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中学時代から構想している物語がある。

――誰しも心に渇きがある。そこから逃げるのではなく、その先にあるもの追い求めることで、満たされない欲望を昇華することができる。そのときに流す涙が、渇いた心を潤してくれる。涙を流した場所が、あなたのオアシスになる。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「新作のテーマを『努力』にした理由」というテーマで話していこうと思います。

毎月最終日には、僕の過去のことをつらつらと語っています。需要とか一切無視したすっごく個人的な記事です。あらかじめご了承くださいね。


◆中学時代から構想している物語

僕にはかれこれ中学時代から構想している物語があります。

「花鳥風月」という青春ミステリーのシリーズものです。僕は人生をかけてこのシリーズを完成させるつもりです。今の段階で単行本20冊分にはなりそうなので、1年1作品のペースでつくったとしても20年かかります。

内容をざっと説明すると、花岡恋、辻小鳥、宇佐美風丸、永月公平の高校生4人の群像劇です。シリーズ全体を通して「青春は美しい」というメッセージを伝えたいのです。


名前に見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。以前公開した小説『初めましての恋』は、花岡恋と辻小鳥の中学時代のエピソードです。中学校の入学式を舞台にした初恋ミステリーですので、シリーズ全体からすれば序の口も序の口です。


僕が今せっせと書いている新作は、実は花鳥風月シリーズの第1作目『放課後のオアシス』です。中学時代から構想してきた物語を、ついに動かそうとしているのです。


◆第1作『放課後のオアシス』

『放課後のオアシス』とはどんな物語なのか、簡単に説明します。

一言でいえば、生徒会選挙の話です。実は、メインキャラクターである4人は、第1作目で生徒会に入ります。花鳥風月とは生徒会役員たちの話でもあるのです。

生徒会に入るまでを描くので、第1作目では生徒会に関する話を書きたいなと思い、生徒会の会長を決める選挙をメインの舞台に選びました。

生徒会の次期会長候補の高堂翼は、選挙を間近に控えたある日、痴漢の容疑をかけられてしまいます。高堂は自らの冤罪を晴らすために、ひょんなことから知り合った花岡恋たちに調査を依頼します。爆発事件、盗聴、脅迫文……花岡たちの周りで次から次へと不穏な出来事が起こります。これは生徒会を狙ったテロなのか⁉

こんな感じですね。


最近はかなり内容が詰まってきて、めちゃくちゃ良い感じに仕上がりそうです。11月には文学フリマがあり、そこに向けて新作を1本書かなきゃいけないんですが、それを書き終えたら『放課後のオアシス』に全振りしようと考えています。

来年春頃の文学賞に出そうかなと考えています。


さて、最後に、『放課後のオアシス』のテーマについて語らせてください。僕は、この物語を通して何を一番に伝えたいのでしょうか。


◆テーマは「涙が出るほどの努力」

実は、長いこと、このテーマがしっかり定まっていませんでした。

作品の内容的に「自分の居場所」「渇いた心」など、それっぽいことは思い付いていたんですが、しっくりくるものではありませんでした。

しかし、つい一昨日のこと、「これだ!」としっくりくるテーマが決まったのです。結論からいうと、テーマは「努力」です。


テーマを努力にしようと決めたのは、つい先日の「教育実習」の経験が影響していると思います。

実は僕は教育学部の大学生でして、9月の前半、僕は教育実習に行っていました。中学1年生の国語の授業を担当していました。そこでの経験は本当に実りのあることばかりでした。大きな成果でいうと、「涙が出るくらいに努力ができた」ことが挙げられます。


僕は才能のかけらと運の良さだけで何となく結果を出してきた人間だったので、努力した試しがありませんでした。めちゃくちゃ頑張って結果を出して嬉し泣きしたことも、めちゃくちゃ頑張って報われなくて悔し泣きしたこともなかったのです。

しかし、僕は教育実習の間、努力することができました。毎晩晩くまで授業の構想に頭を悩ませ、指導案を書き直し続け、挑戦して失敗して、すぐに反省して改善して、授業をよりよいものにしていきました。

大学の教授や、実習先の先生や、実習生がこぞって観察する一斉研究授業では、手応えのある授業を展開することができました。

その過程を振り返り、僕は実習最後の時間、号泣したのです。

詳しくは以下の記事をご覧にくださいね。


努力したことのなかった僕が初めて努力をして、結果を出して嬉し泣きをしたのです。教育実習の経験を経て、僕は努力して報われる喜びを知ったのです。

そして、自分が本当にやりたいこと、叶えたいことに対しても、ちゃんと努力をしようと考えたのです。つまり、「小説で努力して結果を出す」ということ。


文学フリマもそう。ちゃんとやるべきことをやって、やれるだけのことをやって、結果を出す。

そして、文学賞もそう。とにかく書き上げて、推敲して、時間の許す限りより良い作品に仕上げる。そして、結果を出す。

本気でそう思えたんです。


そこで僕は思いました。

今の自分が一番書くべきなのは、「努力」をテーマにした物語なのではないか


noteの記事でもそうですが、物語をつくる上で、体験に勝るものがありません。よりリアルで、情熱を感じられる文章が書けるからです。

今の僕は努力の物語を書くべき。そう思い至ったとき、『放課後のオアシス』のテーマに打って付けであることを悟りました。


元々、「オアシス=涙を流せる場所」という思想があったこともあり、「涙が出るほどの努力」と相性がいいと思ったのです。

したがって、『放課後のオアシス』のテーマは「努力」に置き換えられ、作品全体のメッセージは次のように決めました。

「誰しも心に渇きがある。そこから逃げるのではなく、その先にあるもの追い求めることで、満たされない欲望を昇華することができる。そのときに流す涙が、渇いた心を潤してくれる。涙を流した場所が、あなたのオアシスになる」

僕自身、オアシスに辿り着けるように努力していきます。
最後に涙を流せるように、物語を綴っていきます。


最後まで読んで下さりありがとうございました。

20220930 横山黎



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