ

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