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「すべらない話」で心配になる

 杞という国に「空が落ちて来るんじゃないか」と心配する人がいた。これが「杞憂」の由来と伝えられています。「杞」の国の人みたいに起きもしないようなことを「憂」う、つまり「取り越し苦労」を指す言葉ですね。逆を言えば、心配しようと思えば何でも心配できる、人間の心理を指摘した故事成語でございます。

 かく言う私も杞憂には一家言ある立場でして、苦労を取り越して生きていると言えます。例えば、「怪奇!YesどんぐりRPG」というトリオがいます。Yes!アキトさん、サツマカワRPGさん、どんぐりたけしさんのピン芸人3名が組んだユニットで、数年前から活動されています。

 3人の特性を活かした独自システムがネタの特徴で、例えば、彼らの出世作として知られる「プレイヤーチェンジ」があります。マイクの前にいるひとりが一発ギャグを披露したあと、「プレイヤーチェンジ」と言いながら場所を代わり、また別の人が一発ギャグを披露するというネタです。

 プレイヤーチェンジは使いやすいシステムらしく、他の芸人を入れておこなうこともでき、怪奇!YesどんぐりRPGの公式チャンネルにて他の芸人とコラボした動画も多く上がっています。

 場合によっては芸人以外の人も参加しています。杞憂の名手たる私は、これに入れられたらどうしようとすぐ心配になりました。いくつかそれっぽいものを見繕ったものの、芸人でない私はスベるに違いありません。ただ、そういうものだと受け入れ、堂々としてれば乗り切れる。そう結論付け、気を落ち着けた次第です。

 かくして心の平穏はもたらされました。しかし、私は杞憂オブ杞憂の人間です。あろうことか、「人志松本のすべらない話」を見て心配になってしまいました。まかり間違ってあれに出てしまったらどうしようと。

 どうせ何やってもスベると思いつつも、それ用の話を練り始めている自分が意味不明です。うまくやれる自信は全くないんですが、だったら「すべらない話に出るかもしれない」という自信はどこから出て来るのか。

 どれだけ効果があるのか分かりませんが、ここに目を覚ませと書いて、くだらん不安を払拭したいと思います。

 目を覚ませ。まだ宝くじで2億当てる方が現実味あるレベルだぞ。

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