記事一覧
flower bud[melancholic children]
死は愛せない隣人である
遠ざけることも、避けることもできず
手の届くところで佇んでいる
ただ黙ってこちらを見ている
待つことしかできないわたしは
そのまま溶けて消えてしまいそう
しがみつくことも叶わずに、たゆたう
流されるままに、身体を丸めて
手向けられた花は
いまだ蕾のまま、開くことなく
わたしの隣にある
[詩画集]melancholic children
文芸団体「煉瓦」主宰・安
baby doll [melancholic children]
sleep.
足元から伸びる白線を歩く
踏み外さないように慎重に進む
枯れ木のように痩せて
黙って従うだけの屍と同じ
forest.
この穴は食事をするための器官.無駄なことは口に出さない.
適当に受け流し相槌を打つ.押し寄せた波が引くのを待つ.
反骨心は息を潜めて.願いを受け入れて歩く子供.
治りかけの瘡蓋が剥がれる.青痣を重ねながら.求めている答えを察する.
fool.
恥をかくことも.気
名乗りを上げる ひづみ 【JOINT POEMS】
【JOINT POEMS】収録作品
名乗りを上げる ひづみ
角を曲がれば青が見えた
そこには様々な色があった
沢山の人が自分の色を飾り
沢山の人が自分の色を探しに来た
その溢れる色を包み込むようにあった青色
生命の源である水
上を見上げれば目に入る空
私たちを包み込んでくれる青色は
その空間を優しく抱いてくれていた
血が流れた
止血は間に合わない
周りの人はただ眺めることしか出来ず
辺りは騒
Neo town 葬式【JOINT POEMS】
【JOINT POEMS】収録作品
Neo town 葬式
潰えたのか
そこにあったneo
画面の中で叫ばれる文字にそう叫び返して
角に強く頭を打った
痛みに耐えかねて飲む、のだ煩雑の夜
危険はない? いや、危険のみがある
舌の上で転がっていく彫像も絵も写真も
何一つぼやけずに
唾液に濡れて薄青く光って
砂利のなか、深い洞に眠り込む
白煙と共に砂埃が立ち
飲み込まれて行く俺たち 街
の一つの終
潮の礫 安堂 【JOINT POEMS】
【JOINT POEMS】収録作品
潮の礫 安堂
限界を迎えて崩れ落ちる
破片を拾って重ね合わせる
瓦礫から新たに生まれ変わる
垣間見える激情
見てろ、知ったような口をきくな
陽炎のように消えてしまう
許すな、落ち着く前に焚きつけろ
小さくとも灯火を絶やすな
荒波に呑み込まれて
失うのは道理か、笑わせんな
差し伸べた手、爪の垢
廃車、立ち並ぶ空き家
もう何年も整備されていない道を車で通り抜