ぽんかん(仮)

物書き。オムニバス短編ファンタジー小説「ナナシノ魔物退治屋」、毎週ショートショートno…

ぽんかん(仮)

物書き。オムニバス短編ファンタジー小説「ナナシノ魔物退治屋」、毎週ショートショートnoteへの参加など。 誤字脱字衍字の報告助かります、いつもありがとう。※フォロバは気まぐれ

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    魔力を持つ人間と持たない人間が争い、魔物が闊歩する世界で生きる元騎士の青年・ノアと、彼を気に入った盗賊の青年・ラスターが結成した「魔物退治屋」に関わる人々の日常を描いた短編オムニバスです。

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記事一覧

企画参加やめます

 ネットの悪質なニュース記事はわざとタイトルの言葉を少なくし、そして大げさな言葉を使う。  読者に誤解を生じさせ、クリックしてもらうためだ。  例えば「人気音楽グ…

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本日更新お休みします。久々にダッシュボードを見たのですが、以前書いた映画の感想がビュー数爆発していてびっくりしています。検索エンジン経由でしょうか?

https://note.com/ponkotsu_3kan/n/n98e14dec6623

【超短編小説】わたしを止めて

 紫陽花を手折った。家に飾ろうと思ったのだ。すると近所のおばさんが怖い顔をしてやってきて、私のことを怒鳴りつけた。  紫陽花は私の家の庭にあって、それは敷地の外…

暑い!!! 本日更新お休みします!! 耐えきれなくて服にシュッとする冷感スプレー買ったんですけど、むせ返るようなメントールの匂いに「これは大丈夫なのか」と思いました。大丈夫なのか?

【短編小説】別離の砂が散る

 こちらの後日譚です  壁一面に描かれた魔法陣は、魔術の発動を阻害させる類のもの。ソリトスの牢獄の面会室はこうなっているらしい。それも合理的だ。この世界にいる人…

本日更新お休みします! 最近暑いですね。皆様もお体ご自愛ください。
拙作ナナシノ魔物退治屋に登場する冬の精霊くんの落書きを置いておきます

【ショートショート】職人気質【粒状の総料理長】

   職人気質  仕上げに粒状の総料理長――ハーブを細かくしたものに塩を混ぜた調味料――をパラパラ。ちょっと振りかけるだけで思った以上に味が決まる。 「どんな料…

【ショートショート】百倍の友情【友情の総重量】

   百倍の友情  友情を量れる機械を買った。これに手を乗せるだけで友情の総重量が分かるらしい。  試しに自分の手を乗せると、ぴぴっと音を立てて30と数字が出て…

「100ポイントを使い切りたい!」

 ……みたいな記事が案外存在していて驚き半分、納得半分。  noteが春先に抽選で配布したnoteポイントの寿命は2024/5/31のため、この記事が公開されている頃にはもう私…

【超短編小説】歌姫

   歌姫  雨を聴く。かれこれしばらく音楽を聴いていない。大学の頃に初めてVOCALOIDを購入して、素人なりに頑張って作った曲は最初の頃は鳴かず飛ばずであった。しか…

少し早いですが、本日更新お休みします。シロクマ文芸部は明日にでも……。
企画参加を毎週続けていますが、そろそろ不定期にしようかな〜とも考えてます。決まり次第お知らせしますのでよろしくお願いします(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)

