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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2021年10月の記事一覧

ウナギ

「クリス、おはよう。」
「ああ、スー。おはよう。」
 クリスは声をかけてくれたのがスーだとわかり、手を振りながら笑顔で答えた。
「この連休はどこか行った?」
「ええ、ホストファミリーのほのかと、買い物に行ってきたわ。」
「あら、もしかしてそのバッグ……」
 スーザンはクリスが見かけないバッグを持っていることに気付きそう言った。
「うん、そう。このバッグを買ったんだ。」
「うわあ、可愛い。」
「へへ

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劇場

「そういえば、この前家に呼んでもらった時に、飾ってあった写真ちょっと見ちゃったんだけど、まっつんはお兄さんがいるの?」
帰り道、英一はそんなことを聞いてきた。
「ああ、うん。」
「俊兄は昔から優しくてさ、僕も一緒に遊んでもらったなあ。」
「ああ、そんなこともあったっけ。」
「写真でしか見てないけど、結構似てるよね。」
「え、そんな似てないだろ。」
「そうかなあ。」
英一は疑いの眼差しで勇樹を見た。

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日陰

「そもそもの始まりは、少し前の体育の授業だったんです。
運動はそんなに得意じゃないし、クラスで仲がいい子もいないんで、そんなに好きじゃないんです。あ、なんでクラスに仲がいい子がいないとダメか、って顔してますね。うちの体育の授業って、いつも二人一組になって準備体操をするんですよ。
 うちのクラスの女子は奇数なんで、誰も休んでない時は先生とやって、誰か休んで偶数人だってわかってるときはこうやって先生に

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ワサビ

「どうした、高森。緊張してるのか?」
「あ、はい。」
 高森はいつになく緊張をしており、ずっと下の方を見ながら座っていた。
「お前のその気持ちも分からんでもないが、せっかく来たんだ。満喫しろ。」
「はい、ありがとうございます。」

 二か月ほど前のことだっただろうか。仕事終わりに帰ろうとしていた高森に上司の久野大輔が声をかけてきたのだった。
「高森、ちょっといいか。」
「はい、なんでしょうか。」

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平和

 昼休み。珍しく学食で昼食を済ませた二人は、なんとなく学校の中庭に来て、ベンチに座ってみた。
「暇だねえ。」
「ん、ああ。」
 陽介からの問いかけに、勇樹は適当な返事をした。
「まっつん、せっかくだからなっかしようよ。」
「何かってなんだよ。」
「うーん、じゃあかわいいものしりとり。」
「いいよ、前にもやったろ?」
「別にいいじゃんかよ。」
「普通のしりとりならまだしも、ああいう変則ルールのやつは

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