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産科医療の持続と産科医療者のWell-being向上の両立をめざす会社、(株)POTEを創業します!

こんにちは!POTE代表の葛西杏奈です。
2022年7月5日に株式会社POTEをスタートしました!
株式会社POTEは、「医療者自身のWell-beingが確保された上で、日本のすばらしい産科医療が持続すること」をビジョンに掲げ、創業します。

「産婦人科は妊娠出産のときにしか行かないところ」とちょっと遠い世界に感じるかもしれません。
しかしながら、医療職以外の方にも医療の現場にある課題を知ってもらい、ともに医療者が働きやすい環境を整えていくためのムーブメントを作っていくことができたら、医療業界の働き方をもっともっと変えていけると信じています。

そんな未来を願い、POTE noteでは、
産科医療を支える専門職のひとつである”助産師”職について記事を更新していく予定です🌱

  • 助産師とは?

  • 助産師が働く環境は?

  • どんな課題があるの?

  • 助産師職がもつ魅力や世の中に届けられる価値とは? など

ぜひ更新を楽しみにお待ちいただけたらうれしいです♪
次回以降は助産師さんが書いてくれる予定ですが、その前に少しだけ今のきもちを書き記しておこうと思います!

株式会社POTEとは

社名の由来

赤ちゃんの”ぽてぽて(ふっくらとした)”した様子から、POTEと名付けました。その他、俗語で「ぽて=妊娠」という意味、フランス語では「仲間」という意味もあります。
助産師にとってよい環境をつくることが、ひいては安心して出産できる未来につながっていくようにと想いを込めました。

社名を決めるにあたっては、POTEチームの助産師メンバーにもたくさんの候補を出していただきました。みんなで最終決定できたことは、わたしにとって創業最初の嬉しい出来事となりました♪


なぜ産科なのか

大学のアルバイト時代を含めて5年、社会保険労務士として専門性を磨いてきました。その後、労務相談や労務トラブルの背景には何があるのか、社労士事務所の中では見えにくい企業のリアル(現場で起こっていること)を見たいと転職したのが産婦人科でした。

社労士のわたしが、”産科”の勤務環境改善に取り組む理由|葛西杏奈| 出産を支えるすべての方にHAPPYを🌞|note

ここで人事として勤務したことをきっかけに、
産科を支える医療者一人ひとりのとてつもない努力と想い、その一方で産科全体が抱える周産期医療全体の課題の両方を知りました。


周産期医療の課題

「近くで出産できる病院がない」
実は、そんな地域が日本各地で少しずつ増えています。
年々出生数は減っているのに?と違和感を感じた方もいらっしゃるかもしれません。
産科では不妊治療技術の進歩や出産年齢の上昇を背景としたハイリスクのお産が増加しており、医療者一人当たりの負担は増加しています。

私自身、産科の人事として医療者のケアを担当する中で、人が足りないことで長時間労働を加速させ、忙しさからくる現場の余裕のなさが人間関係の悪化につながる、これらがまた人手不足を強める大きな要因になり、ますます医療自体がたちゆかなくなってしまう。その様子を自分自身の目でみてきました。
これは、医療者の使命感や善意を頼りにし医療者の心身の健康は無視して医療を成り立たせようとするこれまでの歪んだ状況を放置した結果ともいえます。
一方で、働く環境が悪化する中でも、日本の産科医療は世界トップレベルを守ってきました。

これから妊娠・出産を望む1人の女性として、今の日本の素晴らしい産科医療が持続してほしいと願うと同時に、近くで産科医療者を見て感じて想いを聴かせてもらってきたからこそ、やはり医療者自身を蔑ろにした産科の持続ではいけないと強く感じ、現在に至ります。
まずは、今、必死に産科をつないでくれている産科医・助産師の働く環境を救いたいと考えます。


助産師への想い

なぜわたしがこの事業を絶対にやり遂げたいか。
それは助産師さんひとりひとりの魅力に惹かれ、彼女たちの力が最大限に引き出されたその先の未来に心からワクワクするからです。

