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お笑い関係あれこれ

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お笑いに関する記事をあれこれまとめています。
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2022年1月の記事一覧

会話でバレるドSの差

会話でバレるドSの差

 お笑いタレントの東野幸治さんは2001年に奥様と離婚するも2011年に復縁し、再婚されております。これをバツ1と呼んでいいのか判断に困りますが、少なくとも離婚を1回は経験されている。

 どの番組だったか全く思い出せなくて申し訳ないのですが、とあるバラエティ番組で芸人の浜田雅功さんと宮迫博之さんが東野さんの離婚に関してこんな会話をしていたと記憶しています。以下、敬称略です。

宮迫「東野さんが離

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局所的あるあるネタ

局所的あるあるネタ

 「あるあるネタ」というものがございます。日常的にありそうなことを取り上げ、共感を得ることでウケを狙う芸を指すようです。

 共感を笑いに繋げるためか、世間に広く知られているものがテーマにされがちです。学校、職場、家庭などで、誰もが一度は経験してそうなことを扱う。これがあるあるネタの基本であると考えられます。

 「あるあるネタ」の起源をキッチリ調べた方はあまりいらっしゃらないようです。恐らく、陳

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「すべらない話」で心配になる

「すべらない話」で心配になる

 杞という国に「空が落ちて来るんじゃないか」と心配する人がいた。これが「杞憂」の由来と伝えられています。「杞」の国の人みたいに起きもしないようなことを「憂」う、つまり「取り越し苦労」を指す言葉ですね。逆を言えば、心配しようと思えば何でも心配できる、人間の心理を指摘した故事成語でございます。

 かく言う私も杞憂には一家言ある立場でして、苦労を取り越して生きていると言えます。例えば、「怪奇!Yesど

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ベタを回避する人、ベタをベタじゃなくする人

ベタを回避する人、ベタをベタじゃなくする人

 15年は前の話だったと思います。私は初めてM-1グランプリの予選を見に行きました。確か2回戦でした。100組以上いる芸人の漫才を7時間かけて鑑賞するという桁違いのライブです。

 ただ、それだけ芸人がいるとさすがにネタがかぶってくる。更に何日か2回戦を鑑賞し、とにかくかぶりやすいテーマがふたつあると気づきました。「10回クイズ」と「ひとつ飛ばしてべっぴんさん」です。

 10回クイズは例えば「ピ

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トリオ漫才はなぜ少ないか

トリオ漫才はなぜ少ないか

 国内で最も大規模なお笑い賞レースはM-1グランプリで間違いないでしょう。去年は6017組、言い換えれば約12000人が参加したことになります。

 これだけいれば、全ての漫才師のうち、何割が何人組なのか調べるのに充分な数と言えるでしょう。幸い、M-1グランプリは公式サイトで「コンビ情報」が公開されており、2015年以降に参加した組のデータが全て保管されています。検索機能もついていて非常に使いやす

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「コントをする漫才」と「漫才をするコント」の違い

「コントをする漫才」と「漫才をするコント」の違い

 お笑い芸人のネタと言えば漫才とコントが二大巨頭でしょう。そのふたつの関係でずっと疑問に思っていたことがあります。

 漫才の途中でコントに入るパターンは非常によくあります。「ちょっと喫茶店の練習しよう。俺は店員やるから、お前はお客やって」みたいなやつですね。「コント漫才」なんて呼ばれているようです。

 しかし、逆に「漫才のコント」となると滅多に見かけません。漫才のコントというテーマに真正面から

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M-1グランプリ予選で軽く死にかけた話

M-1グランプリ予選で軽く死にかけた話

 きっかけは思い付きです。M-1グランプリに参加する芸人を片っ端から見てみたい。

 しかし、予選1回戦は準々決勝常連のガチ勢からノリで参加したフレッシュ勢までバラエティに富みまくっています。中にはそもそも人前でネタをやり切れるかどうかすら微妙な組だっている。アマチュアも参加可能な大会なんですから当たり前です。ただ、見る側としてはなかなかにしんどい。震える手でしっかりすべられたり、目を泳がせてハッ

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新潮流となるか「ベテランコンビ+ベテランピン」ユニット

新潮流となるか「ベテランコンビ+ベテランピン」ユニット

 M-1グランプリの参加条件に結成年の制限があります。2010年までは結成10年以内、2015年からは結成15年以内。島田紳助さんは漫才師が辞めるきっかけを作るために同大会を立ち上げたとされ、年数制限もその一環だと考えられています。

 しかし、M-1グランプリが始まったのは2001年、今から約20年前です。人間からしてみたら大きな期間であり、状況が変化するには充分な時間です。M-1グランプリ自体

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最後まで闘い続けた者たち M-1グランプリ ラストイヤー戦績調査

最後まで闘い続けた者たち M-1グランプリ ラストイヤー戦績調査

 M-1グランプリは伝統的に結成年制限があります。2010年までは結成10年、2015年に再開してからは結成15年以内の組にだけ参加資格があります。参加資格ギリギリで翌年には出場権を失う組は「ラストイヤー」と呼ばれ、時に注目されます。

 しかし、ふと思いました。テレビでラストイヤーと注目されるのは決勝進出者か、せいぜい敗者復活戦に出場する組くらいです。つまり、数多くいる芸人の中でも本当にトップの

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停滞が続く回文ネタ業界

停滞が続く回文ネタ業界

 お笑いが好きというと、どのコンビが面白いかたまに聞かれます。その昔、私はパンクブーブーと答えていました。すると、ニコニコしながら「マニアックですね」と言う人がいました。

 当時のパンクブーブーは若手で、地元である福岡から上京するかどうかくらいの時期でした。ただ、往年のお笑い番組「爆笑オンエアバトル」で初出場にして高得点を記録しており、知る人には知られた存在だったため、随分と意外に思いました。そ

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お笑いコンビを夫婦に例えると大変なことになる

お笑いコンビを夫婦に例えると大変なことになる

 大学のお笑いサークルが主催するライブを見て回った時期があります。

 基本的なところはプロのお笑い芸人と同じです。ネタを作って、サークル内でネタ見せをして、ライブにかける。ライブの内容もプロと大体一緒です。ライブ前にはアンケート用紙や他のライブのチラシを配布しますし、ライブにはMCを務める人がいて、ネタもあれば企画もある。ウェブサイトの運営もするし、ネタの動画やラジオの音源をネットで公開していた

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お笑い悪食の遺伝子

お笑い悪食の遺伝子

 遺伝に関する研究はもうここ何十年もの間ずっと盛んですが、両親からどんな子が生まれるか正確に予測できたという話を聞きませんので、まだまだ研究の余地があるのだと思います。ただ、やっぱり親とどこか似るというのは確からしい。

 母方の祖母はよく笑う方でした。そして、笑えるものが大好きでした。とにかく笑えるものは何でも笑っておきたい。そういう信条すら感じられました。彼女はよく私に最近面白かったことを教え

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良い漫才は良い文章である、ただし半分は

良い漫才は良い文章である、ただし半分は

 「さんまの東大方程式」という特番があります。40人程度の東大生と明石家さんまさんがトークするバラエティー番組で、早い話が「踊る!さんま御殿!!」や「さんまのお笑い向上委員会」の東大生版です。初回開始は2016年、最新回の第9弾は2020年に放送されました。

 そこで印象的なやり取りがありました。2016年9月10日に放送された第2弾での話です。東大生はコミュニケーションが苦手なのかという話の中

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