ぽんかん(仮)

物書き。オムニバス短編ファンタジー小説「ナナシノ魔物退治屋」を基本毎週金曜日に更新して…

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物書き。オムニバス短編ファンタジー小説「ナナシノ魔物退治屋」を基本毎週金曜日に更新しています。 誤字脱字衍字の報告助かります、いつもありがとう。※フォロバは気まぐれ

マガジン

  • 創作短編集

    私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。

  • ナナシノ魔物退治屋

    魔力を持つ人間と持たない人間が争い、魔物が闊歩する世界で生きる元騎士の青年・ノアと、彼を気に入った盗賊の青年・ラスターが結成した「魔物退治屋」に関わる人々の日常を描いた短編オムニバスです。

  • 雑記

    エッセイ等、小説ではない文章はこちらにまとめてあります。

  • シロクマ文芸部

    シロクマ文芸部参加作品です

  • ショートショート

    ぽんかんが制作したショートショートまとめです。

最近の記事

【おしらせ】今月いっぱいナナシノの更新をお休みします。ストック書き溜めたり構想練ったりグッズ作ったりします。10月からの動きはまた後ほどお知らせします。

    • 【ナナシノメモ】最新話で出てきた新キャラ「シエナ」ですが、実は過去にちらっと登場しています。気付いた人は相当なマニアです。

      • 【短編小説】あなたがいたから 3話

         こちらの続きです。  全員が一斉に声の方を向いた。レーグがふん、と鼻を鳴らす。 「どうしたんだ、コバルト。わざわざこんなところにまで」 「どこぞの間抜けな盗賊がサーカス団の魔物を殺したと聞いてね」 「へぇ。そりゃ災難だ」 「証拠隠滅に動けば感づかれる。贄を準備する方が早い」  コバルトは喉をぐうぐう鳴らした。 「贄?」  レーグが嘲笑を繰り出す。彼女は自然な動きで銃を取り出し、こう告げた。 「それってつまり、こういうことかい?」  銃口がノアに向くのと、彼女の後ろにラスタ

        • 【短編小説】あなたがいたから 2話

           こちらの続きです  新聞が切り取った事実よりも、現実はもっとひどいのではなかろうかとノアは思う。アングイスが言うには、あの魔術師たちは地区の診療所を片っ端から回ってああいった文句を言っているらしい。 「で、どうするんだ?」  ノアとラスターは、例のサーカス団が滞在している場所に向かっていた。 「アンヒュームへの誹謗中傷を辞めさせてほしいって懇願するのか? 無理だと思うぜー」 「無理でもなんでも、このまま何もしないわけにはいかないと思うんだ」  ふぅん、とラスターは気のない

        【おしらせ】今月いっぱいナナシノの更新をお休みします。ストック書き溜めたり構想練ったりグッズ作ったりします。10月からの動きはまた後ほどお知らせします。

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        • それでも私は同人が楽しい
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        記事

          【短編小説】あなたがいたから 1話

           ラスターには悪い癖がある。そのうちの一つが「新聞に気に入らない記事があるとそのページを丸めて捨てる」という点だ。ノアが読んでいないと分かっているときには自重してくれるのだが、そうでなければ丸められてしまう。今日もそうだった。ノアは丸められたテロス新報を見て、慌てて摘まみ上げた。結構ひどい丸め方だ。相当な記事があったのだろう。  ノアはそっと新聞紙をつまみ上げて、恐る恐る中を開いた(たまに虫の死骸を捨てるのに新聞紙を使うこともあって、ひしゃげたゴキブリをまともに視界に収めてし

          【短編小説】あなたがいたから 1話

          拙作、ナナシノ魔物退治屋のグッズを何かしら作りたいなぁと思っているので、好きなキャラとかいましたら教えてください。参考にします。 今のところ「コバルトの辛辣セリフアクスタ」は考えてます(人選

          拙作、ナナシノ魔物退治屋のグッズを何かしら作りたいなぁと思っているので、好きなキャラとかいましたら教えてください。参考にします。 今のところ「コバルトの辛辣セリフアクスタ」は考えてます(人選

          【超短編小説】いい返事

           郵便が来る。  ラベンダー色の封蝋を剥がしたヒョウガは、すぐに中身を確認した。商業都市でキメラが暴れたというニュースを聞いたとき、ヒョウガとコガラシマルがいたのは学術都市クーウィム。その気になれば駆けつけるのは容易ではあったが、記事には「キメラは死亡」とあった。だからヒョウガは手紙を出した。手紙ならノアにとってはそんなに負担にならないだろうし、時間があるときにさっと対応できる。そして、今、その返事がきちんと届いた。何も言うことはない。 「ノアもラスターも無事だって。よかった

          【超短編小説】いい返事

          【ナナシノメモ】コバルトがあまりにも達観しているものだから、ノアは時々どころか普段からコバルトは自分より年上だと思っている(本当はノアが年上)。

          【ナナシノメモ】コバルトがあまりにも達観しているものだから、ノアは時々どころか普段からコバルトは自分より年上だと思っている(本当はノアが年上)。

          今日更新予定のナナシノですが急遽別件の用事が来たので明日なげる予定のナナシノメモを今投げます、すみません!

