弁当でいつも下敷きになってるパスタが好きなあなたへ送るレシピ
ほか弁でよく下敷きになっている、まっさらなパスタ。
(ほっともっとのメニューより。メインの影から少しだけひょっこりしてるかわいいヤツ。)
私は小さい頃からこれが大好きだった。
好きなものは最後に食べる派の私は、いつも、このまっさらなパスタ(名もなきパスタと呼んでいる)は一番最後に、口の中をキレイにしてから、
ハンバーグのときはソースを精一杯絡めて、ソースができるだけ口の中に入るように「ゾゾゾ」と腹減り限界のおっさんがラーメン食べるときののように食べる。
割り箸についたデミグラスソースが竹の風味が加わって最高に美味しい。このときばかりは、竹ばかり食べるパンダの気持ちもわかる。
唐揚げのときは、まず、唐揚げ自体の油をパスタに染み込ませるように唐揚げを箸で強く押して油を出す。
それを、一滴の油も残すまいと、勢いよく食べる。油は噛めば噛むほど美味しいので(私独自の推測)、名もなきパスタが揚げ物の下敷きになっているときは、美食家のように何回も噛む。
フードプロセッサーの最速で混ぜたくらいの細かさになるまで噛む。
そして、ゆっくり、飲み込む。最後に油がついた唇を舐める。最高だし、グロスもいらない。
私は、誰もがこの「名もなきパスタ」のことが大好きで、デザート感覚で食べていると思っており、サプライズ感覚でほか弁側も入れてくれていると思っていた。
それが違ったのだ。
小学校の部活の大会のお弁当が、ほか弁の唐揚げ弁当だったとき、みんなこぞって名もなきパスタを残していた。銀紙やバラン同様の扱いで、「ゴミはここに入れてね〜。」と言われた袋の中にポイポイ入れているのを見て衝撃を受けた。
(唐揚げ大先生ともなると、全く名もなきパスタちゃんを見せてくれない。)
「なんで食べないの?」
と聞いたら、
「美味しくないから」
「お母さんに食べるなと言われている」
「なんとなく」
などという答えが返ってきた。
その日はもう部活の試合のことなんぞ考えられなかった。
揚げ物の下にあるフニャフニャの緑のレタスならまだわかるぞ。
(ちなみに、私はそれさえも大好きです。写真だと気づかなくて写真のペラペラのレタスを食べたこともあります。)
だが、パスタだぞ!!
いつもはメインで食べている、あの、美味しくてたまらないパスタだぞ!!
パスタを食べないなら、ナポリタン弁当のとき、ソーセージと玉ねぎとピーマンとケチャップしか食べれなくなるんだぞ。(それとは違う。)
お母さんが止めるくらいの食べ物ということは、あれは、麻薬なのか。体に悪いのだろうか。たしかに、あれだけ美味しいと体に悪い可能性もある。
だが、私の家の場合、まず、母が、この名もなきパスタが大好きだった。
ほか弁ではチキン南蛮一択の母は、タルタルと甘酢あんがかかったパスタをいつも最高の食べ物と言って笑顔で食べていた。
(ハンバーグのときよりも隠れまくっている名もなきパスタちゃん。尊い。)
一口もらったときの衝撃は忘れないし、今でも毎回一口必ずもらう。
ますます不思議になる。
その日は、家に帰ると、試合の話よりもまず、名もなきパスタの話を母にした。
母は、「みんな大人になったらわかるよ。」と言っていた。
そうか。私は大人の階段を知らずしらず登っていたのか。
いや、まてよ。親から禁止されてるんだぞ。
まあ、もういい。それは忘れることにする。
しかし、たまたま部活のみんなが名もなきパスタのことが嫌いなおかげで私は夢だった名もなきパスタの大量食いが試合のたびにいつも実現していた。
いつもはデザートにしかなかったあの一口分が、大量に食べれる。天国なのか!?夢なのか!?
