無題

世のため、人のため、自分のため。
洗いざらしのデニム、新しいピアス、お下がりのミリタリージャケット。
天気は晴れ！朝の愛撫に粟立つ肌、ツンとなる鼻、隣の人のマフラーが擦れたり、すれ違うトイ・プードルと目が合ったり。そんな風に素直でいなきゃいけない。
自分の直感、したいこと、好きなもの、居心地の良いところ、信じるもの、美味しいもの、会いたい人。
ピンクのチューリップ、1ダースのドーナツ、固めのカヌレ、淹れたてのコーヒー、植木の水やり、ピアノを弾いたり。
朝起きて、伸びをしながらもう一眠りする。目を閉じたら瞼に金色の太陽とバターナイフが写って、私を起こそうとする。

キューバリブレ、アスピリン、クリームのチューブ、空箱。夜空の紺色したあなたのベッドカヴァーに温められるのも悪くないね。
今生きて、動いて、弾いたり歌ったりできる。だからそのために、何かを犠牲にできない。得体の知れない「多分、そのほうが良い」ことなんかのために。
たくさん眠って起きたらきっとお腹が空いている。ブーツの紐は上まで、乗り換えはゆっくり、目的地へは遠回り。公園を通って昼を過ごそう。
ガス入りの水、レーズン入りのハードパン、ノンワイヤーのブラジャー、お気に入りのトートバッグ。私のため。私が好きな私のため。
今はそういうことだけ（大事に）握っている。