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無題

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随想あれこれ。その時感じたこと、考えたことの集まり。 物思いに耽るとき、何を片手にしていますか?私はだいたい白湯かそば茶です。
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#夜更かし

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世のため、人のため、自分のため。
洗いざらしのデニム、新しいピアス、お下がりのミリタリージャケット。
天気は晴れ!朝の愛撫に粟立つ肌、ツンとなる鼻、隣の人のマフラーが擦れたり、すれ違うトイ・プードルと目が合ったり。そんな風に素直でいなきゃいけない。
自分の直感、したいこと、好きなもの、居心地の良いところ、信じるもの、美味しいもの、会いたい人。
ピンクのチューリップ、1ダースのドーナツ、固めのカヌレ

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すごく煌めき深い思い出があった場所、いけないと思いながらもつい立ち寄って眺めたら、とんでもない悲しさでいっぱいになった。
思い出は大抵、思い出すという動作と一緒にあるのに、どのように思い出すか/どういったものを思い出すのかは、自分の意思ではコントロールできないのが悲しい。

白いコンバース、ブランドロゴのガラス窓、土砂降り、不愉快な湿気、愉快なネオン、何でも出来そうな気持ち、濡れたアスファルト、街

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確実に秋はそこまで来ている。
日が落ちると風が冷たいのが居心地が良いので、ずっとこの感じが続けばいいなと思う。肌寒いくらいのときにするお喋りは自然とポエミィになりがちではあるものの、古い自転車のブレーキ音とかスケボー少年たちのガタガタいう音とかがそうはさせまいとしてくるのが都会の強さかも知れない。
都会的なところより、中途半端な自然の中のほうが私としては絶妙に落ち着いているが、世の中から隠れている

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閉じ込めておきたいようなものを閉じ込めておいて、苦しくなることはよくあるけれど、そういうときに一番困るのは前にもそんなようなことがあったはずなのに、その時どうしていたかちょっとも思い出せないことだ。

今とても困っている。できることとしたいことの間に私がいて、世の中でやっていけそうなことと、上手くできない部分の向こう側にあなたがいて、その間を大きい鯉とかナマズみたいな魚が飛び跳ねながら泳いでいる。

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目が覚めて気分が良いというのは素晴らしいことで、例えこの上なくお腹が空いていたり、気持ちの中にどこか寂しさみたいな靄を抱えていたとしても、目覚めが良ければ大体のことはなんとかなるのだ。
それには意味のない夜更かしをしないとか、あまり食べすぎないとか、暗いニュースから離れるとか、暖かくして眠るとか、充実した夜更かしをするとか、細々としたことがとても重要になってくる。なかなかこうしようと思って上手くい

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閉じ込めておきたい気持ちと、見せびらかしたい気持ちがある。前者は誰かを好きになったり、いろいろな世の中の物事に不安になったり、そういうこと。後者はエキセントリックな部分とか、生き生きしているとか、どちらかというと自分がそうでありたいなと思うことから滲んでいる。

今はあんまり頭の中に雑多なものはなくて、意外にすっきりしているんだけど、今日も長いこと湯船に浸かったし、少しお酒も入ったのでまたもやおセ

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今日は雨が降っている夜で、とっても気分がいいです。

母が眼鏡を外しながら私の顔を見て、ふふふと笑う。

そういうとき、私は今日見た景色と、これから見たい景色を思い浮かべている。空いている電車、ブティックのディスプレイ、同級生の顔、知らない湖、蝉の抜け殻、白い足、艶のある頬っぺた。

今はハイヒールに疲れた足と少し余計な肉のついたお尻をタオルケットに包み、ざらざらした音で眠りにつくところ。