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タイガの読書日記

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ラノベ・小説・学術書など様々な本を読んできたタイガが本棚の整理ついでに本の感想を書いていくマガジン。 割と最近は真面目な本を読むことが多いですが一応多種多様な本やたまに論文を紹… もっと読む
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2021年7月の記事一覧

「悪魔の思想」谷沢栄一(著)

「悪魔の思想」谷沢栄一(著)

・言葉巧みな売国奴を告発した本書 戦後日本の論壇は「朝日新聞・岩波書店」などが強い影響力を持っていた。著者はまさにその時代に強い影響力を持った論壇の人物を十二人取り上げてその主張の問題点を指摘し、彼らの言論が戦後日本の悪徳であると非難する一冊がこの本である。

 この本は非難される側の小難しい表現と不可解な主張、そしてそれを批判する著者の格式高い批判の文章が相まって全体的に表現がくどく若干の読みに

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「仕事と人生」西川善文(著)

「仕事と人生」西川善文(著)

・世代問わず勉強になる一冊 この本に書かれていることは現在、何かしらの形で社会と関わっている全ての人にとって有用なことだ。これから就職する人も、バイトしている学生も、会社の重役も、平社員も関係なくこの本は世代ごとに刺さる内容が書かれている。

職種も関係ない。著者は銀行員であったことから銀行の話が多いがここに書かれていることは職種問わず社会に関わり動かしている全ての人が利用できる基礎的なことだ。私

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「郵政腐敗 日本型組織の失敗学」藤田知也(著)

「郵政腐敗 日本型組織の失敗学」藤田知也(著)

・倫理が通用しない職場 世の中にブラック企業は数多あるのだろうが、この本は旧国営産業である日本郵政が民営化されきらなかった結果苦難に陥り結果としてとんでもない悪疫を組織と顧客にばらまいていたことを告発する憤りなしには読めない一冊だ。

著者の熱量の多さがそうさせるのか私には少々理解に時間のかかるような飛んだ説明もあったが、内容自体は日本郵政内の問題点を幅広く網羅し読者にその腐敗の実態を余すことなく

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「国民のための戦争と平和」小室直樹(著)

「国民のための戦争と平和」小室直樹(著)

・日本人が取り戻すべき考え方がここにある 日本が第二次世界大戦の敗戦の反省のもとに考えることを封印してしまった有事に対応するということ。この重要性について「戦争」という面から読者に享受してくれるのがこの一冊だ。

著者が1980年代に世界中の学者ともにつくった「文明史研究会」内で行われた議論の成果しての一冊とするこの本は、きっと現代の日本社会が忘れてしまった思考法をや視点を改めて読者諸君提示し、日

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