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映画「フォール」感想 落ちる恐怖×脱出不能×通信手段は?

■テレビ塔に登るのは分からないが、スリルのためというのは少しわかる。ほんの少しで、しかも安全性が担保されていたらだ。テレビ塔は安全性などほぼなく、今にもネジが外れそうなハシゴがあり、頂上でついにハシゴが壊れてしまった。そんな状態では安全ではない。そもそも前もって誰にも言わないで登るというのは信じられないし、怖かった。


■二人しかいないし、誰が下に人を待機させておけば良かったのにと、見ながら何度も思った。頂上ではなにもないし、傘もなく雨などには打たれたままだ。登るのはいいが、映画とはいえ不法侵入だろうし、廃棄予定だから誰も来ない。スマホも圏外でどうしろと。二人の女性が主人公で、怖さを伝えたいのは分かる。そもそも、登った理由は、亡くなった彼氏のためであり、その彼と浮気した贖罪のためだろう。もっと安全な山などを選べばいいのに、なぜ選んだのか?頂上に取り残された時の絶望感は凄まじいし、うてる手段も限られる。スマホはテレビ塔の下では通じるというのはあるからこその希望もある。それが最後の最後で効いてくるのが物語の肝だ。


■見ていると、ああ地上にいて良かったとずっと思う、そんな映画。脱出不能、通信手段無し、閑散とした土地などある意味で、バイオハザードとか鮫映画に通じるものがあると思う。助けがない状況で人間はどんな行動を取るのかというのをよく描写している。


テレビ塔に登る恐怖×スリルと罪悪感


◯落ちる恐怖。ネトフリで見れるが、映画館で観た当時を思い出した。二人の女性が廃棄されたテレビ塔に登る。それだけで怖いのに、スマホで誰にも連絡しないというスリルを味わうのかと思った。そもそも、一人はもう一人の女性の彼氏と寝たことに罪悪感があり、それも払拭しようと半ばやけになっているように見えた。


◯好奇心よりも、胸にあるモヤモヤしたものを吐き出すために登った印象があり、あまり理解できなかった。元々二人はクライマーであるから、テレビ塔にスリルと乗り越えた時の達成感を得たいと考えているかもしれないが、かなり危険。電波も届かずかなり無謀。ラストはある意味でホラーだが、人の気持ちはわからない。

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