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本を贈る文化が芽吹いている。

――本は基本的に廃れないし、何度だって読み返せます。時間が経てば心の感度も変わってくるので、また違う味わい方ができます。価値が永遠にあるギフトなんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「本を贈る文化が芽吹いている。」というテーマで話していこうと思います。


📚後輩のここちゃんと語り合った

一昨日のことです。後輩のここちゃんと呑んできました。誰もが生きやすい平和な世界をつくることを夢見て、農業を中心に活動している大学2年生です。

キャンパスが離れているからなかなか会えていなかったんですが、ここちゃんがちょうど僕のキャンパスの方に来ていたので、久しぶりにがっつり話すことにしたんです。めちゃくちゃしゃべったなあ。4時間近くしゃべっていたけど、それでも足りないくらいでした。

やっぱり挑戦している人の話は面白いし、着眼点は鋭いし、質問の質も高い。質問される側もめちゃくちゃ考えながら答えていくので、頭の運動にもなります。

文化祭で野菜を販売していたここちゃん


今日の本筋とは離れますが、「事実→抽象→転用」ってめっちゃ大事だと思うんです。つまり、何かが起こったときに、それを普遍的な言葉や原理で抽象化して、最後に自分に落とし込む思考の流れが大事だよねってこと。僕のnoteの記事も、自分のまわりで起こった出来事を書いて、そこからどんなことがいえるのか真理を見つめたり、輪郭を捉えきれなくても仮説を立てたりする。そして、自分事にする。僕だったら、本とか創作とかそういう方面の話に落とし込むわけです。

ここちゃんの話すことはそれ自体が面白いものだったり、熱があるものだったりするので、考え甲斐のある「事実」ばかりだし、「事実→抽象→転用」を理解してくれているから、僕が「抽象」の話、あるいは「転用」した話をすると、「たしかに、私も実はこういうことがあって……」と話が続いていくんですよね。

そしてそのテーマが「挑戦」や「社会貢献」だったりするので、とっても生産性がある。僕は、大学の授業がどうとか誰と誰が付き合ったかとか誰かの陰口だったりにあまり時間を割きたくなくて、そういうものを全く否定するわけではないし、もちろん僕自身語ることはあるけれど、自ら好んでそういう話をしたいとは思わないんですよね。

僕にとって面白い話、話し甲斐のある会話とは、何かに夢中になっていること、挑戦しているさなかのエピソードが話題になっているもの。そういう意味で、ここちゃんとの会話は楽しいものでした。


📚ここちゃんから本の贈り物

そういえば、ここちゃんと出逢ったのはちょうど一年くらい前のことでした。昨日、僕はフードロスを考えるために「規格外野菜で鍋パをするイベント」に参加してきたんですが、その主催の横山廉くんから紹介されました。それからというもの、お互いがお互いのイベントに参加したり、仲良し5人組で泊りがけで一緒に過ごしたり、頻繁ではないけれど濃い時間を共有してきました。

以前から聞いてはいましたが、ここちゃんは僕のnoteの記事を毎日読んでくれているそうなんです。それだけではなくて、ここちゃんの家族はみんな僕のことを褒めてくれていて、ためになる記事は時折、家族のグループLINEに共有されるんですって。そんな大したことを書けているのかなあと不安になりますし、こっ恥ずかしいけれど、それくらい価値のある文章を綴れていると思うと、毎日コツコツと書き続けてきた甲斐があります。

僕としてはここちゃんの方が活発的だし、社会のために未来を見据えて行動している夢追い人だから、そんな後輩から尊敬されるのは畏れ多いんだけれど、良い後輩を持ったなあとにやにやしてしまいます。

さて、店員さんから「お席のお時間の方が……」と言われてさすがに解散しようとしたとき、ここちゃんが自分の鞄のなかを探りました。取り出したものは包装されているではありませんか。

ここちゃんが僕に本の贈り物をしてくれたんです。


📚本を贈る文化が芽吹いている

去年の10月、たまたまここちゃんのキャンパスの方に用事があったので、せっかくだしと思い、会いにいったことがありました。そのとき、20歳のお祝いをしていなかったなと思い、本を贈ることにしたんです。その頃から、ギフトとしての本の可能性に興味を持つようになって、本を贈る文化を育てたいと考えていたこともあり、ギフトに本を選んだんです。

とっても喜んでくれたし、贈ったのは農業の本で、その著者はここちゃんが興味を持っていた人でもあったので、プレゼントして良かったなあと思うのと同時に、やっぱりギフトとしての価値が高いことを再認識しました。

本は基本的に廃れないし、何度だって読み返せます。時間が経てば心の感度も変わってくるので、また違う味わい方ができます。価値が永遠にあるギフトなんです。しかも、お手頃価格だから、贈る方も、もらう方も、経済的にも心理的にも負担が少ないんです。

去年の10月に会ったときの写真


ギフトとしての価値を信じて、僕はこれまでに本を贈ることを繰り返してきたんですが、この前のクリスマス、パートナーからはずっと気になっていた文章のない絵本『アライバル』を贈ってもらったし、ここちゃんからはずっと読みたかった『ツバキ文具店』という手紙の物語を贈ってもらいました。

本を贈る文化が芽吹いている。

そんなことを思いました。

これからも少しずつではありますが、本を贈る文化を育てていって、本を贈り合う世界をつくっていけたらいいな。

相手のことを思いながら、本屋さんで本を選ぶ時間は楽しい者です。みなさんも是非、大切な人に本を贈ってあげてください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240123 横山黎



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