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業界内の競争で生まれた事実上の標準『ディファクト・スタンダード』

電池や電球は、どこのメーカーのものでもJIS(日本工業規格)という標準が決められているので規格さえ合っていれば使用できますよね。

JISのように公的な標準化機関が定めた標準を「デジュール・スタンダード」と呼び、業界内の競争で生まれた事実上の標準『ディファクト・スタンダード』と呼びます。

今回は、業界内の競争で生まれた事実上の標準『ディファクト・スタンダード』について紹介していきます。

公的標準「デジュール・スタンダード」とは?


デジュール・スタンダードとは、ISOやJISなどの規格国際標準化機関などにより定められた規格のことです。

製品の機能や製造方法、生産に用いられる技術など、その対象は多岐にわたります。

デジュール/de jureは、ラテン語で「法律上の」という意味になります。

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乾電池は、世界共通の規格を持つデジュール・スタンダード商品です。

業界標準『ディファクト・スタンダード』とは?


ディファクト・スタンダードとは、公的な標準化機関からの認証ではなく、市場における企業間の競争によって、業界の標準として認められるようになった規格のことです。

デファクト・スタンダードは、「事実上の標準」と訳され、デファクト/De Factoはラテン語で「事実上の」という意味になります。

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VHS/ビデオは、業界の標準として認められるようになったディファクト・スタンダード商品になります。

日本ビクターとソニーのビデオ対決


日本のビデオ業界も業界内で規格競争がありました。

日本ビクター(JVCケンウッド)が1976年に発売したVHS規格は、ソニーの1975年に発売されたベータマックス規格と対決することになりました。

日本ビクターのVHSは、ほかの業界を巻き込みながら戦い続け、1980年代に業界の標準として認められるようになりました。

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ディファクト・スタンダードが生まれたのは、ユーザーの利便性があるからです。

日本ビクターは、ソニーに負けないためにVHSの技術を、他社に貸し出して技術公開し広め、市場をおさえました。

その結果、レンタルビデオ屋さんでは、多くのお客さんが再生機を持っているVHSしか取り扱われなくなり、ベータマックスのビデオはドンドン縮小されていきました。

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どちらも同じVTRを見るためのビデオなのに、市場を先におさえて業界の標準として認められるようになった日本ビクターのVHSが大勝利したのです。

最後に

今回は、業界内の競争で生まれた事実上の標準『ディファクト・スタンダード』について紹介しました。

電池や電球は、どこのメーカーのものでもJIS(日本工業規格)という標準が決められているので規格さえ合っていれば使用できます。

JISのように公的な標準化機関が定めた標準を「デジュール・スタンダード」と呼び、業界内の競争で生まれた事実上の標準『ディファクト・スタンダード』と呼びます。

日本ビクターのVHS/ビデオは、業界の標準として認められるようになったディファクト・スタンダード商品になります。

日本ビクターは、小さい会社でしたが、VHSの技術を社外に公開し、市場を広げることで業界標準として認められライバルのソニーを倒しました。

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