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「もう誰も信じられない!」職場で不信感が広がったら、どう対処する?

従業員の不信感が職場に蔓延する現象を「組織シニシズム」と呼びます。

この状況に陥ると、「あの人は信じられない」「相手を何とか出し抜いてやろう」などの考えが生まれ、モチベーション低下やイノベーション阻害が引き起こされるとの報告もあります。

皆さんの職場は大丈夫でしょうか?


シニシズムが広がると、パフォーマンスが下がり、離職にもつながる…


組織シニシズム研究が始まったのは2000年代です。

1980年代以降に米国企業の度重なるレイオフや事業縮小などが続いたこと、そして経営層への高額報酬の横行も重なったことが背景にあります。

これによりさまざまな企業の現場で不信感が生まれたことで、組織行動学者の間で研究が始まりました。

職場にシニシズムが広がると、どうなるのでしょうか?

いら立ち、悲観主義、拒絶などが生まれ、対立も増えていきます。その結果、個々のパフォーマンスが下がったり、最悪な場合、離職率が増えることもあります。経営者としては、こうした事態を防ぎたいものです。

では、どう対処すればよいのでしょうか?


対処法は、褒め合うこと、透明性を高めること、従業員の自由度を高めること


組織で取り組むべき対処法のひとつとして、同僚を褒め称え合うことが良いとされています。

相手の良い点を挙げることは、自分の感情をポジティブに変換することにもつながります。ただし、すぐにこうしたムードを作るのは難しいため、ピアボーナスなどの仕組みを導入するのが一つの手でしょう。

透明性を高めるのも、シニシズムを防ぐのに有効です。

各会議や決算などの各種情報公開を進めるのは勿論、開かれたコミュニケーションを大切にすることも効果的です。近年、Slackなどのチャットツールの導入が進んでいるのも、こうした流れに影響していると考えられます。

さらには、従業員の自由度を高めるのも有効です。

シニシズムが生まれるのは「自分は無力だ」「何か制限されている」という感覚に基づくものです。したがって、なるべく従業員に裁量権を与えることが大事です。近年の多様な働き方の促進はまさにピッタリな施策なのです。


個々の自己認識を高めることも、シニシズムを防ぐことに有効


では、個人ではどんなことに取り組むと良いでしょうか?

ひとつは、自己認識を高めると良いとされています。近年、米国でマインドフルネスやセルフアウェアネスなどが注目されているのは、こうした流れを汲んでのものです。自身の感情や行動を客観的に省みるようになれば、感情面でもポジティブさを維持できます。

ここまで、職場のシニシズムを防ぐ方法論を見てきました。

人間は機械ではありません。実態があり、生きていて、感情があります。正にも負にも揺れ動く存在のため、こうした部分に目を向けて組織運営を行う必要があるでしょう。

皆さんの会社は、職場の感情にも寄り添っているでしょうか?

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