マガジンのカバー画像

映画感想

673
映画の感想を書いています。
運営しているクリエイター

2024年6月の記事一覧

映画「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」感想 歩くということ×大切な人×会いたい想い

映画「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」感想 歩くということ×大切な人×会いたい想い

昔の恩人に会うために歩き続ける。中々に普通はできないことだ。継続的に歩き続けると、怪我もするし、身体が言う事を効かなくなる。それでも歩き続けられるのは精神的に強靭な状態であり、確固たる信念を持っている証拠である。

歩くことは簡単に見えて難しい。800キロともなれば人間技ではない。そこに精神力を感じる。気づけばまわりに人が集まり、ハロルドは数多くの人と一緒に病院を目指す。良くも悪くもハロルドは知名

もっとみる
映画「違国日記」感想 家族のあり方?×新垣結衣と早瀬憩×演技が光る

映画「違国日記」感想 家族のあり方?×新垣結衣と早瀬憩×演技が光る

■槙生の新垣結衣さんの演技と主演に抜擢された早瀬憩さんがとても印象的。新垣さんは姉との確執がありながらも、姪の朝を引き取るこてを本能的に決めるという矛盾しているような人間を見事に演じている。小説家の気難しい一面もあるが、あくま姪は他人であり一人の人間であることを尊重する姿勢はすごいなと感じた。いきなり姪が共同生活するとなれば、ストレスが溜まり喧嘩もよくするのかというイメージがあったがそんなことはあ

もっとみる
映画「フォール」感想 落ちる恐怖×脱出不能×通信手段は?

映画「フォール」感想 落ちる恐怖×脱出不能×通信手段は?

■テレビ塔に登るのは分からないが、スリルのためというのは少しわかる。ほんの少しで、しかも安全性が担保されていたらだ。テレビ塔は安全性などほぼなく、今にもネジが外れそうなハシゴがあり、頂上でついにハシゴが壊れてしまった。そんな状態では安全ではない。そもそも前もって誰にも言わないで登るというのは信じられないし、怖かった。

■二人しかいないし、誰が下に人を待機させておけば良かったのにと、見ながら何度も

もっとみる
映画「帰ってきた あぶない刑事」感想 今でも若い二人×舘ひろしと柴田恭兵×ダンディー

映画「帰ってきた あぶない刑事」感想 今でも若い二人×舘ひろしと柴田恭兵×ダンディー

◯年齢を感じさせない二人の演技が良かった。舘ひろしさんも柴田恭兵さんもかっこ良すぎ。劇中では定年退職した刑事なんだけど、アクションするわ、ボディガードするわ、最新技術で若返るわなとやりたい放題。でも、それが嫌味にならないのがいい。

◯ダンディーな二人だからこそ実現できるドラマになってる。ラストのラスボスとのカーバトルが最高だった。どう見てもタカは被弾しているのに物ともしない。バイクも何故かぐんぐ

もっとみる
映画「ライド・オン」感想 ジャッキーの過去作品×俳優とスタントマン×人間ドラマ

映画「ライド・オン」感想 ジャッキーの過去作品×俳優とスタントマン×人間ドラマ

■ジャッキー映画のアクションが魅力だ。今回はアクションが少なめかなと思ったが、実はスタントアクションをバリバリしているので満足度が高い。アクションでも、その辺にあるものを使ったアクションとウマと一緒のスタントアクションがある。意外に多くスタントアクションのインパクトが強く、日常パートとの落差があってメリハリがある。スタントはある意味でジャッキーをイメージする。スタントなしが醍醐味の作品が多い。ジャ

もっとみる
映画「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」感想 ぼっちちゃんの青春と結束バンド結成と運命の出会い

映画「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」感想 ぼっちちゃんの青春と結束バンド結成と運命の出会い

四回も観てしまった。かなり面白かった。ぼっちちゃんの青春成長劇が非常に素晴らしかった。もう学校に行きたくないなといっていたぼっちちゃんが、虹夏との出会いでリョウや喜多ちゃんと出会って結束バンドを組み、ライブを成功させる流れが最高だった。バンドをしてからは学校で喜多ちゃんにギターを教えているし、世界が広がったように見えたし、ぼっちちゃん良かったなあと普通に思えた。友達がいなくてバンドしたいけどできな

もっとみる
映画「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」感想 パリオリンピックと臨場感とアニメで覚えたバレーのルール

映画「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」感想 パリオリンピックと臨場感とアニメで覚えたバレーのルール

パリオリンピック出場が話題になっているがハイキュー人気も一役買っているという。確かにハイキューは高校バレーの物語で日向と研磨のライバルと友情が描かれている。バレーのルールや見せ場もあり、実際のバレーの試合と同様に臨場感もあるから、バレーの試合の流れが知らず知らずにわかっていく。登場するキャラもカッコいいし、ファン人気もある。このバレーの試合の流れを知っている人が増えたのが人気の一因に思う。ルールを

