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科学トピック

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#脳科学

恐怖感情の進化論

恐怖感情の進化論

二種類の思考パターン人間は、進化の過程で二つの思考過程、すなわちファスト思考とスロー思考を保持するようになりました。
 
ファスト思考は、思考というより直観という言葉がその性質をよく表しているかもしれません。

感情に直結しており、無自覚・自動的に素早く(ファスト)生じる思考です。
 
これに対しスロー思考は、熟慮、論理的思考、理性などに直結し、意識的・意図的に行う遅い(スロー)思考です。
 

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「AIは心を宿していない」をやや深堀り

「AIは心を宿していない」をやや深堀り

引用したnote記事「AIで死者は蘇るのか、AIは心を宿すのか」の文中、「AIは心を宿していない」という結論について。

AIはもちろん、"Artificial Intelligence"。
文字通り「人工知能」のことですね。

一方の「心」。
「心」とはなんぞや?

面倒くさい奴‥、などと思わないでください(笑)
きちんとした議論には、もし定義された言葉があるならそちらを使った方が得策なんじゃな

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脳の勘違いからの「無意識改革」

脳の勘違いからの「無意識改革」

イライラしてしまった時、そして幸運にもイライラしている自分に気づき「何とかしなきゃ」と思うことができた時どうするか? 

「落ち着け、落ち着け」と念じ、強い意志の力で高ぶった気分を鎮めようともがくよりも、ここは「無意識」の力に頼った方が良いのかも知れません。

陽の日差しの心理効果イタリアの心理学者・マルツォリの研究

アドリア海に面したビーチを歩く人を対象にあるアンケート調査をしました。

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ゲームしすぎると脳が劣化!?

ゲームしすぎると脳が劣化!?

かつてゲーム脳が社会的に大問題になったことがありますね。

ゲームをしている時の脳を調べたら、前頭葉(脳の前側の部分)が活発でなかった。

したがってゲームばかりしていると特に「意志判断機能」が損なわれる、と。

この、前頭葉の活動が弱まった状態(ゲーム脳)になったら大変だとの警告が、子育て中の世の親たちの心を掴みました。

ゲームばかりしている子供を心配する親心には、ゲームをやめさせるうってつけ

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分離脳と二重人格

分離脳と二重人格

アメリカの心理学者マイケル・ガザニガは、分離脳患者の研究で有名。

分離脳とは、左脳と右脳をつなぐ脳梁が切断された脳。

昔は癲癇の治療として行われていたのだそうです。

左脳と右半身、右脳と左半身が連絡しているのは良く知られた事実。

ガザニガは分離脳患者の右脳(つまり左目)に「笑う」という言葉を、

左脳(つまり右目)に「顔」という言葉を見せました。

しかる後、「見た言葉を書いてください」と

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ブレるという美徳

ブレるという美徳

パーキンソン病の治療薬の一つにCOMT(コムト)阻害剤というのがあります。

COMTはある種のドパミンを代謝する酵素で、この活性を阻害して脳内のドパミンを増やすことで、治療効果が得られます。

米ブラウン大学・フランク博士は、このCOMT遺伝子が、どの程度自分の意見を押し通すのか、逆に人の意見に流されるのかという性格の差異に影響しているとする研究結果を発表しました。

遺伝子は一般にタンパク質を

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