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どれだけ売れればトントンになるか分かる『損益分岐点』とは?

損益分岐点とは、変動費、固定費を合わせた費用と売上高が等しくなるポイントのことです。

固定費の割合が大きい場合、固定費を回収するまで赤字が続きます。
固定費より売上高が上回れば損益分岐点を超えるので黒字になります。

今回は、どれだけ売れればトントンになるか分かる『損益分岐点』について紹介していきます。

変動費と固定費

『損益分岐点』の前に、「変動費と固定費の考え方がわからないよっ」という方のために同時に紹介していきます。


①変動費とは、製品を製造するための材料費、燃料費、残業手当など生産量に比例して変動するコストのことです。

②固定費とは、製造設備に関する減価償却費、工場の人件費、賃借料など生産量に関係なく、売上がゼロであっても一定額かかかるコストのことです。

『損益分岐点』とは?

損益分岐点とは、変動費、固定費を合わせた費用と売上高が等しくなるポイントのことです。

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固定費の割合が大きい場合、ある程度の量の製品を作って売らないと、固定費は回収できず赤字になります。

反対に、いったん損益分岐点を越えてしまえば、あとは売り上げ増加分の多くが利益になります。

生産性を意識してハマる罠

固定費の割合が大きい製造業で利益をだそうと考えると、操業度や稼働率を常に考える必要があります。

操業度とは、生産・販売などに関する規模や能力の最大値に対する、実際の利用割合のことです。

例えば、工場の製造装置の最大生産能力が1万個のときに実際の生産数量が7500個であれば、操業度は75%ということになります。

稼動率とは、工場の生産能力に対して実際にどれくらい生産できたのかを表す指標であり、「稼働率=生産能力÷実際の生産数」という計算であらわします。

 例えば、工場の生産能力が1日当たり100個で、実際の生産数が80個だった場合、稼働率は80%です。逆に、同じ工場で120個生産できた場合は、稼働率は120%になります。

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固定費を回収したい気持ちが強く、操業度や稼働率を意識しすぎると製品を作りすぎて不良在庫を抱えることになります。

不良在庫は抱えているだけで倉庫代や管理費がかかります。
さらに、売れない間に製品自体が古くなってしまい、せっかく作った製品を破棄することになります。

Dellの在庫処理スピード

PCで有名なDellは、商品受注後36時間以内に発送することで、不良在庫を抱えることなく、商品をさばき成功しました。

PCの性能は、どんどん向上するので年に3回も新商品が投入されます。
そのため、PCの商品寿命は2~3ヵ月しかありません。

Dell以外のメーカーはPCを出荷するまで65日もかかっていたので、高いPCが在庫置き場で眠っている間に、古い商品になり売れなくなって廃棄されていたのです。

またDellは、「WEB」や「メール」で対応する「問い合わせ部門」を作ることで、電話を受けるよりも効率的に固定費(人件費)を削減しました。

最後に

今回は、どれだけ売れればトントンになるか分かる『損益分岐点』について紹介しました。

損益分岐点とは、変動費、固定費を合わせた費用と売上高が等しくなるポイントのことです。

固定費の割合が大きい場合、固定費を回収するまで赤字が続きます。
固定費より売上高が上回れば損益分岐点を超えるので黒字になります。

損益分岐点を意識しすぎて固定費を回収したい気持ちが強くなると、売れないのに製品を作りすぎて不良在庫を抱えることになります。

不良在庫は抱えているだけで倉庫代や管理費がかかり、売れない間に製品自体が古くなってしまい、せっかく作った製品を破棄することになるので注意しましょう。

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