【短編小説】斬釘截鉄 #5

 重い瞼を開ける。  身体のパーツが全て間違ってくっついているのではと思ってしまうくらいに、動くのが億劫だった。周りが騒がしい。遠くで何かが、違う。近い。近くで…

【ショートショート】諦めたしるし【三日坊主のクレーター】

   諦めたしるし 「民家の庭に月のようなクレーターがあるらしい」という噂に研究者たちが駆け付けた。眉唾だと文句を言っていた者も、実物を見ておとなしくなる。そこ…

【短編小説】斬釘截鉄 #4

 そういうものだろうなと思っていた。もう材料は十分に揃っていた。何も驚くようなことはなく、何も恐れるものはなかった。  海辺の何の変哲もない倉庫には認識阻害の魔…

【ショートショート】剥がし風【てるてる坊主のラブレター】

   剥がし風  北風郵便が手紙を運んで来た。 「またラブレターだわ」  困った様子の太陽に、北風はどうしたものかと話を聞いた。この時期になると地上のてるてる坊主…

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【短編小説】斬釘截鉄 #3

 指でカウンターテーブルを叩く。髑髏の円舞でコバルトは文字通り頭を抱えていた。失踪事件の被害者となった情報屋たちを探しているのだが、何かの間違いではと言いたくな…

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企画参加やめます

企画参加やめます

 ネットの悪質なニュース記事はわざとタイトルの言葉を少なくし、そして大げさな言葉を使う。
 読者に誤解を生じさせ、クリックしてもらうためだ。
 例えば「人気音楽グループ、大喧嘩」とか書いてあって、なんだなんだ? と思ったら人気音楽グループのメンバーの一人が番組内で司会の芸人とちょっとした言い争いをして、番組を盛り上げた……とかいうそんな感じのことである。

 つまりこの記事もそういう類で、ちょいと

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本日更新お休みします。久々にダッシュボードを見たのですが、以前書いた映画の感想がビュー数爆発していてびっくりしています。検索エンジン経由でしょうか?

https://note.com/ponkotsu_3kan/n/n98e14dec6623

【超短編小説】わたしを止めて

【超短編小説】わたしを止めて

 紫陽花を手折った。家に飾ろうと思ったのだ。すると近所のおばさんが怖い顔をしてやってきて、私のことを怒鳴りつけた。
 紫陽花は私の家の庭にあって、それは敷地の外からもよく見える場所にあった。「今年も紫陽花がきれいに咲きました」という挨拶はこの時期の母にとっての定例の挨拶でもある。私はそのうちの一輪を飾ろうと手折っただけだ。怒鳴られる言われはないわけだ。
 しかし当時の私はまだか弱い子供で、いきなり

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暑い!!! 本日更新お休みします!! 耐えきれなくて服にシュッとする冷感スプレー買ったんですけど、むせ返るようなメントールの匂いに「これは大丈夫なのか」と思いました。大丈夫なのか?

【短編小説】別離の砂が散る

【短編小説】別離の砂が散る

 こちらの後日譚です

 壁一面に描かれた魔法陣は、魔術の発動を阻害させる類のもの。ソリトスの牢獄の面会室はこうなっているらしい。それも合理的だ。この世界にいる人間の大半が魔術師ならば、脱獄につながるような魔術をおいそれと使わせるわけがない。
「何しに来た?」
 こちらを睨むシラヌイを見て、アカツキは小さく息を吸った。
 看守が静かに砂時計をひっくり返すのが見えた。

 鉄格子の合間には上等な障壁

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本日更新お休みします! 最近暑いですね。皆様もお体ご自愛ください。
拙作ナナシノ魔物退治屋に登場する冬の精霊くんの落書きを置いておきます

【ショートショート】職人気質【粒状の総料理長】

【ショートショート】職人気質【粒状の総料理長】

   職人気質

 仕上げに粒状の総料理長――ハーブを細かくしたものに塩を混ぜた調味料――をパラパラ。ちょっと振りかけるだけで思った以上に味が決まる。
「どんな料理下手もこれで安心!」
 そんなフレーズも手伝ってバカ売れ。良子も購入を決めた。早速自分の料理にパラパラ。初めて作ったシチューを彼氏に食べてもらうつもりである。
 しかし。
「こんなの人に出せるか!」
 粒状の総料理長は塩とハーブのみでで

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【ショートショート】百倍の友情【友情の総重量】

【ショートショート】百倍の友情【友情の総重量】

   百倍の友情

 友情を量れる機械を買った。これに手を乗せるだけで友情の総重量が分かるらしい。
 試しに自分の手を乗せると、ぴぴっと音を立てて30と数字が出てくる。陰キャな自分には友達がほとんどいないのでおそらく軽い方だろう。
 その話を友達の多い友人にすると、彼はゲラゲラ笑った。
「見てな」
 機械はぴぴっと音を立てて、3000の数字を出した。な? と自慢げな顔をする彼に、俺は心の底から感心

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「100ポイントを使い切りたい!」

「100ポイントを使い切りたい!」

 ……みたいな記事が案外存在していて驚き半分、納得半分。
 noteが春先に抽選で配布したnoteポイントの寿命は2024/5/31のため、この記事が公開されている頃にはもう私はこの世にいないでしょう……。

 それでもやっぱり100円。まぁいいかでドブに捨てるのも忍びなく、無理矢理何か買う形になった方も少なくはないのではと思います。
 私はめっちゃいい記事二本購入したよ!!
 羨ましいだろ!!!

