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お笑いコンビを夫婦に例えると大変なことになる

 大学のお笑いサークルが主催するライブを見て回った時期があります。

 基本的なところはプロのお笑い芸人と同じです。ネタを作って、サークル内でネタ見せをして、ライブにかける。ライブの内容もプロと大体一緒です。ライブ前にはアンケート用紙や他のライブのチラシを配布しますし、ライブにはMCを務める人がいて、ネタもあれば企画もある。ウェブサイトの運営もするし、ネタの動画やラジオの音源をネットで公開していたりもする。大会も定期的に開催されています。

 もちろん、大学お笑い独特の文化もございます。例えば、香盤を見ると演者の名前には学年も併記されている。エピソードトークも大学生ならではの題材が目立ちます。そしてもうひとつ、相方が極めて流動的という特徴がある。

 プロのお笑い芸人ともなりますと、特定の相方と組み続けるのが一般的です。ピンならピンで活動する。一時的にユニットを組む場合もありますが、相方は決まっていると考えていい。

 一方、大学お笑いは違います。もちろん、サークルにもよるでしょうが、いろんな人と組んでネタをするのが珍しくないようです。相性や適性を見ているのでしょうか。理由はよく分かりませんが、複数の相方が存在するのは、大学お笑いでは普通のようです。そして、上級生になり、お笑いにも慣れてくると、メインの相方ができてくるように見受けられます。

 お笑い芸人にとって相方との関係は夫婦にも例えられます。しかし、この例えを大学お笑いにまで適用させてしまうと、何だかおかしなことになってきます。一夫多妻制と一妻多夫制が入り混じる文化圏とでも言うのか、それとも自由恋愛原理主義者が暴走する世界線とでも言うのか。品種改良を目的に交雑を繰り返しまくってるとか、満月になると交尾のために浜辺へ大集合するカニとか、いずれにしろ夫婦と言うには乱れすぎてる何かばかり思い浮かべてしまいます。

 芸人の間で語られがちな「相方=夫婦説」に、思わぬ方角から強烈な一撃が与えられてしまいました。

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