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【和訳その他】戦争・軍事・安全保障

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戦争・軍事・安全保障に関する各種英文情報の日本語訳や紹介、内容要約
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2023年10月の記事一覧

【SNS投稿和訳】ウクライナ軍予備役将校によるアウジーウカ情勢分析(日本時間2023年10月26日06:56投稿)

【SNS投稿和訳】ウクライナ軍予備役将校によるアウジーウカ情勢分析(日本時間2023年10月26日06:56投稿)

はじめに本記事はウクライナ軍予備役将校のTatarihami_UA氏のX投稿の日本語訳である。記事中で使用した画像は、Tatarihami_UA氏の投稿のものを転載使用した。

日本語訳アウジーウカ最新情勢(あなたがこれを読むまでの間に情勢が進展している可能性があることにご注意ください):

ここの情勢は依然として困難な状況で、アウジーウカの両翼とこの都市自体に対するロシア軍からの圧力が続いている

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【記事紹介】戦争はそれ独自の意志で動いていく。イスラエルがガザに入ったら、その先に待っているのは、さらなる驚愕の事態だ(By Mick Ryan)

【記事紹介】戦争はそれ独自の意志で動いていく。イスラエルがガザに入ったら、その先に待っているのは、さらなる驚愕の事態だ(By Mick Ryan)

上記リンク先の英文記事(2023年10月24日公開)は、オーストラリア軍退役少将ミック・ライアン氏による、現在進行中のハマス・イスラエル紛争に関する論説です。

この武力衝突に関するイスラエル側にとっての課題を、ライアン氏は以下の3つに分類します。

① 政治目標設定
② 戦略的情報戦
③ 倫理的正当性

順不同になりますが、②の「戦略的情報戦」の問題から入っていきます。10月7日のハマスによる攻

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【記事和訳】アウジーウカ:10月10〜20日のロシア側損失(FRONTELLIGENCE INSIGHT)

【記事和訳】アウジーウカ:10月10〜20日のロシア側損失(FRONTELLIGENCE INSIGHT)

はじめにこの記事は上記リンク先の英文記事の日本語訳になります。なお、FRONTELLIGENCE INSIGHTはウクライナ軍予備役将校Tatarigami_UA氏が立ち上げた戦争情報分析プロジェクトです。また、本記事中の画像は、記事原文から転載し、使用しました。

日本語訳入手可能な衛星画像を丁寧に目で見て評価分析する作業を行った結果、10月10日から20日の期間にロシア軍がアウジーウカ地区で被

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【SNS投稿和訳】評価分析:アウジーウカの戦い(by Emil Kastehelmi氏)

【SNS投稿和訳】評価分析:アウジーウカの戦い(by Emil Kastehelmi氏)

はじめに本記事は、フィンランドの軍事史家・OSINTアナリストであるエミール・カステヘルミ氏のX連続投稿(日本時間2023年10月19日03:51投稿)の日本語訳である。なお、この記事中の画像は、カステヘルミ氏の投稿から転載した。

日本語訳ロシア軍は1週間にわたってアウジーウカ方面で攻撃を続けている。

攻勢の激しさはおさまりつつあり、ロシア軍は多くの装備損失を被った挙句、ごくわずかしか進めてい

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【SNS投稿和訳】ウクライナ予備役将校によるアウジーウカ情勢概要 (2023年10月16日時点)

【SNS投稿和訳】ウクライナ予備役将校によるアウジーウカ情勢概要 (2023年10月16日時点)

はじめに本記事は、上記リンクのX連続投稿の日本語訳である。投稿者のTatarigami_UA氏はウクライナ軍予備役将校で、ウクライナ戦況の分析等をウェブ上で発信している人物である。なお、この記事で用いた画像は、Tatarigami_UA氏の投稿から流用した。

日本語訳2023年10月16日時点でのアウジーウカ情勢概要。

ロシア軍は攻勢初期の数日間で進撃できたにも関わらず、アウジーウカ北方での持

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【SNS投稿和訳】ウクライナ軍予備役将校によるアウジーウカ情勢分析(日本時間2023年10月15日01:52投稿)

【SNS投稿和訳】ウクライナ軍予備役将校によるアウジーウカ情勢分析(日本時間2023年10月15日01:52投稿)

はじめに本記事は、上記リンクのX投稿の日本語訳である。投稿者のTatarigami_UA氏はウクライナ軍予備役将校で、SNS等でロシア・ウクライナ戦争関連の情報発信をしている人物である。

日本語訳アウジーウカでの激しい戦闘が数日間続いたことを受けて、私は現在進行中の情勢に関する暫定的な分析を行うことにした。私はより大きな範囲で状況を観察しているのだが、それはここの状況をよりよく理解する一助になり

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【記事和訳】アウジーウカでの進捗状況:10月10〜11日最新情報(FRONTELLIGENCE INSIGHT)

【記事和訳】アウジーウカでの進捗状況:10月10〜11日最新情報(FRONTELLIGENCE INSIGHT)

