Welcome  安堂


残骸のように散らばっている
建物の影に埋もれている
紐で括られた廃材も
足、へし折れた木製の椅子も
メニューの書かれたブラックボードも
憂鬱、純粋、混じりけのない
愛の輪郭を模っている
屋根はない、太陽入り浸り
日に焼けた椅子、背後に影が伸びる
外壁の黒に重なっている
無機質に沈む、乱雑に並ぶ
幾度も過ぎた夜を待っている


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?