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億を売る妻No.16 秒単位のスピードにこだわる

妻との仕事は正にスピードとの戦いでした。
朝が起きられない妻ですが、
起きて自身の身支度を済ましてからは、
自分が起きる時間が遅いのが、
原因にも関わらず、
私に、
「早く! 早く! 遅い! 遅い!」
と連呼してきます。

子供達を「起きろー!」と叩き起こし、
起きない時は寝ている状態で、
朝ごはんも食べささずに、
保育園に預ける事もありました。

いつも保育園を出るところから、
業務がスタートします。
買い付けに向かう時は、
特にスピード重視で行動します。
私が運転する役目なのですが、
走る速度を求められ、
目的地により早く到着する為に、
最短ルートを選ぶ必要がありました。

その途中にいつものコンビニに立ち寄り、
駆け足で朝昼分の食料を買い込み、
そそくさと出発します。

走行中に右折のタイミングで、
対向車がくるかどうかの判断の際も、

「今行けるー! イケイケ行けるー!」

「よゆーやあ‼︎」

と煽ってきます。

そして信号が青から黄色に変わった瞬間、
思わず止まってしまいました。

すると妻は私に向かって、

「何でお前!
 今のタイミングで止まったんやー?」

「信号待ちの時間がもったいない、
 私の時間を返せー!」

と叫び出しました。

私は

「事故するから、
 止まって当たり前やし!」

と言い返すと、

手に持っていたシジミの味噌汁を、
私に ブシャーッ と
ぶちかけてきました。

私は一瞬何が起こったのか分からず…
少ししてから、
味噌汁の熱さと、
シジミが顔に当たった痛さ
を感じました。

時間が経つにつれて、
服と髪の毛はベトベトになり、
車中が味噌汁臭くなりました。

その後私はベトベトのシャツを脱ぎ捨て、
上半身はだかになりながら、
そのまま止まる事なく、
買い付けに向かいました。

何でこんな事になったのか、
よくわかりませんでしたが、
自分の姿と状況に、
笑いが込み上げてきました。

妻は私が

数秒単位のスピードにこだわらない事が
許せなかったのです。

仕事を済ませて、
自宅にかえってからは、
同じ人間とは思えないくらいに、
ダラダラと酒を飲み、
ボリボリとスナック菓子を食べながら、
スマホを片手に欲しい物をひたすら探して、
夜更かしして過ごします。

私がこのオンとオフを切り替える生活に
合わせれるようになるまでには、
相当時間が必要でした。

この秒単位のスピード差の積み重ねが、
大きな差を拡げられる

事も今では理解出来ています。

私達は日常をこのスピード感で
生きています。





---
つづく






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