はじめに:以下は、ウクライナ戦況に関する上記リンク記事の日本語訳である。なお、FRONTELLIGENCE INSIGHTはウクライナ軍予備役将校Tatarigami氏による紛争分析プロジェクトである。

日本語訳:ここ数日間で、ドネツィク市近郊に位置する作戦上極めて重要な市街地であるアウジーウカは、前線上で最も活発な場所になった。私たちのチームがこの短い情勢追跡報告をまとめたのは、アウジーウカ周

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【SNS投稿和訳】ウクライナ戦況:オリヒウ方面情勢  日本時間2023年10月9日(Tatarigami氏)

【SNS投稿和訳】ウクライナ戦況:オリヒウ方面情勢 日本時間2023年10月9日(Tatarigami氏)

はじめに:

ウクライナ軍予備役将校Tatarigami氏が、ウクライナ南部“ヴェルボヴェ〜オチェレトゥヴァテ〜ノヴォプロコピウカ”地区の戦況分析を、Xに投稿しています(日本時間2023年10月9日03:56投稿)。

以下は、そのX連続投稿の日本語訳になります。なお、記事中で使用した画像は、Tatarigami氏の投稿から転載しました。

日本語訳:

ヴェルボヴェ〜オチェレトゥヴァテ〜ノヴォプ

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【SNS投稿和訳】拡張されるロシア軍訓練施設(Tatarigami氏)

【SNS投稿和訳】拡張されるロシア軍訓練施設(Tatarigami氏)

以下は、ウクライナ軍予備役将校Tatarigami氏のX連続投稿(日本時間2023年10月6日01:23投稿)の日本語訳である。なお、本記事中の画像は、Tatarigami氏投稿からの転載になる。

日本語訳:ロシア軍はルハンシク・ドネツィク州の戦線後方地域とロシア国内で、訓練施設の拡大を積極的に進めている。この拡張は、2022年動員後に浮かび上がった兵站面のボトルネックに力強く取り組むことを目的

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【SNS投稿和訳】ウクライナ情勢:過度な楽観論を戒める(Tatarigami氏)

【SNS投稿和訳】ウクライナ情勢:過度な楽観論を戒める(Tatarigami氏)

はじめにウクライナ軍予備役将校のTatarigami氏が、以下のX投稿で現在のウクライナ戦況を過度に楽観視する見解を戒めています。このような見方は不正確であるばかりか、有害になる可能性があると指摘しています。

以下は、Tatarigami氏のX投稿(日本時間2023年10月7日04:51投稿)の日本語訳になります。

日本語訳:私は最近、全般情勢に関してネガティヴなコメントを控えるように努めてき

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【記事和訳】反転攻勢における樹木線上の隠された防御陣地がもつ重要な意味(FRONTELLIGENCE INSIGHT)

【記事和訳】反転攻勢における樹木線上の隠された防御陣地がもつ重要な意味(FRONTELLIGENCE INSIGHT)

訳者まえがき:ロシア・ウクライナ戦争において、商用衛星画像の精度向上とその入手が容易になったことが、民間レベルでの戦争分析を発展させたことは間違いないでしょう。その一方で、衛星画像上で確認できるものを重視し過ぎる傾向が生じている実態もあります。

上記リンク先の戦術分析記事は、衛星画像では隠れてしまう要素を取りあげ、それがもつ戦術的重要性を指摘している記事です。

ウクライナからの映像を見ると、平

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【記事和訳】好機に乗じた戦争:アゼルバイジャンのナゴルノ=カラバフ攻勢は南コーカサスの地政学をどれほど変えつつあるのか(by Marie Dumoulin & Gustav Gressel)

【記事和訳】好機に乗じた戦争:アゼルバイジャンのナゴルノ=カラバフ攻勢は南コーカサスの地政学をどれほど変えつつあるのか(by Marie Dumoulin & Gustav Gressel)

2020年ナゴルノ=カラバフ戦争において勝利したアゼルバイジャンは、2023年9月19日、「対テロ作戦」としてナゴルノ=カラバフでの軍事作戦を開始。翌20日には戦闘は終結し、長年のナゴルノ=カラバフ問題はアゼルバイジャンによる武力解決によって終わったかのようにみえます。

シンクタンクのECFR(欧州外交評議会)のウェブサイトで2023年9月28日に公開された上記リンク先記事(Marie Dumo

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【論考紹介】咀嚼できるものを噛みちぎる:消耗戦環境を理解しているウクライナ(by Robert Rose)

【論考紹介】咀嚼できるものを噛みちぎる:消耗戦環境を理解しているウクライナ(by Robert Rose)

本記事は、「咀嚼できるものを噛みちぎる:消耗戦環境を理解しているウクライナ」(Robert Rose, “BITING OFF WHAT IT CAN CHEW: UKRAINE UNDERSTANDS ITS ATTRITIONAL CONTEXT”, War on the Rocks, 26.09.2023)の紹介記事になります。著者のロバート・ローズ氏は米陸軍少佐で、訓練機関での勤務、アフガ

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