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【超短編小説】歌姫

【超短編小説】歌姫

   歌姫

 雨を聴く。かれこれしばらく音楽を聴いていない。大学の頃に初めてVOCALOIDを購入して、素人なりに頑張って作った曲は最初の頃は鳴かず飛ばずであった。しかしインターネットというものはいつだって気まぐれなのだ。インフルエンサーの「お気に入りの曲」として紹介されたそれは、瞬く間に数十万再生に届いた。
 同時にコメントもにぎわう。抽象的な言葉の羅列は俗に言う考察勢の心をくすぐったようだ。

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少し早いですが、本日更新お休みします。シロクマ文芸部は明日にでも……。
企画参加を毎週続けていますが、そろそろ不定期にしようかな〜とも考えてます。決まり次第お知らせしますのでよろしくお願いします(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)

【短編小説】斬釘截鉄 #5

【短編小説】斬釘截鉄 #5

 重い瞼を開ける。
 身体のパーツが全て間違ってくっついているのではと思ってしまうくらいに、動くのが億劫だった。周りが騒がしい。遠くで何かが、違う。近い。近くで誰かが自分の名前を呼んでいる? 誰が?
「ノア!」
 切羽詰まったラスターの声は、意識を覚醒させるに十分だった。
 辺りを見回す。見知らぬ倉庫の中だ。ギルドの人々や地区の情報屋たちがせわしなく動いている。頭をつついているのはネロだろう。怪物

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【ショートショート】諦めたしるし【三日坊主のクレーター】

【ショートショート】諦めたしるし【三日坊主のクレーター】

   諦めたしるし

「民家の庭に月のようなクレーターがあるらしい」という噂に研究者たちが駆け付けた。眉唾だと文句を言っていた者も、実物を見ておとなしくなる。そこには確かに見事なクレーターがあった。
「これはすごい」
「紀元前の小惑星衝突により作られたものか」
「いや、分からんぞ」
 口々に好き勝手言う研究者たちに、家主がぬっと顔を出した。
「ご主人、すみませんがこのクレーターはいつから?」
 研

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【短編小説】斬釘截鉄 #4

【短編小説】斬釘截鉄 #4

 そういうものだろうなと思っていた。もう材料は十分に揃っていた。何も驚くようなことはなく、何も恐れるものはなかった。
 海辺の何の変哲もない倉庫には認識阻害の魔術が複雑に展開されていた。どんなに優れた魔術師でもこれを看破するのには難儀するはずだ。アカツキが納得している先で、シラヌイはそこの扉を開けた。
 小さな窓から僅かに日の光が注がれている。ただの倉庫だ。
 問題は、そこに人間が眠っているという

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【ショートショート】剥がし風【てるてる坊主のラブレター】

【ショートショート】剥がし風【てるてる坊主のラブレター】

   剥がし風

 北風郵便が手紙を運んで来た。
「またラブレターだわ」
 困った様子の太陽に、北風はどうしたものかと話を聞いた。この時期になると地上のてるてる坊主たちが太陽に恋文をしたためるという。確かに地上は長い雨。太陽が恋しくなるのも必然か。「少し顔を出せばいいじゃないか」
 北風は気楽に言うが、太陽は暗い顔。
「だって、少しだけ顔を出しても、もっともっとって言って聞かないんです。なんだか怖

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【短編小説】斬釘截鉄 #3

【短編小説】斬釘截鉄 #3

 指でカウンターテーブルを叩く。髑髏の円舞でコバルトは文字通り頭を抱えていた。失踪事件の被害者となった情報屋たちを探しているのだが、何かの間違いではと言いたくなるレベルで手がかりがでてこない。まるで本当に消えてしまったかのように。情報屋だけなら地区の抗争に巻き込まれたという言い訳が立つが、商業都市アルシュの魔術師やギルドの傭兵に関してはそれもあり得ない。全員「次の依頼に向けて、英気を養っていた」と

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