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カンヌライオンズを効果的にインプット|How to Deconstruct
カンヌライオンズの事例紹介を見て「良いアイデアだなぁ」と感銘を受けるだけではインプットになりません。なぜ良いと思ったのかを言語化し、腹落ちさせてはじめて、栄養として吸収されていきます。
言語化する手法として、筆者流のDeconstruct(脱構築)を紹介します。
解決したかった課題や目的は何か、ターゲットは誰か、バリアやインサイトは何か、といった具合に徹底的に因数分解し、クライアントブリーフから
★カンヌライオンズ2023まとめ「その手があったか!お見事IPPONアイデア」3選
素晴らしいアイデアがたくさん創出されてきたメージャーなフィールドにおいても、こんなアイデアがまだまだ眠っていたなんて!と感嘆せざるを得ない施策を集めました。
★カンヌライオンズ2023まとめ「KVナシ!Movieナシ!仕組みと仕掛けで課題解決アイデア」10選
CMやウェブムービーといった動画だったり、OOHやポスターといったビジュアルや、ウェブサイトやアプリだったり、新しい技術を活用したデバイスなど、通常の施策には、何かしらの「制作物」がその中心に存在します。しかし、そういった制作物ではなく「仕組み」や「仕掛け」で課題を解決したアイデアがあります(その仕組みや仕掛けを世に伝えるための、映像やポスターは存在しますが)。
「アイデア」とは「クリエイティブ」
野菜や果物の熟した段階に応じたレシピがわかるステッカー「Life Extendings Stickers」
SummaryコロンビアのスーパーマーケットMakro(マクロ)は、コロンビアで毎年610万トンの食料が廃棄され、そのうち40%が果物と野菜であるという問題に対処した。
この問題の原因は、一般消費者が「果物や野菜は熟すと役に立たない」と認識していることにある。
しかし、その認識の奥では、「美味しい料理を作るための最適な食材が欲しい」というインサイトがある。このインサイトに応えるため、Makro
健全な卵は親鶏の歩数で選ぶ「Fitchix」
持続可能な農業方法を採用し、鶏にとっても環境にとっても良い方法で卵を生産している南アフリカの卵ブランド、ホーネストエッグは、一般の「放し飼い」鶏卵農場が1ヘクタールあたり最大1万羽の鶏を飼育している中、1ヘクタールあたり30羽という少ない数で運営している。この飼育法は無駄が少なく、土地へのストレスが軽減され、鶏に非常に良い。しかし、消費者には、この健全さの違いが伝わっていない。ホーネストエッグはこ
もっとみるディープフェイクを見破ることは人間を認証すること「Certified Human」
Summaryプロセッサのパイオニア企業であるインテルは、ディープフェイク技術が人間の目では見分けがつかないほど進化したことで、世界中で偽情報が増加し、人々の「本物である」という感覚を狂わせるという深刻な問題に取り組んだ。
この問題の根底には、一般社会の「本物の人間かどうかは見た目で判断できる」という誤った認識がある。
しかし、その認識の奥には「事実と信頼性を求める」というインサイトがある。こ
注文データを予期せぬ驚きの体験に変える「Chipotle Doppelgänger」
Summary新鮮な食材を使用したメキシコ料理を提供するファストカジュアルレストランチェーンのチポトレは、顧客の注文データを活用してブランドエンゲージメントを強化したいが、多様なブランドコミュニケーションが飽和している中で、人々の関心を引くことが難しいという問題に直面していた。
この問題の原因は、リピーター顧客が「注文データはただの情報で、特に驚きはない」と認識していることにある。
しかし、そ
胎児の段階でマーマイトが好きか嫌いか予測「Baby Scan」
Summary1902年以来、好きか嫌いかで意見が分かれるキャンペーンを行ってきた、英国の伝統的な酵母エキスのスプレッドであるマーマイトは、新しい親たちが子供の好き嫌いを避けるために、「安全な」選択としてマーマイトを選ばないという問題に取り組んだ。
この問題の原因は、「親として子供に最良のものを提供したい。極端な反応を引き起こす食品を与えることは、愛情が足りない証拠」という固定観念にある。
し
過去の遺物をノスタルジーあるストーリーに変える「Blockbuster: Until the Bitter End」
