四季

秋田大落研のリーサルウェポンの脳内

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秋田大落研のリーサルウェポンの脳内

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花に泣く

ラベンダーの香りで目覚めた朝はどこか物悲しげだった。二度寝をしようとするもう1人の自分をいなしてゆっくりと起き上がった。 洗面所に行って口を濯ぐ。前衛芸術のよう…

四季
2か月前

忘れないであろうじゃんけん

こんにちは。ごきげんよう。 四季でございます。 お久しぶりです。直近1ヶ月ほどTask Is Overでしたので久方ぶりの更新となりました。 さぁ!昨日、秋田大学落語研究会学…

四季
3日前
4

生命線を消して

祖父が死んだ。大好きだった祖父が。 晩年は軽度の認知症、そして持病の心臓病もあってやつれていき、すぐ怒ったりするようになった。その前はたまに怒りはするが、基本的…

四季
3週間前
5

リリカルスローモーション

銀髪ショートの久美は黒髪ロングが似合うようになりたかった。メイクも目元にピンクのラメをキラキラさせるのではなく、素朴な感じのメイクをしたかった。流行りの横文字の…

四季
1か月前

大きな滝の下で

マイナスイオンの恵みを感じながら、遥か山奥へとやってきた翠は石に腰掛けた。 目の前には大きな滝があった。時々飛んでくる水沫は冷たく、いつもの定位置である苔が生え…

四季
1か月前
2

テレビで見る人

こんにちは。ごきげんようでございます。 四季でございます。 昨日は仙台わいわいライブありがとうございました!私はメゾン曼陀羅で出演させていただきました!公の場で…

四季
1か月前
6

むすんでひらいて

こんにちは。ごきげんよう。 秋田大落研のリーサルウェポンこと、四季でございます。 創作ばかり続きました。昔は小説家志望でしたのでね。溜まったらまた解説出したいと…

四季
1か月前
3

地獄より愛を込めて

人生は生き地獄 切り刻んで活かされ 焼いた縄で叩かれ 鉄屑の山に押しつぶされ 灼熱の釜の中で叫び 無間の苦しみを味わう 付かず離れずの俗世には 果てない待ちが訪…

四季
1か月前
1

少女に命は重すぎた

投げ捨てた命にさよならを 吐き捨てた言葉にくちづけを 編み込んだ表情(かお)には軽蔑を 抱き抱えた夢には敬愛を 蝋燭のようなこの体 生きる灯で消えていく 涙ひとつも出…

四季
1か月前
1

舞台上のゾリン

和久は売れない役者をしている。 最近の仕事は専らショッピングモールなどでのヒーローショーの怪人役。それも事務所からの情けの仕事。良くしてくれていた前社長は数年前…

四季
2か月前
2

アンワールド

お人形さんになりたいの 綺麗だからというよりも 汚くないからなりたいの 陶器の体になりたいの 美しいからというよりも 汚れないからなりたいの 二次元の絵になりたいの …

四季
2か月前
1

批評家ブルー

こんにちは、秋大落研のリーサルウェポンこと、四季です。 最近創作が続いていたので久々にコラム的なやつを。 私のnoteでは主に ・コラム的なやつ →備忘録的なことから…

四季
2か月前
2

私を剥ぐ

いつからだろうか。世界がこんなに息苦しくなったのは。 千佳は地下鉄に乗りながらそう思った。似たようなマスクをつけた、仰々しい目たちは各々何かしらやっている。スマ…

四季
2か月前

花言葉

「次は芹前、芹前でございます。お降りのお客様は足下にご注意の上、お降りください。」 気づくと、全く知らない駅に着いていた。錆だらけの駅舎には、お化け屋敷のギミッ…

四季
2か月前
2

斜に刺す

焼肉が好きだ。特にお店に行って食べる焼肉。美味しいのはもちろん、外食全般に言えることだが、あの面倒な後片付けをしなくて良いのが大きい。油ハネなんか気にする必要も…

四季
2か月前
2

煩悩の数と午後の青空

こんにちは。秋大落研のリーサルウェポンこと、四季さんでございます。 私、このGWを利用して東京の友人、祖父母に会うために旅行に来ました。 やっぱり東京はすごいです…