もっとみる
映画「トラペジウム」感想 アイドルになりたい夢×メンバーの異なる夢と対立×憧れのアイドルの世界

映画「トラペジウム」感想 アイドルになりたい夢×メンバーの異なる夢と対立×憧れのアイドルの世界

■アイドルってなんだろう?東は西南北を利用してアイドルとして活躍しようとしていて、くるみが壊れようとしているのに、無理やり説き伏せようとして違和感があった。これって、東がアイドルを素晴らしいものと思っているだけで、それをメンバーに説明しないのが悪いと思った。まあ、悪い人ではなくて、アイドルを夢見ているからこそ、みんなが自分と同じようにアイドルになりたいと思っていた。東西南北というアイドルグループを

もっとみる
映画「おいハンサム!!」感想 忘れない日本の風情×家族の中の父親像×ピンチで駆けつける度胸

映画「おいハンサム!!」感想 忘れない日本の風情×家族の中の父親像×ピンチで駆けつける度胸

■父親の源太郎がテレビにも出演しているが、地元の人たちに寄り添い日本の建物や風情を残そうと尽力する。本作では、この日本の歴史とか伝統を重視している様子が分かる。次女・里香が京都で恋の疲れを癒す際に、和菓子作りを手伝っているのだが工程をしっかりと描いていて伝統や歴史が大切なことを強調していた。それを父親が子供への想いにスライドさせているのかなと感じさせた。三女・美香が危ないグループのリーダーに告白さ

もっとみる
映画「違国日記」感想 二人の共同生活×私とあなたは違う×分かりあえなくても寄り添う

映画「違国日記」感想 二人の共同生活×私とあなたは違う×分かりあえなくても寄り添う

■小説家の槙生が姪の朝と一緒に暮らすのだが意外に喧嘩が少ないのがびっくりした。今までとまったく違う環境になるから、ストレス溜まりまくりで喧嘩するのかなあと見ていた。朝には自分の部屋はないし、中学卒業したばかりでかなり微妙な時期。その意味で、よく朝はイライラせずに槙生と付き合えたと思う。両親が亡くなってしまい、高校生活が始まる微妙な時期であり、二人の共同生活はよく成立したなと。特に朝が笑顔を絶やさす

もっとみる
明日を綴る写真館 撮りたいカメラマン×写真家と息子×誤解を解いた結婚式

明日を綴る写真館 撮りたいカメラマン×写真家と息子×誤解を解いた結婚式

■カメラマンとして活躍する太一が、とある写真を見て音がするといって鮫島の写真館で働くようになる。成功しても、何か物足りない、やりたいことが出来てないと思うのはあることだと思う。世間で評価される作品と自分が評価が同じとは限らないし、芸術だと余計に感じるところがあるだろう。感性の世界でもあるから。

■鮫島は息子に誤解されているが、ある意味では仕方がない。いつも家にいなくて、来て欲しかった吹奏楽コンク

もっとみる
映画「数分間のエールを」感想 不思議な作画×音楽、MV作り×再生数の冷酷さ

映画「数分間のエールを」感想 不思議な作画×音楽、MV作り×再生数の冷酷さ

■アニメにしては不思議な作画だった。海外アニメのタートルズに近い。絵画に近く、やたら動く。彼方の親友が美大志望も影響していると思う。劇中のシーンでまさに絵画を描いて、葛藤しているシーンがあるからだ。あそこはまさに絵画であり、彼らの内面がよく分かる。

■モノを作る。音楽や絵画、MVがテーマにあるが、そこには葛藤があり、どんなに想いを込めても届かない。届くためにどれだけ苦しいか、最初は楽しくても結果

もっとみる
映画「恋するプリテンダー」感想 偽りの恋人×両親のお節介×ヒロインと元婚約者が気の毒

映画「恋するプリテンダー」感想 偽りの恋人×両親のお節介×ヒロインと元婚約者が気の毒

■疑似恋愛は惹かれるものがある。嘘の恋人関係が気づけば本当の恋愛関係に発展する。これって、最初は偽だから割り切っていた関係の変化、つまり「あれ?この人、良いところあるじゃない」という相手への評価の変化が多分にあるんだと思う。好きでも何でもない人がある日突然好きでたまらなくなる。

■ヒロインのビーの両親が何だかヤバかった。長女の結婚式に妹の元婚約者を連れてくるなんて。しかも、ビーは疑似恋人でベンが

もっとみる
映画「風の奏の君へ」感想 好きな人が暮らす街×兄弟で女性を愛する×お茶畑の風景美

映画「風の奏の君へ」感想 好きな人が暮らす街×兄弟で女性を愛する×お茶畑の風景美

■突然、兄・淳也が自分はクズだ!とかいってダメ男になって困惑した。利きお茶を提案して地域のイベント企画したり、実家の茶葉屋を継いで経営していたりとできる男感があってかっこよかったのに。それが里香のラストコンサートを欠席しようとして茶工場で寝たり、コンサートに行って崩れ落ちて泣いたりと全然違う人間のように見えた。淳矢の過去がまったり分からないから、いきなりクズだ!と言われても。なんか弟の渓哉目線だか

もっとみる