助産師はほんとにすごいんです。
常にママと赤ちゃんのことを1番に考え、エネルギッシュで、行動力があって、想いを言葉にして伝える力ももっている。

医療機関内においては、お産の前後を通してずっとそばで妊産婦さんに寄り添い、ママと赤ちゃんに変化がないかキャッチアップし、妊産婦さんの小さな不安にも対応してくれる。
一方、地域の助産院では、妊産婦さんとその家族に対してじっくり向き合い、妊婦さんが持っている「産む力」と赤ちゃんの「生まれる力」を引き出せるようにと出産をサポートしてくれる。パパや子供たちを含めた家族全員で参加されていた妊婦検診に同席させていただいたことがありますが、ママだけでなく家族全員で出産までの過程を共有し、楽しみ、ともに出産を心待ちにできる環境は、出産後の家族生活にもポジティブな効果を与えてくれるのではと感動したことを覚えています。
その他お産以外にも助産師の活躍の幅は多岐にわたり、性教育や産後ケアなど、それぞれの助産師が強みを発揮しながら活動しています。

年々出生数は減少していますが、この先もお産がなくなることは絶対にありません。もっと言えば、どんなに技術が進化したとしてもお産がロボットに置き換わることも考えにくいと思います。だからこそ、産科医療者が心身ともに健康に働き続けられる環境を整え、安心してスキルアップできる環境が大切だと考えています。

今後の事業

教育・評価ツールの開発

助産師になる道に一旦うまく乗れてしまえさえすれば、助産院開業や起業、一般企業への転職など、助産師さんは本当にたくさんの可能性を持っています。しかし、学生から社会人になる最初の最初の段階でこぼれ落ちてしまう新人さんも少なくありません。
そんな”新人”助産師さんが職場に慣れ、さらに技術面や先輩との関わり方で心細い最初の時期をサポートできるようなツールを現在開発中です。
新人のサポートになるものである一方で、多忙の中で新人を指導・フォローしている先輩指導者さんの助けにもなるものをめざしています。

また、開発には時間がかかるので、その間をつなぐ場として助産師限定コミュニティをオープンします!
医療業界という命と向き合う特殊性のある環境で、日々業務の忙しさを乗り越えてくれている助産師にとって、”怒られたり否定されることのない”居心地のよいコミュニティとして育てていけたらと願っています。


人事労務サポート

上記事業と”両輪”で進めていきたいのが、「人」に関するサポート(社労士事業)です。私自身の専門性を活かせる分野でもあり、かつ、労働集約型の医療業界において「人」の課題を感じていない施設はないでしょう。

また、最も大きなテーマの一つとして医師の働き方改革が挙げられます。
これまでは医師がやるべきことと考えられていた業務でも、もしかしたら助産師や他の職種に業務をシフト・シェアしていくことができるかもしれません。そのようなときに労働法を踏まえた上での仕組みづくりや労務整備、職種を超えた業務改善コンサルティングという観点でバックアップをしてまいります。

サービス内容 - 社会保険労務士事務所 みっけ (office-mikke.com)


事業のその先に見ている未来

株式会社POTEとしては、まずは「助産師」に関する課題解決から取り組みます。しかし、私たちは助産師の課題が解決されたその先で貢献できることもたくさんあると各ステークホルダーへのヒアリングから感じています。

助産師が辞めずに働き続けることができ、その環境をベースに助産師力向上ができたら

妊産婦さんへの効果
助産師の力が世間に認知・浸透し、その力を求めている女性たちにリーチしていくことができれば、出産や育児に対する不安やネガティブイメージを減らすことができるかもしれないと考えています。ママたちが頼れる場所・存在として知っていただく効果は大きいのではないでしょうか。
例えば、近年産後のメンタルヘルスが社会課題になっていますが、赤ちゃんを幸せにするためにはママの不安を取り除き、ママが幸せになるサポートが重要です。出産後、家庭に戻ったママたちが育児をスムーズにしていくためには、小さいけれど日々たくさん起こる不安に対して「大丈夫だよ」を積み重ねてあげることが非常に重要とのこと。
助産師ひとりひとりがレベルアップすることで、
・助産師の対応の幅が広がる=ママの不安に対応できる幅も広がる
・より安心・安全に産前産後を過ごせる
・出産体験への満足度アップ
といったポジティブな効果が期待できると考えています。

病院・産科医への効果
助産師のレベルアップは病院施設やチームで医療を進める産科医にとっても大きな効果をもたらします。

病院においては
・出産および入院期間中のスタッフのケアに対して満足感が増すので、自然と病院に対する評価・満足度もアップします
・第2子以降のリピーターとなってくれたり、口コミ効果による集患力アップも期待できるでしょう