四季
2か月前

花に泣く

ラベンダーの香りで目覚めた朝はどこか物悲しげだった。二度寝をしようとするもう1人の自分をいなしてゆっくりと起き上がった。

洗面所に行って口を濯ぐ。前衛芸術のような寝癖に1人でツッコみながら、顔を洗う。今度はベランダに行って、花に水をやる。ベランダに行く道中のシンクには昨日作ったカレーの皿が乱雑に置かれていた。

近所のお婆さんが飼っているネコがベランダにいた。高貴そうだが、どこか親しげな雰囲気を

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忘れないであろうじゃんけん

こんにちは。ごきげんよう。
四季でございます。

お久しぶりです。直近1ヶ月ほどTask Is Overでしたので久方ぶりの更新となりました。

さぁ!昨日、秋田大学落語研究会学内ライブ
「忘れられないじゃんけん」が行われました!

結果は、大成功と言わしてもらいましょう!

1ヶ月という短い間で運営をやってくれた新挑さんや、小潮くんをはじめとした部員には感謝しています。

今回オープニング動画は

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生命線を消して

祖父が死んだ。大好きだった祖父が。

晩年は軽度の認知症、そして持病の心臓病もあってやつれていき、すぐ怒ったりするようになった。その前はたまに怒りはするが、基本的に穏やかな人であった。
娘である僕の母、息子である叔父、そして僕の従兄弟・妹である孫たちの前で平気で怒鳴ったりするようになっていた。しかし、僕の前では違った。

いつも通りの穏やか感じであった。

確かに、母や叔父、曽叔父、曽叔母そして祖

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リリカルスローモーション

銀髪ショートの久美は黒髪ロングが似合うようになりたかった。メイクも目元にピンクのラメをキラキラさせるのではなく、素朴な感じのメイクをしたかった。流行りの横文字のお菓子なんか食べたくない。いつものみたらし団子を食べたい。流行りのタピオカなんて飲みたくない。あったかいお茶をゆっくり飲みたい。

自分の殻を破るのは難しい。だってその殻は自分で作ったものだから。
求めるものはいつだって手の届かないところに

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大きな滝の下で

マイナスイオンの恵みを感じながら、遥か山奥へとやってきた翠は石に腰掛けた。
目の前には大きな滝があった。時々飛んでくる水沫は冷たく、いつもの定位置である苔が生えた石は心なしかいつもよりフワフワしてて居心地が良かった。滝壺に水が叩きつけられる音や、木が風に揺れ葉が擦れる音、鳥の鳴き声など、山奥は意外と騒がしかった。

毎週末、翠はこの山に滝を見に来ると決めていた。そんな生活が2年ほど続いた。ちょっと

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テレビで見る人

こんにちは。ごきげんようでございます。
四季でございます。

昨日は仙台わいわいライブありがとうございました!私はメゾン曼陀羅で出演させていただきました!公の場でしっかりとネタをするのはYAMABA以来2ヶ月ぶりでした。新ネタを卸したのですが、なんとかウケてよかったです。

どうやったら思いつくのかっていうネタが多くて悔しかったです。先に思いつきたかったボケがいっぱいありました。本当に悔しいし、面

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むすんでひらいて

こんにちは。ごきげんよう。
秋田大落研のリーサルウェポンこと、四季でございます。

創作ばかり続きました。昔は小説家志望でしたのでね。溜まったらまた解説出したいと思います。

さぁ、明日はいよいよ仙台わいわいライブです!
私はメゾン曼陀羅で出ます!
初めてでドキドキしてます。新ネタなんとか間に合いました。ちょっとしたハプニングがありましたがなんとか100%出し切りたいですね。
それと!共演者の皆さ

