無題
閉じ込めておきたいようなものを閉じ込めておいて、苦しくなることはよくあるけれど、そういうときに一番困るのは前にもそんなようなことがあったはずなのに、その時どうしていたかちょっとも思い出せないことだ。
今とても困っている。できることとしたいことの間に私がいて、世の中でやっていけそうなことと、上手くできない部分の向こう側にあなたがいて、その間を大きい鯉とかナマズみたいな魚が飛び跳ねながら泳いでいる。湿っぽいイヤな空気がまとわりついているけれど、ときどきびっくりするような涼しい風が吹く。今は吹かない。ここはどこで、どうやって進めばいいのかわからない。そういう思春期みたいな気持ち、ポエミィで恥ずかしい例え話、膝まで上がってくる泥水、見たことない不安な景色なんかを引きずって歩いている。
若いから明日が見えない。知っているようで愛を知らない。体に悪いことをわざわざしたい。眠りにつくのも、目が覚めて立ち上がるまでも遅い。好きな人の隣で眠って目覚めたい。独りぼっちの不安を抱きしめたい。音楽と一緒にいたい。指がちぎれるまで。ちぎれても。何があっても。
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