そのおかげで私はいろーんなアレンジを試した。
まず、漬物パスタ。小さい溝にちょこっとある、これもまた特に子どもには残されがちな漬物とパスタの残され者同士コンビ。
パスタのフニャフニャと漬物のシャキシャキポリポリの食感が相まって最高。
ポテサラパスタ。ほか弁のポテサラは、もはやデザートだと思う。あれは、ポテトでもサラダでもない。バニラアイスだと思っている。
そんなクリーミーなポテトサラダと、色んな味が染み込む名もなきパスタ。合わないはずがない。サラスパ(スパサラ)の最高傑作ここに現る。
白米パスタ。白いそばめしとでも呼んでくれ。もはや、メインよりもご飯のお供になる。名もなきパスタはたまに味が濃いときがある。そんなときに白米パスタはピッタリ。
最後に、お茶パスタ。怒られる人には怒られるこの食べ方。最初は紙コップの中に入れてやっていたけど、注意されてしまったので、口の中で合わせるようにしてこっそり楽しんでいた。
私のアレンジ史上、もっとも京都な味!そこはもう高級旅館。これを食べるときはいつも目をつぶってみんなに黙って京都へ小旅行していた。
そんなふうに、私は、お弁当の上からも横からもほんの少ししか見えない下敷きにされまくっている名もなきパスタを愛し続け、誰よりもたくさん食べてきた。
今まで、いろんなお店でパスタを食べたり、レトルトのパスタや冷凍パスタ、家での手作りパスタ、懸賞で当てた超高級ホテルのパスタ。
パスタはたくさん食べてきた。
もちろん、どれも美味しい。
だが、私の中で、名もなきパスタに叶うパスタはなかった。
押しつぶされて、すべての食べ物を支え、色んなものを吸い込んできた名もなきパスタ。
かっこよすぎる。
部活がなくなってからは、ほか弁の名もなきパスタをまた、一人前の二口分しか食べれなくなってしまった。
あの、大量にたらふく食べて、アレンジしまくっていたあの頃が懐かしくて尊かった。
私は名もなきパスタをまた、思う存分、たらふく食べてみたい。と思った。
とりあえず、ハンバーグまた、唐揚げの日に、パスタを普通に塩で茹でて、下敷きにしてみた。
違った。
パスタがまだまだハンバーグや唐揚げ師匠に服従できていない関係だった。お前らを染み込ませるものか!!というような勢いで全然味がなかった。
ハンバーグや唐揚げ師匠を押しつぶしみたけど、まだまだパスタはめげなかった。
世界一簡単にできる料理だと思っていたので、絶望だった。名もなきパスタも意外と奥深い。
しかも、これの難点は、ハンバーグや唐揚げという大層な料理を作っているのにパスタをでかい鍋でわざわざ何分もかけて湯がくのがめんどくさかった。
それよりも、私は名もなきパスタを、ハンバーグや唐揚げ師匠の力を頼らずに、家でも食べれるようになりたかった。
ネットで、
「ハンバーグ 下敷き パスタ」
「お弁当 味なし パスタ」
「ほか弁 パスタ」
いろいろ調べた。
作り方を知る前に、名もなきパスタの真髄をたくさん知った。
名もなきパスタは、まず、「ピラスモス」というらしい。
なんだ。アンモナイトみたいに化石の名前みたいでかっこいいじゃないか。
お前にこんなかっこいい名前があったのか。
名もなきパスタが少し遠く感じた。
さらに、名もなきパスタこと、ピラスモスさんは、位置がずれるのを支えてくれたり、揚げ物は揚げたてが熱いから容器が溶けるのを防いでくれたり。と、食べ物史上、一番優秀だと感じた。
お弁当の全てを支えてくれながらも、捨てられたり、いろいろ言われている名もなきパスタことピラスモスさん、泣ける。
ピラスモスさん。ピラスモス様。ピラスモス首相。ピラスモス大王。
あんた最高だよ!!!
私もあなた様のような、陰ながら努力し、チームを支え、何でもできて、寛大な人になりたい。
こうして私の将来の目標であり、夢は、ピラスモスとなった。
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申し訳ありません。
レシピ、お教えします。
このピラスモス様の話を料理上手の叔母にしたら、求めているものかわからないけど、、と
見た目からしてあの!名もなきパスタ!!ピラスモス様を私に出してくれた。
食べてみると、やっぱり!!あの、名もなきパスタだった。
原点回帰。最高。私の人生レストラン。
私の最後の晩餐(、、とまでは言えないかも。ごめん。晩餐はハンバーグ様食べたい。)
とにかく!ハンバーグや唐揚げ師匠なくして、
名もなきパスタ単体だけで名もなきパスタを味わうことができるレシピを私は手に入れた。
私の身近には、このパスタを食べたいと願う人が母しかいないものの、この広い日本にはこの、名もなきパスタことピラスモス様を私のように探し求め、愛し続けている人がいるはず。と思い、
また、目標であり夢でもあるピラスモス様のように、このレシピを広め、喜びを分け合うことで私はピラスモス様に近づけると考え、レシピを公開する。
中華だし粉末
塩コショウ
好きな分量で混ぜる。
以上
3000字超えるダラダラ長過ぎる前置きのあとの20字くらいのレシピ。申し訳ありません。ですが、本当に美味しいのです。最高です。名もなきパスタを満腹食べたいと思っていたそこのあなた。お試しあれ。
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まだまだ続きます。
おまけ。
ちなみに、中華だし粉末ではなく、コンソメに変えたり、
マジックソルトとバター
マジックソルトとオリーブオイル
や、
コンソメ+バターという高級品だったりもあるようですが、
いろいろ試して私の中で、ほか弁の名もなきパスタを求めている人には、中華だし粉末が一番だと感じました。
こんだけバリエーションがあると、名もなきパスタことピラスモス様生活一週間できそう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおまけ
ほか弁唐揚げ弁当の名もなきパスタ。公式メニューではあれだけ隠されていた(隠れていた)名もなきパスタ。やっと出会えたね。少し食べちゃったけど、美しい。唐揚げスパイス、少しだけ名もなきパスタのために取っておいてね。かけたらさらに美味しいから!!
カメラ側も、名もなきパスタの写真撮ったことないからこいつは何が撮りたいのか。容器を取りたいのか?机を撮りたいのか?と焦っていてピントが全く合わない様子。
アップにすると、唐揚げの大先生、唐揚げの大師匠の生きた証の油などが見える、、泣ける。
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