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地獄より愛を込めて

人生は生き地獄

切り刻んで活かされ

焼いた縄で叩かれ

鉄屑の山に押しつぶされ

灼熱の釜の中で叫び

無間の苦しみを味わう

付かず離れずの俗世には

果てない待ちが訪れる

人生は生き地獄

切り刻まれる中に愛を見つけ

焼いた縄に敬意を抱き

鉄屑の山に夢を語り

灼熱の釜に涙を流し

無間の中に生を持つ

嬌めつ眇めつの泡沫に

解放の歌が聞こえ出す

そんな地獄より愛を込めて

そん

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少女に命は重すぎた

投げ捨てた命にさよならを
吐き捨てた言葉にくちづけを
編み込んだ表情(かお)には軽蔑を
抱き抱えた夢には敬愛を

蝋燭のようなこの体
生きる灯で消えていく
涙ひとつも出ないのに
消えてく灯を追いかける

少女に命は重すぎた
若気の至りで済ませるには
少女に命は重すぎた
破滅の歌を聴きすぎた

浅ましい大人に中指を
狂おしい子供に愛情を
愛おしいあなたに微笑みを
死んでいく私に戒めを

蝋人形のよう

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舞台上のゾリン

和久は売れない役者をしている。
最近の仕事は専らショッピングモールなどでのヒーローショーの怪人役。それも事務所からの情けの仕事。良くしてくれていた前社長は数年前に亡くなり、効率を重視する現社長からはそういった仕事しかもらえなかった。しかし、仕事を選べるほどの生活の余裕もなかった。
気づけばここ数年、舞台や映画などでの演劇の仕事はしていなかった。役者歴だけが伸びていく。

役者になりたての頃は希望に

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アンワールド

お人形さんになりたいの
綺麗だからというよりも
汚くないからなりたいの
陶器の体になりたいの
美しいからというよりも
汚れないからなりたいの
二次元の絵になりたいの
可愛いからというよりも
傷つかないからなりたいの

どんなに願っても叶うわけないし
どんなに祈っても実るわけないけど

この思い届かないで
どうやっても叶わないものだから
この思い届いたって
人間であることから逃げられない

ガラスの

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批評家ブルー

こんにちは、秋大落研のリーサルウェポンこと、四季です。
最近創作が続いていたので久々にコラム的なやつを。

私のnoteでは主に

・コラム的なやつ
→備忘録的なことから思ったことまで様々なことの吐き出し場。
・創作(主に短編小説)
→暇な時にサクッと書いた短編小説。クオリティは求めないでください。
・詩・ポエム・歌詞
→Xでポストすると少し小っ恥ずかしい詩とか。 意外と音楽家の側面を持つ私の歌詞

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私を剥ぐ

いつからだろうか。世界がこんなに息苦しくなったのは。
千佳は地下鉄に乗りながらそう思った。似たようなマスクをつけた、仰々しい目たちは各々何かしらやっている。スマホを見る目。閉じて寝る目。本を読む目。景色を眺める目。他人の目しか見えない世界になってしまった。

千佳が高校に入学する年、世界的に新型ウイルスが流行した。その影響は日本にもやってきた。そのせいで、千佳は高校の同級生の顔を知らないまま卒業し

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花言葉

「次は芹前、芹前でございます。お降りのお客様は足下にご注意の上、お降りください。」

気づくと、全く知らない駅に着いていた。錆だらけの駅舎には、お化け屋敷のギミックのような老婆が座っていた。買った記憶のない切符を駅員に渡し、駅舎を出ると、一面緑だった。それがすべてパセリだと気づくのにそれほど時間は有さなかった。信じられないくらいのパセリが辺り一面に広がっていた。

人生とはなにが起こるか分からない

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斜に刺す

焼肉が好きだ。特にお店に行って食べる焼肉。美味しいのはもちろん、外食全般に言えることだが、あの面倒な後片付けをしなくて良いのが大きい。油ハネなんか気にする必要もない。タレをこぼしても気にも留めない。ご飯粒なんてどうでもいい。そういった優位に立てている実感があるから、私は焼肉が好きだ。

私は私が大好きだ。自分で言うのもなんだが、容姿端麗な方だと思う。おかげで恋人には不自由しなかった。他にも容姿のお

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煩悩の数と午後の青空

こんにちは。秋大落研のリーサルウェポンこと、四季さんでございます。

私、このGWを利用して東京の友人、祖父母に会うために旅行に来ました。
やっぱり東京はすごいですね。さすが日本の最先端。遠慮がないです。日本に生きる者、誰しも一度は東京の夢を見るのではないでしょうか。

話は変わりまして、私、漫才・コント・ピンの台本を書いておりまして、過剰かもしれませんが、秋大落研の中でもかなりネタを書いている方

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