マガジンのカバー画像

エッセイ~日々の戯言、独り言~

36
猫の話、酒の話、どうでもいい話。日々思い浮かぶことを綴りました。
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

バースデー・ナポリタン

バースデー・ナポリタン

腹が減りすぎて、朝っぱらからインスタントラーメンなんぞを食べてしまった。
年に1、2度しか食べないのに、誕生日の朝に限って。

まあ、いい。誕生日を迎えて嬉しい年齢ではないし、久しぶりのインスタントラーメンは美味しかった。

誕生日には毎年、亭主にナポリタンを作ってもらっている。
「ナポリタンとオムライス、どっちがいい?」
と、毎度聞かれるけれど、間違いなく酒飲んでるし、米よりもパスタが合うので、

もっとみる
プリンを柔らかくしたのは誰だ?

プリンを柔らかくしたのは誰だ?

もうあの波は去ったのかな。一時期、とろっとした液状のプリンがスイーツ界を席巻したことがあった。
私は、プリンにもちょっとうるさい。とはいってもプリンなんてそうそう味が変わるものではないので、オムライスほど条件は厳しくない。
けれど、スプーンで掬っても形状をなしていないものは、もはやプリンとは言えない。

流行りの頃、どんなものかと試してみたけれど、プリンというよりカスタードクリームみたいだった。

もっとみる
温泉町の映画館

温泉町の映画館

「子供の頃、タダで映画を観ていたんだよ」

私がそう言うと、たいていの人に驚かれる。

故郷の街には映画館が二館あって、ひとつは大きな商店街のレストランの隣にあった。

そのレストランのコックさんと父が友人だったので、無料で入ることができたのである。

いくら知り合いだからって、そんなこと可能なの? と思われることだろう。それが可能だったのだ。コックのナベさんから映画館受付のおばさんにお願いすれば

もっとみる
オムライスにデミグラスソースをかけたのは誰だ?

オムライスにデミグラスソースをかけたのは誰だ?

普段、観ることはないのだけれど、町中華のオムライスと聞いて「マツコの知らない世界」にチャンネルを合わせた(今もこの表現でいいのか?)。
私はオムライスに関してはちょっとうるさい。
以下の条件を満たしていないと本物のオムライスとは認めない。

①ケチャップライスはしっかり炒めてあること
②玉子はしっかり火が通っていること
③くるっときれいに玉子がケチャップライスを包んでいること
④出来上がったオムラ

もっとみる
梅まつりの午後、夏を想う

梅まつりの午後、夏を想う

そろそろ冬も終わりかな。梅の花が咲き始める頃、私の心は少女のようにときめき始める。
梅が終われば桜が花開き、やがて夏がやってくる。
どんなに暑くても、私は夏が大好き。昔から早起きは苦手だけれど、むせ返るような蝉の鳴き声に起こされる朝は、心底、幸せを感じる。

でも、ここまで考えるのは時期尚早。
とりあえず、梅の季節になったので、世田谷羽根木公園の梅まつりに行ってきた。
毎年、開催直後は花の開き具合

もっとみる
マッシュルーム×紫いも=???

マッシュルーム×紫いも=???

安かったのでマッシュルームを箱買いした。買ったはいいけれど、我が家は夫婦二人暮らし。毎日何かしらマッシュルームを使った料理を食べても、新鮮なうちに使い切れる量ではない。
そもそも、マッシュルームというものは、単独で主役をはれる食材ではない。
大量消費するとなると、マッシュルームのポタージュくらいしか思いつかない。
私は早速、玉ねぎとマッシュルームを細かく刻んでいく。その時、ふと思いついた。
いただ

もっとみる
百段階段 -1.0

百段階段 -1.0

庶民には縁のない目黒雅叙園に行ってきた。
結婚披露宴に招待されたわけでもなく、当然、宿泊するわけでもない。
併設される「百段雛祭り」を見にいったのである。

令和って何? と錯覚してしまいそうな、ノスタルジー溢れた階段を上ってゆく。
展示作品に影響のないよう、室内暖房は最低限。冷えた足で踏み入れた世界はまさしく源氏物語の世界。

細部まで拘ったであろう人形、調度に至るまで圧巻としか言いようがない。

もっとみる