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安堂・作品集

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安堂の詩をまとめたマガジンです
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記事一覧

裸足の夜  安堂

覚えてないけど嫌なんだろう 放課後、夜の前、赤黒い電柱 遥か遠く、釘で貫いている 靴底、布…

待ちぼうけ  安堂

火種、煙が流れて消える 街頭を吹く夜風に掻き消される 足元に羽虫の影が集まる 灰が舞う、居…

猫が鳴く夜  安堂

鳴き声と過ごす夜、声が枯れてる 目と目が合わさる、視線を揺らす 吸って吐いた煙が流れる 鉄…

煙  安堂

エロティカを含んだ煙 ゆるやかに立ち昇り煙のように広がった 口元の赤 じわりと燃える 口…

欠落  安堂

言葉はあぶく、膨れ上がる 儚く散る、すぐに消えてなくなる かすかな香り宙に漂って また新し…

Welcome  安堂

残骸のように散らばっている 建物の影に埋もれている 紐で括られた廃材も 足、へし折れた木製…

明朗狩りの視線  安堂

明朗な鳥はどこにいる 鳶色の羽をはためかせる 街を陽気に跳ねまわる 樹上のねぐらを持たない鳶 あっちこっちに跳ねまわる 静かな森には住めない鳶 まわりにまわる跳ねまわる 羽は強靭に陽を受けて 赤く強かに燃えている 目は朗らか且つ冷ややかに 我らの頭上で同じ高さで 狩りの視線で我らを覗く

点滅  安堂

電柱からぶら下がった街灯が弱々しく点滅する ふいに照らされるガードレールは光を放ち また、…

潮の礫  安堂 【JOINT POEMS】

【JOINT POEMS】収録作品 潮の礫  安堂 限界を迎えて崩れ落ちる 破片を拾って重ね合わせる …

熱中症 詩

イラストに詩を書きました ーーーーーーーーーーーーーー 向こう岸へ渡れない僕は 水平線の外…

baby doll [melancholic children]

sleep. 足元から伸びる白線を歩く 踏み外さないように慎重に進む 枯れ木のように痩せて 黙って…

flower bud[melancholic children]

死は愛せない隣人である 遠ざけることも、避けることもできず 手の届くところで佇んでいる た…