Summaryかつての映画レンタル大手ブロックバスターは、オレゴン州ベンドに家族経営の店舗が1つしか残っていないという問題に直面していた。
この問題の原因は、一般消費者の「新しいサービスの方が便利で効率的だ」という認識にある。
しかし、その認識の奥には、週末の時間に「魅力的なストーリーを体験したい」というインサイトがある。このインサイトに応えるため、ブロックバスターは、「金曜の夜に店内を歩いて
製品デモを驚きのエンターテイメントに変える「Interface Interruption」
SummaryAVODストリーミングサービスであるTUBIは、スーパーボウルのCMには多額の予算とクリエイティブな力が必要であり、目立つのが難しいという問題に直面していた。
この問題の原因は、視聴者が「本当に注目したいのはゲームそのものであり、CMには興味を持っていない」という認識にある。
しかし、その背景には、「新しい、ユニークな体験を求めている」というインサイトがある。このインサイトに応え
合法的にジェフ・ベゾスからの「寄付」を集める「Bill It To Bezos」
Summaryカナダの多くの慈善団体の一つであるジェーン/フィンチ コミュニティ センターは、多数の慈善団体が存在する中で、所得格差の拡大による国民の寄付能力の低下により、資金集めが難しい一方で、社会的な変化を求める声は高まっていたという問題に取り組んだ。
この問題の原因のひとつは、経済的な余裕がないが社会的な変化を望む若者たちが「寄付は金銭的余裕がある人の役割だ」という固定観念を持っていること
W杯ジャージの背中をメディアに変える「Cash Back For Your Jersey‘s Back」
Summary食品と食事券を提供するHRテック企業であるFlashは、FIFAワールドカップで認知度を高めたいが、費用が高いという問題に直面していた。
この問題の原因は、ワールドカップを楽しみにしているファンが「頭の中はワールドカップのことでいっぱいで、企業の一方的な広告には興味がわかない」という認識にある。
しかし、その背景には、「自分たちのワールドカップへの情熱に共感してほしい」というイン
ブランドへの苦情をブランドへの愛情に変える「Apologize The Rainbow」
Summray1974年にイギリスの会社で初めて作られたフルーツ味のキャンディブランドSKITTLESは、変わらない古典的な製品が、成長するフルーティ菓子カテゴリーの中で忘れられがちになっている問題に直面していた。
この問題の原因は、消費者がSKITTLESのことを「誰も興味を持たない、新鮮味のない同じ味」と認識していることにある。彼らは変化のない製品に飽き、それが誰にも興味を持たれてないことで
次のGOATは誰だ「Nike FC Presents Footballverse」
Summaryスポーツの無限の可能性を信じるNIKEは、過去のワールドカップでスポンサーしているチームがインパクトを出せず、またNIKEの有名選手のキャリアが終わりに近づいていることから、ブランドの魅力や関連性が低下しているという問題に直面していた。
この問題の原因として、新世代のフットボーラー、特に次のGOAT(史上最高の選手)を待ち望んでいる若い世代の中で「これ以上のGOATは現れないだろう
政治家の公的資金の出費を可視化する「Transparency Card」
Summaryブラジルの独立デジタルニュースポータルであるCongresso em Foco(コングレッソ・エム・フォコ)は、政治家の公金使用に関するデータが複雑で、一般市民が監視するのが困難であるという問題に取り組んだ。
この問題の原因としては、18歳から70歳までのブラジルの有権者の中に「公的資金は、政治家が自由に使えるためのお金だから、透明性を全て求めることは難しい」という思い込みがある。
輸入の代わりに自国栽培でWin-Winビジネスモデル「Corona Extra Lime」
Summaryライムを添えて楽しむことで有名なビールブランド「Corona Extra」は、新型コロナウイルスの影響でタヒチ産の高品質ライムが不足し、中国における事業成長に支障をきたしている問題に直面していた。
この問題の背景には、中国のビール愛好家が「タヒチ産のライムがコロナビールに最適」という認識を持っていたことがある。これはコロナのマーケティング戦略の結果でもあった。
しかし、この認識の