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『NARUTO-ナルト-』の最終回を書いてください 後編
なんの実績も無い“持たざる者”だった男フジノ(24歳・無職)がゲームクリエイターになる物語の後編です。(前編と合わせて読んでください)
『NARUTO-ナルト-』の最終回を書こう
-後編-
サイバーコネクトツー(ニシカワ&マツヤマ)からフジノに出された課題は二つでした。
しかしフジノには“それ以前の問題”がありました。
それは(無職だから)“お金が無い”ことと、“『NARUTO-ナルト-』を読んだことが無い”ということでした。
それからフジノは考えました。
考えたうえで(漫画を全巻購入できないので)地元の漫画喫茶に行って『NARUTO-ナルト-』を読みながらまた分析してそれを大学ノートにまとめました。
漫画家・岸本斉史の特徴・クセ・好んで使う演出などをピックアップしてどんどんとノートにまとめていきました。
その後は家に戻って今度は漫画喫茶でまとめたノートを資料にして課題の制作に取り組みました。
そして提出期限である2週間後――――
フジノは課題の提出をしに再びサイバーコネクトツー福岡本社を訪れたのでした。
会議室には2週間前と同様にニシカワとマツヤマがいました。
課題書類を受け取りながらそれぞれが目を通して評価しました。
【ニシカワ課題】
『NARUTO-ナルト-』のゲーム内のストーリーモードのサブイベント脚本を書いてください。イベント名は「サクラちゃんの誕生日」。プレイヤーはナルトを操作して木ノ葉の里を自由に動くことが出来ます。3人のキャラクターに話しかけた後に最後にサクラの元に行ってプレゼントを渡してオチを付けてください。3人のキャラクターを誰にするのかは自由です。間に1回以上のバトルを入れてください。プレゼントの内容も自由です。想定プレイ時間は15分程度です。
【ニシカワ課題】の提出作品は以下のような内容で作られていました。
【フジノ提出作品】
“プレイヤーはナルトを操作しながら順にカカシや山中いのやチョウジに話しかけてサクラがプレゼントとして喜びそうなものをリサーチしますがイマイチ要点を得ない。しかも話の途中で最後まで話を聞かずに次の登場人物の所にナルトは移動してしまいます。そして最終的に自分でプレゼントを決めてサクラのもとにやって来て渡そうとしますが、サクラからは自分の誕生日は昨日だったと驚愕の事実を知らされます。「なんでアンタだけ昨日の私の誕生パーティーに来なかったのよ!?」と言われてトホホとなるナルト”
構成としてはまあスタンダードな作り。もちろん全くダメということではないが「良い!」という評価にもならない。
やはり「底」を見るにはもうひとつの課題が必要だったな。
そう思いながらマツヤマ課題の方をチェックしました。
【マツヤマ課題】
少年ジャンプで連載中の漫画『NARUTO-ナルト-』が5年後に最終回を迎えるとして。その最終回のネーム17ページを書いてきてください。恐らくは人気絶頂のまま最終回を迎える『NARUTO-ナルト-』という物語の結末に最大の配慮をしてください。どういう結末ならば読者が納得するか、そして漫画家・岸本斉史自身が満足する最終回とは何なのかを考えてください。
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