          今日更新予定のナナシノですが急遽別件の用事が来たので明日なげる予定のナナシノメモを今投げます、すみません!

          今日はナナシノ更新日なのですが用事があり、いつもの時間に更新できないかもしれません。無理に今日更新するより、余裕を持って明日投げるほうがいいかなぁ……と思いましたので、今日は更新をお休みして、明日ナナシノ更新という感じでいきたいと思います。よろしくお願いします

          今日はナナシノ更新日なのですが用事があり、いつもの時間に更新できないかもしれません。無理に今日更新するより、余裕を持って明日投げるほうがいいかなぁ……と思いましたので、今日は更新をお休みして、明日ナナシノ更新という感じでいきたいと思います。よろしくお願いします

          【ナナシノメモ】酒場・髑髏の円舞の店主はアングイスのことをわりとありがたい存在だと思っています。理由はコバルトを上手く扱える数少ない人間だからです。

          【ナナシノメモ】酒場・髑髏の円舞の店主はアングイスのことをわりとありがたい存在だと思っています。理由はコバルトを上手く扱える数少ない人間だからです。

          【短編小説】影に戻る

           ――商業都市アルシュ・地区の診療所にて。 「ああ、よかった。あの人はちゃんとここについたんだ」  アングイスの少し後ろにいる男はにこにこと笑っている。手には一輪の花があり、誰かの見舞いに来たように見える。 「しかしあのコバルトが直接的な人助けかぁ」  アングイスはしみじみとしながら呟いた。 「本当に助かりました。あの人がいなかったら私の娘は今も瓦礫の下ですよ……」 「娘さんは元気にしてるのか?」 「はい。足を挟まれたので一応診療所にはかかりましたが、今はもう元気で」 「そう

          【短編小説】影に戻る

          【短編小説】友の躾 #4(最終話)

           こちらの続きです。  被害の全容はまだ分かっていないが、復興までには時間はそうかからないだろう。ギルド側も巻き込んだ騒動であれば、彼らが魔術を用いて家屋の再建やら何やらを手伝ってくれる可能性がある。キメラも無事に倒れたのなら、これ以上の被害は出ないはずだ。コバルトは倒壊を免れた家屋の中で、身をこわばらせていた。傷が痛む。先ほど飲んだ痛み止めがちっとも効果がない。ただのラムネだったのではないかという疑念が生じてしまうくらいには。  限られた治療のリソースを自分のような奴に使

          【短編小説】友の躾 #4(最終話)

          【ナナシノメモ】生まれつき魔力のない者たちが暮らしているエリア「地区」では魔術師へ恨みを抱くものも多いようです。アングイスは魔術師なので結構苦労した模様。

          【ナナシノメモ】生まれつき魔力のない者たちが暮らしているエリア「地区」では魔術師へ恨みを抱くものも多いようです。アングイスは魔術師なので結構苦労した模様。

          【短編小説】友の躾 #3

           こちらの続きです。  シアンの目がみっつ、ノアのことをじっと見つめている。それは一種の威嚇だった。コバルトの後を追わないように、翼を広げて道をふさごうとしている。 「ほっとこうぜ」  ラスターが疲れた様子でノアの肩をたたいた。 「あいつは死なないよ、ああやって歩き回ってるなら大丈夫だ」 「本当に? 結構な怪我だったけど?」  んー、とラスターが答えに窮したその時、ネロがぱっと飛び立った。その先には変な挙動で落下する子供の姿がある。キメラが落ちているのだ。 「あの位置は、避

          【短編小説】友の躾 #3

          【ナナシノメモ】ラスターは器用なので様々な武器を扱える他、楽器の演奏や絵画の制作、ちょっとした小物の修理なんかもできます。料理もできますが、あまり小洒落たものは好まないので作るものはいつも豪快な料理ばかり……。

          【ナナシノメモ】ラスターは器用なので様々な武器を扱える他、楽器の演奏や絵画の制作、ちょっとした小物の修理なんかもできます。料理もできますが、あまり小洒落たものは好まないので作るものはいつも豪快な料理ばかり……。