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教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第19章 沖縄県dの政治(上)②
2.県政の始まりのつまづき
【解説】
新県庁での行政が始まった際の混乱を記しているが、「2」だけではあまりにも面白くないので、切れ目を変えて、「3」の冒頭の部分を後ろにつけた。
頑固党の連中なのか、恥も外聞もなくいやらしい抵抗をする姿は、改革を拒む保守派の中には必ず幾許かはみられるものだが、琉球王国で農民たちから収奪しまくっていた連中が、現状維持を画策するとは、全く許し難い話ではないか。
明
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第19章 沖縄県の政治(上)①
1.沖縄県政の始まり【解説】
この箇所を読んでいると、仲原は、琉球処分から沖縄戦の前までの60年間の進歩を強調しながら、なぜか、戦後の話を混ぜ込んでしまっている。確かに、こういう箇所が散見されることが、この副読本の継続を止める口実になったのかも知れない。非常に残念なことだ。
しかし仲原は、手放しで沖縄県政の進歩を喜んでいるわけではなく、この箇所の末で、問題点が多々あったことを示唆している。仲原
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第18章 廃藩置県(下)⑤
5.明治維新と沖縄の廃藩置県【解説】
沖縄の歴史を語る時に、事実を無視して日本が悪い、アメリカが悪いという傾向があるのは周知の事実だが、それはどこからくるのだろう。もちろん、被害者史観を叫べば金が転がり込むということが大きいのだろうが、無知からくる事実や時代背景を無視した感情論もある。仲原は、その無知の部分を歴史教育を通じて、何とか是正しようとしていたのだと思う。教職員組合はそれが気に入らないか
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第18章 廃藩置県(下)④
4.尚泰と上層部への厚遇【解説】
既存の歴史本は、琉球の人々の嘆願は聞き入れられず、泣く泣く尚泰は東京へ去ったかのような記述で構成され、いかにも日本政府が強引に処分を行なったかというような印象を与えようと必死だ。しかし、尚泰自身は、事態を把握しており、上京やむなしと決意していたにもかかわらず、既得権益にしがみつく見にくい支配階層が、尚泰の上京を阻止せんと、愚かな嘆願を繰り返していたのだ。しかもそ
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第18章 廃藩置県(下)③
3.沖縄県誕生【解説】
今まで、何冊も高校の日本史教科書、中学の歴史教科書などで、琉球処分の箇所を読んできたが、判で押したように、これは沖縄の人々の想いと裏腹に、日本政府が「処分」を断行したというニュアンスで書かれている。片腹痛い話だ。沖縄の人々は、この日を待っていたのだ。首里城が管理不行き届きで炎上して、俄かに県民は首里城は心の拠り所だというようなことを言い出している。確かに、それは沖縄の象徴
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第18章 廃藩置県(下)②
2.改革を願う人々【解説】
原文は「人民のうごき」とあるが、「人民」という言葉はいかにもカビ臭い。勿論、peopleの意味で仲原は用いているのだが、「人々」でいいだろう。宮古島の直訴事件は『宮古史伝』に掲載されている話で、一般に語られる左翼の沖縄史には登場しない物語だ。守旧派の如何に醜いことか。こう言った事実を隠して、美化し粉飾した偽史を語るのは、お隣の国だけにしてもらいたいものだ。黄文雄氏が、
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第18章 廃藩置県(下)①
1.支配階層の抵抗
【解説】
言い訳をすると、多忙になったということもあるのだが、入力に使用していたMACが古すぎてOSのバージョンアップができなくなり、画像のチェックができなくなってしまったことで、編集がしにくくなったということが、長らくこのプロジェクトを進められなかった最大の理由だった。種本があるのだから。本当はとっくに脱稿していなければならなかったのだが、拙速はダメだ。仕事の合間を見て、コ
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第17章 廃藩置県(上)⑤
4.政府の改革命令【解説】
長らく離れていたので、この項を飛ばしていた。どうも話が続かないと思っていた読者もいたことだろう。筆者自身は通してよんでいるので、気が付かなかった。失礼。
相変わらず、因循姑息の連中の所業が淡々と描かれている。教科書や歴史漫画などでも見たことがあるが、この頑固党を筆頭とする連中を愛国者と美化して描くことが多い。とんでもない話だ。私利私欲のために、沖縄の人々を搾取するシ
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第17章 廃藩置県(上)④
4.廃藩置県へのうごき【解説】
多忙の言い訳はやめよう。フォーマットを確認するのも億劫で、手がつかなかったということもある。
ただ、休んでいる間に、登録をしてくれた読者もいらっしゃったので、久しぶりに手を付けた次第。
さて、沖縄の廃藩置県とは、琉球処分ということで、政府が強権を発動したということだけが教科書ではクローズアップされているが、琉球政府側の頑迷さや姑息さについては何の指摘もない。ま
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第17章 廃藩置県(上)③
3.台湾出兵【解説】
なかなか先に進めない。多忙を極めていたのは前回書いたが、この火曜まで、部活の引率で土日がつぶれ、18日間休みがなかった。ようやく先週末一息ついたのだが、別の原稿依頼に対応していたり、子供を久しぶりに遊びにつれて行ったりして、こちらにまで手が回らず、今日になってやっと重い腰を上げたという感じだ。
ただ、投げ出したわけではない。こういうものは勢いが必要なのだ。
このプロジェ
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第17章 廃藩置県(上)②
2.琉球藩設置【解説】
4月から勤務先が変わり、多忙を極めていて先に進めなかった。GWでようやく一息つくという状態で、今後もインターバルがあいてしまいそうだが、コツコツ最後まで仕上げていきたいと思う。
内容に特に問題はない。琉球藩設置の前後に派遣された使節を、明治新政府は大いに啓蒙しようとしたが、琉球側は全くそれを見ても動こうとはしなかった。風雲は既に急を告げていたのだが、危機感はまったくなか
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第17章 廃藩置県(上)①
1.明治維新に対する琉球政府の対応【解説】
明治維新、廃藩置県、琉球処分という一連の流れは、日本の侵略だというような愚かなことばが歴史の本では垣間見える。当時の沖縄の日清両国への両属状態は国際法上の地位を不安定にし、また欧米に付け入るスキを与えただろう。清国の影響が強いことは事実であったが、帰化人の子孫が上層階級を占めて人々を奴隷のように支配して、それを明治の世の中になっても続けることがどういう
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第16章 王国末の社会と政治④
4.農民から収奪していた王国末期の政治
【解説】
王国時代を美化して決して語られない、無能な王府の様子が、わかりやすい実例とともに示されている。これで一揆が起こらなかったのが不思議なくらいだ。琉球政府が何をしたのか、何をしなかったのか。この単純な問いに、専門家は真剣に答えるべきだろう。仮にそれが、日本政府による近代的支配によって180度転換され、農民や下層市民に大いなる希望を与えたという証拠にな
教室から消えた沖縄の歴史・仲原善忠原著『琉球の歴史』(上・下)を読む~第16章 王国末の社会と政治③
3.王朝末期の財政【解説】
文の繰り返しを解消して読みやすいように整理し、文章末の借金の件は、仲原が米価を提示しているので、今日の価格で換算し、読者がわかりやすいようにしておいた。
最期の幕末、日本の各藩も財政難は同じだった。各藩は商人からの借金で首が回らなくなり、「財政再建団体」のように、財政を地元の大商人に司らせ、その「指導」で質素倹約に勤めていた大名もいたほどだ。しかし、琉球との違いは、