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脳の勘違いからの「無意識改革」

イライラしてしまった時、そして幸運にもイライラしている自分に気づき「何とかしなきゃ」と思うことができた時どうするか? 

「落ち着け、落ち着け」と念じ、強い意志の力で高ぶった気分を鎮めようともがくよりも、ここは「無意識」の力に頼った方が良いのかも知れません。

陽の日差しの心理効果

イタリアの心理学者・マルツォリの研究

アドリア海に面したビーチを歩く人を対象にあるアンケート調査をしました。

13の項目について、今の自分の気分にどのくらい当てはまるかを、
強くあてはまると思う場合は4点、全く当てはまらないと思えば0点
といった具合に0~4点で評価してもらいました。 

そしてその項目の内容はと言うと‥

・今すぐ誰かを殴りたい
・自分の権利を守るためなら暴力を行使する
・いつでも喧嘩上等だ
・今怒っている 

などなど、怒りや攻撃性に関する質問がズラリ。 

実はこの調査の面白いのはここから。
対象者たちを次の4つに区分し、それぞれについて上述の質問の点数を集計したのでした。 

1)     サングラスをかけて、太陽に向かって歩いていた
2)     サングラスをかけないで、太陽に向かって歩いていた
3)     サングラスをかけて、太陽を背にして歩いていた
4)     サングラスをかけないで、太陽を背にして歩いていた 

結果はと言うと、

まず性別では女性より男性の方が得点が高かった。

 これに関しては、男性の方がより攻撃的な態度をとることが多いというこれまでの科学的知見(&我々の日常感覚?)と合致しており、特段面白味はない。

 面白いのはサングラスについて

サングラスをかけている群の方が、かけていない群よりも攻撃性の得点が低くなりました。

サングラスってマンガなんかで反社系の人を描くのに多用されるツールですが、この実験結果が示すのはサングラスによって攻撃性がむしろ低くなる、ということ。

更にまた、太陽に向かうか背を向けるかについても差が出ました。
太陽に向かって歩いている時の方が得点が高かったのです。 

この時、上述のアンケートとは別に「どれくらい日差しをわずらわしいと感じたか」についても11点満点で評価してもらっていました。

結論をひとことで言うと、「太陽がまぶしいと感じるほど人は攻撃的になる」ということ。

作られた表情に脳がだまされる

 なんか突拍子もない結論のようにも思えますが、これは「脳のだまされやすさ」の現れ。

 太陽がまぶしいとき、どんな顔になります?
目を細め眉をひそめ‥、それこそ怒ったような顔になりませんか?

怒るとこんな感じ?

怒りの感情が怒りの表情を生むのとは逆パターン、つまり「怒ったような表情から今自分は怒っていると脳が判断する」過程があるらしい。

脳って意外に勘違いしやすい、ということですね。

外側から「無意識を整える」

私はこんな心理学実験を知る以前から、外見に気分が左右されることは感じていました。

なので外出するときはできるだけスーツを着て、アスコットタイしめたりとか軽くオシャレし、背筋を伸ばして歩くようにしています。

そうすることで内面が外見に矯正され、それにふさわしい立ち居振る舞いをするようになる。
紳士的にふるまったり他者に優しくなれたり(できている気がします)。

運転中などついイライラしてしまうとき、指をくわえて口角を挙げ、疑似笑顔を作ったりします。

んなアホなと思うかもしれないけど、これ結構効果的。
不思議に落ち着くものですよ。

 仕事でもなんでも、目標を持った活動を行う時でも、「強い意志をもって○○」だけだとどうしても限界があるように思います。

環境を整え外身を整えて、ここは一つ「無意識」の力も借りてみようではありませんか。

○Kindle本
「再会 -最新物理学説で読み解く『あの世』の科学」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0973XR53P

○ブログ“Beyond Visibility”
不思議現象を「根拠をもって」科学する
科学は、ホンモノこそが面白い
https://parasitefermion.com/blog/

※一専門家の意見、一つの実験結果だけでは、科学的エビデンスとしての質が相対的に低いことにご留意ください


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