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教育実習最終日、子どもたちへの最後のクイズ。

ーーこの2週間で、僕がいちばん心に残ったことはなんでしょう?


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

最近は音声配信も始めました。毎週金曜日22:00から僕のお気に入りの本を紹介するライブ「FAVORITE!!」を開催しています。興味を持たれた方は是非遊びに来てください。



今回は「教育実習最終日、子どもたちへの最後のクイズ」というテーマで話していこうと思います。



📚小学校に教育実習

僕は大学生作家として活動しているんですが、実は教育学部の学生でもありまして、つい昨日までとある小学校に教育実習に行っていたんです。

僕が配属されたのは3年3組のクラス。

どの学年がやりやすいとか、やりにくいとかはないけれど、きっと学級経営が難しそうだなと直感していました。中学年とはいえ、まだ1年生、2年生の空気感は残っているし、はしゃぎ騒ぐことが仕事みたいな年齢ですから。

そんなこんなで2週間前、教育実習が始まったんですが、始まった当初は本当にしんどかった。というのも、アクセスとコンディションが悪すぎて、初日と2日目のどちらも遅刻したんです。

詳しくは以下の記事をのぞいてみてほしいんですが、遅れがちなバスと気まぐれな台風のせいで連日遅刻する羽目になったんです。結果的に遅刻したから自分が悪いのは百も承知ですが、余裕を持って行動したにも関わらず自分の努力ではどうにもならない向かい風が吹いてきたので、「ああ、歓迎されていないんだな」と帰りたくなりました(笑)
#バスが15分遅れで到着するとは思わないじゃん



そんな向かい風のなか始まった教育実習でしたが、昨日の実習最終日、この2週間のうちに張った伏線が回収されたし、いちばんのやりがいを感じることができました。

今日はそんな話です。


📚最後のクイズ

2週目からは僕も学級経営に本格的に関わるようになってきて、つまり朝の会や帰りの会を担当するようになってきたんです。

健康観察(点呼して「はい元気です!」のやつ)したり、先生の言葉を話したり。

あるとき、3組の担任の先生かつ僕の指導教員の先生から、「先生の言葉のとき、もっと横山先生の好きなこと話していいですよ」とアドバイスをもらいました。

僕はビブリオバトルをやってきたし、1時間のトークライブをしたこともあるから、自分のことをしゃべろうと思えばいくらでもしゃべれる気がするんですが、3年生相手にそれは違う。

子どもたちの能動性を引き出すことに興味があるから、先生の言葉でも可能ならそれを追求してみたい。そう思い、僕にまつわるクイズを出すことにしました。

身長、体重、出身、好きなアニメ......。

好きなアニメの正解を『推しの子』と『名探偵コナン』にしたから、それらのキャラクターの絵をみんな描いて見せてきてくれました。僕のクイズが結果的に子どもたちの能動的な姿勢をつくったのです。


1日3問ずつ出していたんですが、最終日の朝、「最後だから多く出してよ」という声が上がりました。その声を拾い、4問出したんですが、それでも惜しんでいる様子。「あと1問!」と叫ぶ子どもが少なくなかったんです。

時間も時間だったので、帰りの会で最後の1問をやる約束を交わして、その場を落ち着かせました。

そんなことを言ったはいいものの、そのときに僕のなかでクイズができていたわけじゃなくて、なんなら帰りの会までその存在を忘れていて、帰りの会が始まる前にある子に言われて思い出したくらいです。

さて、どうしたものか。

結局良いアイデアが生まれず、帰りの会の先生の言葉を迎えてしまった。僕は隠すこともなく「最後のクイズどうしようかなぁ」と悩んでいたんですが、そのときある子からステキな提案がされました。

「先生が、いちばん心に残ったことはどう?」

それを言われた瞬間、僕の頭の中で、話の流れが全部見えました。これしかないと思い、すぐに「いいねー!」と案をもらい、最後のクイズが始まったんです。


「この2週間で、僕がいちばん心に残ったことはなんでしょう?」


📚かっこいい3組でいてね

最後のクイズを問いかけると、みんなは今まで以上に手をあげました。僕はその全員の答えを聴いていきます。

休み時間に鬼ごっこをしたこと!

一緒に給食を食べたこと!

国語の授業をしたこと!

今この瞬間!

手が上がらなくなって、僕はゆっくりと正解発表をしました。


「今みんなにたくさん答えてもらったけど、このクイズの正解は、その全部です」


その流れで、僕は2週間を振り返りました。

みんなと過ごすなかでなかなか席に座らなかったり、いつまでもはしゃぎ回ってしまったり、ちょっと僕が苛立つこともあったけれど、それでもみんな優しく話しかけてくれたし、仲良く遊んでくれた。みんなが支えてくれたから2週間頑張ることができたと、飾らない言葉の花を贈りました。

ひとりひとりの顔を見ながら、言葉を紡いでいくとやっぱり込み上げるものがあって、胸が熱くなりました。

すみっこの席の、僕にとてもなついてくれていた気の強い女の子が静かに泣いていたり、帰りの会が終わって改めて手紙をくれる子もいたり。

やっぱり、最後に畳み掛ける子どもたちとの瞬間が、教育実習生の、もっといえば教師のやるがいなんじゃないかなって改めて思いました。

みんなが帰って空っぽになった教室でひとり、僕は黒板の前に立ちました。3組へのメッセージを、黒板に綴るためです。

担当した国語の授業の題材「山小屋で三日間すごすなら」にひっかけつつ、コナンの絵を描きつつ、指導の度に口にしていた「かっこいい3組でいてね」をメッセージにしました。


3年3組のみんなへ
2週間という短い時間だったけれど、
とても楽しかったし、とても幸せでした。
もう一度、○○小学校で2週間すごすなら...
もう一度、3年3組がいいな。
きっとまたすぐに会えます。
元気なすがたを見せてね。
かっこよく、がんばれ。
横山黎

いくつもの伏線回収があったし、いくつもの学びと気づきがあった教育実習でした。やっぱり子どもたちの姿には元気をもらえるし、能動性が発揮される瞬間はとても眩しい。そんなことを思った2週間でした。最後まで読んでくださりありがとうございました。

20230916 横山黎


※ちなみに去年の教育実習のレポート↓↓↓





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