さらに産科医の観点では
お産の前後をとおしてママと赤ちゃんに寄り添うのが助産師で、何か異常が現れたときに診察・処置をするのが医師だとすると、
助産師が患者さんの異常の有無や変化を適切なタイミングで、かつ、より精度高く見極めることができるようになれば、医師が対応する回数や当直中に起こされる回数を減らすことができるかもしれません。
医師の負担軽減につながるということは、ひいては患者さんに提供する医療の質や安全を保つことにもつながります。

自治体への効果
「地域で唯一の分娩取扱施設が”分娩休止”」というニュースを目にすることも多くなってきたと感じます。
該当の自治体HPからは、これまで様々な検討会を重ねているものの分娩継続を守ることや妊産婦へのケアを充実させることの難しさ、そして産科医療者の働く環境が妊産婦への影響としてダイレクトにつながっていることが読み取れます。
また、産科医をはじめとした産科医療従事者の人手不足が深刻な中で、「助産師の確保」について言及されている検討会報告書も少なくありません。

出生率が低い、あるいは、分娩取扱施設の減少や廃止が予定されている自治体のみなさま、ぜひ”助産師の育成”という点でともにできることを考えさせていただけたらうれしいです。育成には時間がかかるかもしれませんが、”今”産科の現場を支えている医療者が育ち、健康で長く働き続けられる環境を作ることは「安心して出産できる」地域(街)という未来につながっていくと私は信じています。


縮小していく産科の、さらに母数が少ない助産師にフォーカスをしていく会社ではありますが、その先に解決できる課題はたくさん待っており、かつ、それらの課題解決は社会的意義も大きいと感じています。


最後まで読んでくださった方へ

最後までお付き合いくださりありがとうございました!産科の課題や助産師の魅力が少しでも届いていたらうれしいです。

最後になりますが、
ともに事業を前に進めてくださる方を募集させてください!!少しでも気になる部分があった方、社会課題に関心のある方、どんな理由でもうれしいです。ぜひご連絡いただけますと幸いです♪

助産師さんへ

・オンラインコミュニティへの参加
勤務先以外の”Third space”としてご活用いただけるコミュニティです。
「ちょっと疲れたな」「もっと○○を勉強したいけど、勤務中は忙しくて中々聞くことができない」「嬉しいことがあった!だれかに共有したい」
そのときの気分で話せるようなテーマ別のお部屋を用意してお待ちしております♪


・ツール開発チームへの参加
助産師同士で「こんなものがあったらいいな」を具体化したり、フィードバックを伝えてくれるチームです。
これまでの臨床経験や後輩指導の経験が活きるプロジェクトです♪


看護部長さん・師長さん(管理職)へ

開発中のツールについてご意見を聞かせてください!
現場で使われるサービスに近づけていきたく、長年の助産師経験と病棟マネジメントのご経験からフィードバックををいただきたいです。
また、管理職の方が抱えるお悩み(労務管理や人材育成など)を相談したい場合にもお気軽にご連絡ください。


病院経営者・院長先生へ

産科業界の先行事例を一緒につくっていきませんか?


開発中のツールについて、検証しともに育ててくださる病院を募集
しております。
また、「働き方改革を進めなければいけないとわかっているけどやり方がわからない」「職員の採用や退職率の高さに悩んでいる」など
どんなお悩みでもかまいません。ぜひ1度お話できたらうれしいです!


その他(未来の仲間になってくださる方へ)

様々な課題が絡み合った労働環境の中で現在も必死に産科をつないでくれている産科医療者を一緒に支えていくパートナーになってくれませんか?
立場や企業を超えて一緒にできることがあるのではと期待しています♪

  • 興味をもってくださった個人のみなさま(これまでの経験職種は問いません!)

  • 産科医療について課題意識をお持ちの自治体関係者さま

  • 育児支援・赤ちゃん用品の企業さま

  • 産科向けサービスを展開されている企業さま(電子カルテ・医療機器メーカーなど)

  • 人材紹介企業さま

お問い合わせ先

メール:info@pote.tech
instagram ID:pote.inc 
twitter : pote_medical

ありがとうございました!


読んでいただいてありがとうございました🙏 よかったらフォローをお願いします🤗 いただいたサポートは、産科・助産師のために活用させていただきます♪