猫が鳴く夜  安堂

鳴き声と過ごす夜、声が枯れてる
目と目が合わさる、視線を揺らす
吸って吐いた煙が流れる
鉄の軋む音が耳に触る
無意識の内に灰が積もりゆく
新しい火、紙につけて散らかす

丸まった獣、足元に転がる
揺らいだ煙、街灯に溶ける
和らいだ火、指先に近づく

去るもの追わず、煙を撒く
儚く散る、時をまた無駄にする
限りがある、今日も振り出しに戻る












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